総合リハビリテーション 44巻11号 (2016年11月)

特集 精神科疾患のリハビリテーション

今月のハイライト
  • 文献概要を表示

 統合失調症やうつ病などの精神科疾患に対して,薬物療法以外の介入の有効性が多く報告されるようになり,リハビリテーションや地域におけるケアなどの重要性が高まってきています.また,精神科疾患における多職種での,治療-社会復帰,復帰後のフォローといった切れ目のない支援は,他の疾患ではまだ確立されていない,先進的なものと考えられます.

 そこで,今回の特集では,精神科疾患患者を対象として行われるリハビリテーションについて,専門の先生方に,概要と実践をご解説・ご紹介いただきました.

  • 文献概要を表示

はじめに

 日本においてリハビリテーションは身体分野が大部分を占める.日常生活動作の概念が確立し早期離床・早期歩行などが大きな成果を上げたことから発展して,障害者の社会参加や全人間的復権を目指す諸活動を統合した言葉として用いられるようになった1,2)

 一方,精神科リハビリテーションは,発症直後の急性期を過ぎたが入院生活を送る慢性期統合失調症患者に対する取り組みに端を発する.統合失調症そのものに起因する認知機能障害に加え,長期入院の末に生じる生活能力の低下が認められたため,入院生活中の集団療法や作業療法,レクリエーションが精神科リハビリテーションと考えられていた3).しかし,諸外国との比較から日本での社会的入院の解消・退院促進の必要性が叫ばれ,また1995年に「障害者プラン—ノーマライゼーション7か年戦略」が策定されて障害をもつ人も必要な支援を得て社会の中で普通の生活が送れるようにするというノーマライゼーションの理解が進んだ結果,「精神科リハビリテーション」とは「学習過程と環境支援を通して可能な限界まで対人的・道具的役割機能を回復させる」とともに,「機能の再獲得に限界があるときには環境調整や環境側の支援を強めることによってその限界を代償する」こと,これらによって「回復を助け,専門家による最小限の介入で,彼ら自身が選択する環境において落ち着き,満足できる生活を送れるようにすること」という理解4)が共有されるようになった.同時にその背景には「当事者の個別性を重視して,当事者が希望する社会生活の実現に向かい,当事者と協働で意思決定を行いながら支援する」というリカバリーを重視した支援概念の広まりが存在する5)

 行政面では2004年に厚生労働省が「精神保健福祉施策の改革ビジョン」を策定し,2005年には障害者雇用促進法が成立,2014年には障害者権利条約に批准,2016年には障害者差別解消法が施行されるなど,行政措置も充実が図られつつある6)

精神科疾患の運動療法 内田 直
  • 文献概要を表示

はじめに

 第二次世界大戦後の精神科医療の歴史を振り返ってみると,それ以前と比べて精神疾患の病態に対して非常に大きな変化があったことがわかる.この変化には抗精神病薬の発見とその薬理作用の研究が非常に大きな要素であったことは間違いがないし,またさまざまな画像医学技術や分子生物学などがさまざまに融合する形で方法論が発展し,これらによって精神疾患の病態が明らかになっていったということもある.このような変化は,精神科の医療を大きく変えた.結果としてできた外来を主体とする精神科医療の場は,日に日に広がっている.30余年前筆者が医師になったころは,病棟における統合失調症の治療が,精神科医療の大きな割合を占めていた.現在も統合失調症は精神科における重要な疾患ではあるが,この30年間のなかでは外来における精神科医療の果たす役割は,非常に大きくなっており,さらには対象となる疾患の割合も変化している.私的なデータではあるが,筆者が東京都内で勤務している外来のみの精神科クリニックにおいても,初診患者のうち,うつ病の占める割合は約3分の1であった(2015年調査).このように外来精神医療におけるうつ病治療の重要性は非常に高くなっている.

 一方,厚生労働省は2011年に,精神疾患を,がん,脳卒中,心臓病,糖尿病と並ぶ「5大疾病」と位置づけて,重点対策を行うことを決定した.さらに,職場におけるストレスチェックの義務化も昨年12月から始まった.さて,5大疾患のなかにも含まれる生活習慣病(高血圧,脂質異常,糖尿病,肥満)の予防と治療には,運動療法が非常に有効であることはいうまでもなく,職域においても運動が奨励されている.一方で近年の研究では,うつ病に対しても適切な運動療法が治療的効果をもつことが報告されている.うつ病に対する運動療法は非薬物的治療法であり,予防的効果への期待に加えて身体的健康度の向上も間違いなく伴うものであり,今後積極的に精神科医療にも取り入れられるべきものと考えられる.また,運動療法が認知症や注意欠如・多動性障害を含む発達障害に効果があるという知見も出始めている.本稿では,このような精神科疾患に対する運動療法の現状について,主にはうつ病運動療法について解説し,後半では日本スポーツ精神医学会と学会が認定するメンタルヘルス運動指導士の資格について概説する.

