作業療法ジャーナル 49巻11号 (2015年10月)

特集 発達障害のある人のライフステージを通したOTのかかわり

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特集にあたって

 OTは,自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症,発達性協調運動症等の発達障害がある子どもや大人の治療や支援にかかわってきた.近年,発達障害児者への作業療法ニーズは高まってきており,今後さらにそれは高まるであろう.発達障害は小児期から行動や対人関係等の問題がみられるが,その後のライフステージでもそれに基づく社会適応の困難を抱えることが多い.そのため,私たちは発達障害がある子どもが各ライフステージでどのような問題にぶつかり,どのようなニーズを抱えるのかを把握し,それに対するOTの役割について考える必要がある.そこで,今回「発達障害のある人のライフステージを通したOTのかかわり」と題し,発達障害児者にかかわってきた医師とOTおよび,これまでOTに支援を受けてきた発達障害者の保護者に,このテーマにそってご執筆をいただいた.

 本特集を通して,発達障害児者の生涯を通した支援の現状と課題について,多くの読者にご理解いただきたいと願っている.今後の発達障害児者への作業療法サービスを充実させる取り組みのきっかけになれば幸いである.

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Key Questions

Q1:DSM-5の変更点は?

Q2:発達障害者の困難とは?

Q3:発達障害者の支援とは?

DSM-5の変更点

 米国精神医学会は,2013年に『精神疾患の診断・統計マニュアル第5版:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition,DSM-5』を出版した1).今回13年ぶりの改訂であり,大幅な変更が加えられた2,3).特に重要な変更が,これまでの「通常,幼児期,小児期または青年期に初めて診断される障害」の項目の廃止と,「神経発達障害群」という大項目の追加である.この大項目が従来の発達障害を指し,その中に,知的能力障害,コミュニケーション障害,自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder:ASD),注意欠如・多動性障害(attention-deficit/hyperactivity disorder:AD/HD),限局性学習障害,運動障害が含まれた.わが国では,これまでもAD/HDを発達障害の一つとしてとらえていたが,DSM-Ⅳ-TRまではAD/HDは「注意欠如および破壊的行動障害」という別項目に含まれていた.また,これまで認められていなかったASDとAD/HDの併存が診断できるようになった.以下,特にASDとAD/HDの変更点について詳述する.

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Key Questions

Q1:発達障害がある人々の作業療法支援を考える際,保護者支援が重要な理由は何か?

Q2:発達障害がある人々の支援で,OTがもつ強みは何か?

Q3:発達障害がある人々のライフステージに寄り添った支援を考える際,OTが担うことのできる新たな役割や仕事の仕方は何か?

はじめに

 広義の発達障害の概念は,もともとライフステージを通した一貫性のある支援(人生の縦軸)や,支援領域の総体性,総合性(人生の横軸)の重要性が意識され,米国で法律用語として生まれたものである.作業療法は,人の意味ある作業の支援を軸として,年齢も障害領域も限定しない総体的な支援を行うことができる専門職の一つとして,この概念に沿った支援の実践をどのステージにおいても,場合によっては全ステージを一貫して担うことができる.しかし実際には,所属する組織の特性により,支援期間や対応年齢,支援領域は限られることが多く,ライフステージに寄り添った作業療法支援は小児科領域や精神科領域,また教育や福祉,就労関係の組織やそこに携わるさまざまな職種の隙間のない連携なしには達成し得ない.

 発達障害がある人々の困り感は,個人の特性の多様さに加え,年齢や地域のリソース,家族や学校や職場環境等,多くの要因が絡み,一様ではない.そしてその社会的予後も個人の発達特性よりは,その育ち方や環境要因に大きな影響を受けているように思われる.

 ゆえに本稿では,発達障害がある人々の支援について,どのライフステージにも共通する支援として基本的な柱である,保護者(キーパーソン)支援,直接支援における作業療法のあり方,社会資源の活用・支援システムの構築,の3つの観点から,その基本的な考え方を整理してみたい.

