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Key Questions
Q1:発達障害がある人々の作業療法支援を考える際,保護者支援が重要な理由は何か?
Q2:発達障害がある人々の支援で,OTがもつ強みは何か?
Q3:発達障害がある人々のライフステージに寄り添った支援を考える際,OTが担うことのできる新たな役割や仕事の仕方は何か?
はじめに
広義の発達障害の概念は,もともとライフステージを通した一貫性のある支援(人生の縦軸)や,支援領域の総体性,総合性(人生の横軸)の重要性が意識され,米国で法律用語として生まれたものである.作業療法は,人の意味ある作業の支援を軸として,年齢も障害領域も限定しない総体的な支援を行うことができる専門職の一つとして,この概念に沿った支援の実践をどのステージにおいても,場合によっては全ステージを一貫して担うことができる.しかし実際には,所属する組織の特性により,支援期間や対応年齢,支援領域は限られることが多く,ライフステージに寄り添った作業療法支援は小児科領域や精神科領域,また教育や福祉,就労関係の組織やそこに携わるさまざまな職種の隙間のない連携なしには達成し得ない.
発達障害がある人々の困り感は,個人の特性の多様さに加え,年齢や地域のリソース,家族や学校や職場環境等,多くの要因が絡み,一様ではない.そしてその社会的予後も個人の発達特性よりは,その育ち方や環境要因に大きな影響を受けているように思われる.
ゆえに本稿では,発達障害がある人々の支援について,どのライフステージにも共通する支援として基本的な柱である,保護者(キーパーソン)支援,直接支援における作業療法のあり方,社会資源の活用・支援システムの構築,の3つの観点から,その基本的な考え方を整理してみたい.
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