精神科作業療法 山口 芳文 , 片岡 圭美
  • 文献概要を表示

はじめに

 精神障害に対する作業療法(Occupational Therapy;OT)の目的は,対象者の評価および治療・支援である.評価は情報収集,観察,面接,検査からなり,対象者理解を深めていく.治療・支援を行うには,そのための明確な治療構造〔作業療法士(Occupational Therapist)の治療的態度,作業活動の利用,集団の活用,実施場所や時間など〕の設定が重要である.常に治療・支援の治療構造を吟味しながら対象者の主体的な生活の獲得をめざすのが精神科OTの目的である.

 精神科OTでの対象疾患は,従来は入院中の統合失調症が中心であったが,最近では気分(感情)障害,認知症,神経症性障害,広汎性発達障害などと広がり,急性期から担当することも多い.さらに入院から地域へと臨床の場が移りつつある.精神障害領域の作業療法士は精神科OT部門(入院,外来)や精神科デイケア部門で勤務している者が多い.

  • 文献概要を表示

はじめに

 ハローワークにおける精神障害者の求職登録件数および就職件数は,年々大幅に増加している1).また,2016年4月の「障害者の雇用促進等に関する法律」の改正において,これまで雇用義務の範囲に含められていなかった精神障害者の2018年4月からの雇用義務化が決定している.このようななか,当事者および企業の双方において,障害者の就業に関する機運の高まりがみられる.これに伴い,就労支援を担う支援者に対する期待感も大きくなってきている.

 現在,精神障害者の就労支援には,医療分野の支援機関とともに,ハローワーク,地域障害者職業センター,障害者就業・生活支援センターなどの労働分野の支援機関などの支援者がさまざまに携わっている.このうち,地域障害者職業センターは,障害者本人,企業,地域の支援機関に対する専門的な支援サービスを提供している労働分野の代表的な支援機関である.なお,この地域障害者職業センターでは,支援サービスの一つとして,就業に向けての準備をするための職業準備支援と呼ばれる支援を行っている.この職業準備支援の2010年度の新規利用開始者のうち,精神障害者は34.8%を占め,増加傾向にある.また,この精神障害者の疾患の多くは,統合失調者(48.2%)と躁うつ病(31.7%)である2)

 このような現状を踏まえて,本稿では,主に労働分野の支援機関の立場から精神障害者(統合失調症患者を中心として)に対する就労支援のポイントについて説明する.

  • 文献概要を表示

はじめに

 わが国の地域精神保健福祉施策は,入院医療中心から地域生活中心へと移行しつつある.厚生労働省「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会」が2013年10月11日に公表した「指針案中間まとめ」では,入院医療から地域生活への移行,外来医療体制の整備と充実,チーム医療(多職種連携)体制の整備,などが重点事項として挙げられている.一方で近年,科学的根拠に基づく医療を実践する必要性が強調されているが,重篤な精神障害をもった患者に特に有益な心理社会的アプローチの代表として,包括型地域生活支援(assertive community treatment;ACT)がしばしば挙げられている.本稿では,ACTにおける多職種チームのあり方を中心に解説を加えたい.

巻頭言

リハ医の矜持 和田 直樹
  • 文献概要を表示

 この号が出るころには少し古い話題となっているかもしれないが,この原稿を書いているまさに2016年6月16日,米マーリンズのイチローが,ピート・ローズのもつ記録を30年ぶりに更新し日米通算4,257安打を放った.メジャーのみの記録ではなく日米の合算であるため公式記録ではないが,偉業であることは間違いない.この号が出ている秋頃にはおそらく史上30人目のメジャー通算3,000本安打も既に達成していることと確信している.彼が4,257安打を打った後の会見で次のように語っていた.「(声援に応えることを)しないことが,僕の矜持だったが,今回は(総立ちのファンに向かって)挨拶した」.一見そっけなくも思える発言だが,彼のこの“矜持”という言葉はどこからくるものなのだろうかと興味がわいた.

 私は米国留学中に,幸運にも当時ヤンキースに所属していたイチローの試合をミネアポリスのターゲット・フィールドで観戦する機会を得た.敵地での試合にもかかわらず,彼の名前が呼ばれると敵チームのファンからもその日一番の大歓声が上がったことをよく覚えている.その日彼はあと1本でサイクル安打という大活躍であった.日本人の贔屓目でなくとも彼のプレーは美しく,テレビで映らない部分での観客サービスなども見せてもらい,正にプロフェッショナルという姿に感動を覚えた.イチローは名言も残しているが,基本的には多弁なほうではなく,あくまでプレーでわれわれを魅了してきた.ここで先ほどの“矜持”について私なりに考えてみた.彼の中では4,257安打は4,256本の次の1本に過ぎず,それは毎日の積み重ねの結果であり通過点に過ぎない.それ故数字に対してあえて喜びを表さないことを示すため彼は“矜持”という言葉を用いたのではないだろうか.彼にとっては4,257打目が重要なのではなく,毎日の1本1本すべての安打が同じように重要なのだろう.