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Key Questions

Q1:就労支援分野における発達障害者の状況とは?

Q2:発達障害者がもちやすい職業意識の特徴とは?

Q3:発達障害者の就労支援におけるOTの役割とは?

はじめに

 今日の保健医療福祉領域において,発達障害の診断を受けた,また行動特性により発達障害の可能性が疑われる対象者への支援の必要性が唱えられている.文部科学省の調査によると,自閉症・情緒障害特別支援学級に在籍する児童生徒数は,2007年度(平成19年度)以降,毎年,約6,000人ずつ増加していると報告されている1).また,児童生徒の対応困難な状況に対して,学校教育の通常学級においても,学級規模を小さくすることや複数教員による指導等の方法の工夫改善を進めることが必要であると謳われている2).学校教育が終了し,青年期になってからも支援が継続して必要であること,またはそれまで支援を受けておらずとも就労等の場面から社会適応が困難となり,初めて支援が必要となる対象がいることは容易に想定される.発達障害では,もともとの障害特性による主症状に他の随伴症状を伴うことがあり,さらに環境要因が加わることで抑うつ状態や不安の高まり等,二次障害としての精神症状が出現することがある.すなわち精神症状に対しての受診をきっかけとして,発達障害が明らかとなり,その時点から専門的支援が開始されることも少なくない.

 筆者らが活動する栃木県県北圏域は,人口約22万人,那須塩原市,大田原市,那須町の2市1町から成る圏域である.NPO法人那須フロンティア(以下,当法人)は,1999年(平成11年)10月に設立され,「メンタルヘルスを中心とした豊かなまちづくりへの寄与」を目的に,精神障害者の地域生活支援に関する事業を行い,地域で生き生きと暮らせるような活動を提案していくとともに,地域におけるメンタルヘルスの問題に取り組むことを試みてきた.その考えに賛同した参加者・協力者は,近隣の関係機関に勤務する医師,OT,精神保健福祉士等の専門職,患者家族,企業(飲食業,農業,建築業等),行政職員,地域住民,ボランティアで構成され,さらに約300人の後援会員の継続的な支援を受けて,さまざまな事業を運営している.

 事業の一つである就労支援事業所喫茶店ホリデー(以下,ホリデー)は,当法人設立と同時に運営をはじめ,約15年経過している.設立当初は小規模作業所として,その後,2003年(平成15年)より小規模通所授産施設,2008年(平成20年)より就労移行支援事業へと沿革し,現在に至る.当事業所は,喫茶店を運営しており,「就労するための技術・能力を身につける機会を提供する就労支援事業所」としての側面と,「近隣住民の方々が気軽に訪れることができる喫茶店」としての側面をもつことをコンセプトに運営している.つまり,通所する障害者が「訓練を行う通所者」としての立場と,「喫茶店スタッフ」として勤務する立場と,両面を意識化できるように支援している.また近隣企業(飲食業,農業,製造業等)の協力もあり,職場体験実習もサービスの一つとして積極的に取り組んでいる.職員の配置としては,OT 2名,PSW 1名,喫茶店職員2名により構成されている.その他,近隣の医療関係者や当事者,その家族等,ボランティアの方々にも運営の協力をいただいている(図1).

 当法人の障害福祉サービスに基づく2施設(就労支援事業所,相談支援事業所)において,開設当初より精神科を受診する方の相談が多いが,ここ数年では発達障害者の利用数が増加傾向にある(図2).

 本稿では,発達障害の診断がある方について,ホリデーでの就労支援の取り組み,OTとしての役割を紹介したい.1事例は,発達障害の診断後,医療機関により心理教育を受け,その後さまざまな支援機関を利用することを繰り返し,自らの障害特性を過剰に意識した対象者である.もう1事例は,発達障害の診断を受けた後も,自身では障害特性に関してはほとんど意識せず生活していたが,就労場面を中心として具体的な行動場面を経験することにより徐々に認識していった事例である.この事例の支援経過を振り返り,同様の状況に置かれた対象者の支援への一助となることを目的とする.

