ベッドサイドの看護
外科における老齢患者の自立への援助
伊東 久恵
1
1岡山大学医学部付属病院
pp.1571-1575
発行日 1972年12月1日
Published Date 1972/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916513
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老齢患者とどう取り組むか
人口の老齢化や核家族化の進行は,深刻な社会問題となっているが,病院においても老齢患者は年々増加し,いろいろな問題をなげかけている.老人にとって,社会や家族から疎外され,そのうえ病気になることは非常に苦しいことであろう.人間の平均寿命は延びており,残された人生を楽しく生きるためには,1日も早く自立して日常の生活をとりもどす必要がある.
最近,家族と同居しながらひとり暮しに近い状況の老齢患者が入院し手術を受けた.この患者は病気に対する不安と将来への不安,経済的問題,合併症や病状からみて治癒が遅いなどの問題をもっていたが,合併症の予防と,術後の回復,精神面での援助に努めた結果,比較的早期に自立へと導くことができたので,ここに紹介する.
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