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Key Questions

Q1:保護者にとっての感覚統合の理解とは?

Q2:当事者にとっての感覚統合の理解とは?

Q3:感覚統合による発達障がいの支援の可能性は?

はじめに

 私の住む長崎県は,現 県立広島大学の土田玲子教授,長崎大学の岩永竜一郎准教授の長年のご尽力により,発達障がい児・者全般にわたる支援の基盤が感覚統合をベースに展開されてきています.

 私の所属している長崎発達支援親の会「のこのこ」も両先生のご指導のもと,結成から26年目を迎え,活動内容も時代の変化に伴い,多岐にわたるようになってまいりました.特に発達障害者支援法施行後は,行政との連携,外部団体への働きかけ,ペアレントメンターとしての保護者支援等,感覚統合の学びと体験をもとにさまざまな活動をさせていただいております.それは,感覚統合による理解を支援のベースとすることが,その他の分野の学びの理解を深め,保護者にとってのわが子の障がいの受容にいかに大きな影響を与えているかをあらゆる場面で気づかされたからです.

 今回の寄稿では,発達障がい児・者の一番近くにいる親が感覚統合の理解によって,毎日の生活の中で彼らの生きづらさと向き合うことができるようになったことと,それに伴うさまざまな変化の体験をもとに,私見をお伝えさせていただきます.

 発達障がい児・者の支援にかかわってくださるすべての方々への大きな感謝込めて.

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Key Questions

Q1:成人期の発達障害者がかかえる課題とは?

Q2:発達障害者への生涯にわたる支援の充実のためにOTができることは?

Q3:発達障害者支援におけるこれからの課題とは?

はじめに

 発達障害児への支援は,近年子どもを対象としたものを中心に大きく前進している.しかし,成人の発達障害者の支援は,児童期に比べると遅れているといわざるを得ない.また,児童期〜成人期まで一貫した支援が継続できていないケースが多く,支援機関・支援者の縦の連携がとれていないと考えられることがある.筆者が勤務する地域においても,発達障害者支援,児童期〜成人期にかけての支援の継続のための取り組みは始められているが,まだ課題が山積している.

 本稿では発達障害のある方のライフステージに添い,各ステージでどのように支援し,その糸をどのようにつないでいくか考えてみたい.

提言

3つの立場からの提言 田中 勇次郎
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 東京都立府中リハビリテーション学院(専門学校)を卒業してOTの免許を取得し42年目になる.4年前東京都を定年退職したときは,ボランティアである東京都作業療法士会の仕事を中心に生活しようと思っていたが,はからずも養成校の教員になり3年目を迎えている.この他,上述の肩書の立場でOTやOT協会に提言させていただく.

あなたにとって作業療法とは何ですか?・第10回

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ひとの生活の安心を考える人=OT

 これまでのOTとしての仕事の中で,今一番気になっているのが「安心」という言葉です.その理由は,安心の対義語である「不安」,「心配」にあります.臨床では対象者の不安に着目することは特別なことではありませんが,不安から安心を考えることと,安心から不安を考えることは別だと感じています.不安が軽減しても必ずしも安心できるわけではありません.しかし,安心を目指すとどのような不安を軽減するべきか見えてきます.ところが,安心は他者からは見えず,一人ひとりの心が感じることです.安全と安心はよく同時に使われますが,リスク学の勉強を始めてから,安全を追求することが必ずしも安心につながるわけではないこともわかりました.今までの臨床経験を思い起こすと,任せてくださいといった一方向的なかかわりをしていたことを思い出して恥ずかしくなります.生活でさまざまに生じるリスクへの対応は,一人ひとりの意思決定の表れであり,ひとの生き様を知るきっかけになります.それは森の木にたとえられるかもしれません.人には,大地(生活)に根を張ってきたそれぞれの歴史があるのです.枝や葉っぱの状態だけに目を奪われることなく,それよりも外から見えない根の状態がわかる,それが私の描く作業療法であり,OTです.

講座 IT機器・ICTとリハビリテーション・第5回

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 われわれは日々,いろいろな場面で科学技術の恩恵を受け,便利で快適な生活を送っている.「現代の生活において,科学技術を利用せずには暮らしていけない」と言っても過言ではないであろう.

 しかし,一般に高齢者にとって,新しいものを取り入れることは困難な場合が多く,便利な機器がかえって高齢者の日常生活の営みを邪魔する場面も見受けられる1).特に認知症患者,軽度認知障害(mild cognitive impairment)の人,脳機能損傷者にとっては,はじめての科学技術を日常生活で使うことは困難を伴うことが多く2),在宅生活継続の困難にもつながることがあり,その対策が急がれるところである.

連載 クリニカルクラークシップに基づく作業療法臨床教育の実際・第1回【新連載】

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クリニカルクラークシップとは

 一般社団法人日本作業療法士協会は超高齢社会の到来に向けて「地域生活移行・地域生活継続支援の推進」1)の方針を明確にしてきた.地域障害者,またそれが懸念される何らかの困難をもつ方に対して,対象者の人生や生活を基盤とした思考のできるOTの育成が課題となっている.臨床教育は,作業療法のフィールドに出て臨床を学ぶことであり,OT養成教育の中で重要な部分を占めている.それは,理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則では810時間,世界作業療法士連盟の示す教育最低基準では認可条件には標準1,000時間以上の臨床教育を規定している2)ことからも理解できる.OT養成教育は学内における基礎教育,専門基礎教育と,臨床教育を含む作業療法専門教育から成り立っているため,本稿では臨床実習と称せずに臨床教育と称し,臨床実習指導者を臨床教育者と称することにしたい.OT教育が日本に登場してから現在まで約40年間行われてきた診断的推論を用いた症例報告型臨床教育方式を一度見直し,対象者の生活に寄り添うOTをより多く排出するのに有効な臨床教育を行うために,筆者らはクリニカルクラークシップ型臨床教育を提唱する.

 クリニカルクラークシップとは,学生が主体となり対象者とのかかわり合いの中から臨床医学を学ぶ「診療参加型」の臨床教育方式を指す.クリニカルクラークシップは100年以上前に米国の医師教育から生まれた3).日本の医師教育では医師の免許をもたない医学生が診療行為に参加することに対して社会的合意が確立していなかったため,ポリクリやベッドサイドティーチングという診療見学型の実習が行われてきた.しかし学生が病棟で見学するだけでは有効な学習にならなかった.そのため学生がチームの一員として自ら意欲的に参加し,効果的に学習するため,実際の診療にかかわる臨床実習方式としてクリニカルクラークシップが行われるようになってきた.クリニカルクラークシップの定義は,①医学生が医療チームの一員として実際の患者診療に従事する,②指導医の指導あるいは監視のもとに許容された一定範囲の医療行為を行い医学生としての責任を負う,③将来医師となるために必要な知識,技能,態度および価値観を身につける3),とされている.この定義は,医療行為を治療的介入に,医学生および医師を作業療法学生,OTに替えても差し支えないと考えている.クリニカルクラークシップ型臨床教育が今までの症例報告中心型臨床教育と大きく異なる点は,作業療法のプロセスに沿った臨床教育ではなく,私たちが臨床で行っているカルテからの情報収集や各種の検査,基本動作やADLの指導,作業の実施等に含まれるさまざまな技術を細分化した技術単位で学ぶことである.

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はじめに

 本稿では,主たる介護者となった筆者たちが混乱期に川モデルを使用した2例を紹介する.事例A1)は,母親の状態を川モデルで図示することにより,自身の介護を振り返る経過の中で,作業療法の視点から母親の望む暮らしの内容と人生の信念を再認識し,その後の介護に役立てた例である.事例B2)は,パーキンソン病(以下,PD)の母親の症状が短期間で急激に悪化し入院に至ったという失意の状態の中,事例検討会で発表し自身のエネルギー量を回復した例である.川モデルの図示と事例検討会で起こったことを考察する.

学会・研修会印象記

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 知識の幅を広げられる場 中村祐子(横浜市総合リハビリテーションセンター)

 2015年(平成27年)6月19日(金)〜21日(日)に,兵庫県神戸市にある神戸ポートピアホテル・神戸国際展示場で,第49回日本作業療法学会が開催されました.

 私は臨床2年目で,日本作業療法学会も昨年の国際学会に続き2回目の参加でした.国際学会も規模の大きさに驚きましたが,国内学会も内容が濃く,聴講したい発表も重複していたため,選択に悩みながら充実した日々を過ごしました.

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Abstract:今回われわれは,慢性期の脳卒中患者2名にCI療法を実施する際,日常生活における麻痺手の使用を促すためのディスカッション時に,従来法の言語のみによる対話に加え,麻痺手に対する訓練における意思決定補助ツールであるAid for Decision-making in Occupational Choice for Hand(ADOC-H)を開発し,用いた.結果,介入前後でFugl-Meyer AssessmentとMotor Activity Logの向上を認めた.加えて,ADOC-Hを用いた議論に関する感想として,2名からは「文字や言語だけよりもイメージが湧きやすい」等のポジティブな感想も聞かれた.しかし,上肢機能が比較的保たれ,介入前から生活で麻痺手を積極的に使用していた患者には,「すでに麻痺手で行っている」といった選択肢の少なさに対する問題提起も聞かれた.今後は,ADOC-Hが従来法に比べ有用であるかどうかを,対象者の選定とともに,調べていく必要があると思われた.

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Abstract:本報告は,左被殻出血を発症した女性を対象に非利き手での箸操作獲得を目的とした.介入方針は,①クライエント中心の実践に焦点を当てる,②中田らの箸操作パターンの分類に基づき,箸操作に必要な手のフォームと手指の動きの要素的訓練を段階づけるとした.クライエントとの協働関係を通して段階的に箸操作訓練を行った結果,200病日で非利き手での箸操作が獲得された.このときのカナダ作業遂行測定(Canadian Occupational Performance Measure:COPM)の重要度,遂行度,満足度はすべて8となった.また,AV型の獲得にあたり,遠位箸を母指と示指で把持し,近位箸を母指と中指で把持する方法が有効であった.今回の事例を通して,クライエント中心の実践や類似AV型の効果が確認された.今後,さらなる効果検証に努めていく必要があるだろう.

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表紙のことば/今月の作品

編集室から

学会・研修会案内

次号予告

研究助成テーマ募集

編集後記 宮崎 明美
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 深夜,編集後記を書いていると突然,秋の虫の声が聞こえてきた.あれ!? つい先日までせみの声がにぎやかだったのに……と,秋の訪れに驚かされる.

 さて,今月の特集は「発達障害のある人のライフステージを通したOTのかかわり」である.多かれ少なかれ発達障害領域で働くOTは誰・も・が,発達障害すなわち自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)がある子どもたちにかかわっているといっても過言ではないだろう.日本に感覚統合療法が導入されたころ,学習障害と並行して自閉症がある子どもたちへのかかわりが少しずつ始まっていたのを思い出す.世間で“発達障害”という言葉が定着しはじめたころ,精神科領域のOTや医師から「発達障害がベースにあるような人が多くて……これまでの統合失調症とはちょっと違う若い人がいる」という言葉も聞こえてきた.発達障害がある子どもたちを追跡した結果ではなく,突然降って湧いたように,目の前に精神科領域の話を突きつけられたような印象だった.

基本情報

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作業療法ジャーナル
49巻11号 (2015年10月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:0915-1354 三輪書店

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