入門講座 最近の関節リウマチ治療薬・3

生物学的製剤 井畑 淳
  • 文献概要を表示

はじめに

 関節リウマチの治療はメトトレキサート(methotrexate;MTX)の登場により本当の意味で始まり,生物学的製剤の登場により新たなステージに突入した.それでは,これだけもてはやされている生物学的製剤に対し,患者さんたちはどのような印象をもっているだろうか.「よく効くお薬」,「高いお薬」,「怖いお薬」といった捉え方をしていることが多いように思われる.医療従事者においてもリウマチ性疾患を専門としていない場合には大同小異かもしれない.確かに生物学的製剤と呼ばれていても関節リウマチに使用する薬には違いないため,実臨床においてその違いを実感することは少ないかもしれない.これを受けて今回は,関節リウマチにおける生物学的製剤の立ち位置,生物学的製剤の意義について述べてみたい.

実践講座 上肢集中機能訓練はこう行っている!—訓練課題・自主トレーニング課題の紹介・3

HANDS療法 阿部 薫 , 藤原 俊之
  • 文献概要を表示

はじめに

 近年,脳損傷後の回復メカニズムについて,脳レベル・脊髄レベルで研究が進んでいるが,HANDS療法(hybrid assistive neuromuscular stimulation therapy;HANDS 療法)はその効果が明らかにされた数少ない治療法の1つである1).HANDS therapyでは,電気刺激による反復訓練を目的とするのではなく,電気刺激・装具を用いて,患者自身が随意運動を訓練の場面だけでなく日常生活での使用を通じて発揮し機能回復させる.つまり,HANDS therapyは,電気刺激装置を装着すれば治療が成り立つものではなく,患者自身に麻痺側上肢の随意運動を発揮させ,それを日常生活での使用に導くことが重要であり,そのための課題の選定はセラピストに課された重大な役割となる.

  • 文献概要を表示

はじめに

 気管切開(以下,気切)は,一般に嚥下機能を低下させると考えられている1).気切孔用レティナカニューレは喉頭運動を阻害しにくいこと1,2),一方弁が誤嚥リスクを低下させることが知られている3).今回,慢性的に多量の唾液誤嚥が認められた患者に唾液誤嚥をコントロールするためにあえて気切を実施し,レティナと一方弁を用い,栄養や薬剤管理も含めた包括的なリハビリテーションを行うことで,経口のみでの栄養を獲得できたので報告する.

集中講座 研究入門・第11回

考察の考え方・書き方 近藤 克則
  • 文献概要を表示

 考察(discussion)の書き方がわからないという院生や研究の初心者は多い.「対象と方法(methods)」,「結果(results)」などに比べると,1つの「決まった型」あるいは「枠組み」がみえにくいからである.特に,質的な研究においては,かなりの自由度があり,学術分野や,研究デザイン,研究手法によっても異なる枠組み(構成),触れるべき点,お作法などが異なっている.

 それらを網羅することは難しいので,ここでは多くの分野や研究のフェーズ(第1回参照)・デザインに共通する考察の考え方(目的や位置づけと有用な視点など)と,考察の書き方(枠組みとチェックリスト)を示す.研究デザインや種類(観察研究,無作為化臨床試験,系統的レビューなど)ごとに異なる点については第5回で紹介したそれぞれのガイドラインを参照されたい.

連載 目標を設定した在宅リハビリテーション

神経難病 髙内 裕史 , 高岡 徹
  • 文献概要を表示

 神経難病は発症から確定診断までに時間を要する場合や,病態進行が不可逆的である場合が多く,運動機能だけでなく自律神経症状や認知面の問題などが複合的に影響し,経過も対応もケースごとにさまざまであることが特徴である.本稿では神経難病の在宅リハビリテーションにおける基本的な評価,訓練のポイントなどを横浜市総合リハビリテーションセンター(以下,当センター)での取り組みを通してまとめた.

Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション

  • 文献概要を表示

 昭和27年1月末に書かれた『新春閑眠』(『増補決定版上林暁全集第15巻』,筑摩書房)は,正月3日の夜,「不覚にも軽い脳溢血で倒れた」という上林が,脳卒中後1か月足らずで書いた随想である.

 脳卒中発症後1か月時点での症状を,上林は「左半身が少しく不随」と語るが,「医者の話では鳩山さんよりも軽いくらいだというので,安心はしているものの,油断のならぬ病気なので,医者の言いつけを守って,大事を取っている」という.

Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション

  • 文献概要を表示

 駅頭や大規模商業施設など人の集まるところで刃物を振り回す,いわゆる無差別殺傷事件が後を絶たない.このような悲劇のルーツは果たしてどこにあるのか.「葛城事件」(監督・脚本/赤堀雅秋)は,この問いに対する一つの回答である.

 本作における悲劇の元凶は,自分の「正しさ」を疑うことのない,自己理解の乏しい父親である.三浦友和演じるこの父親・葛城清は,長男が自死し,次男が無差別殺傷事件で死刑になり,妻が精神疾患で入院しても,自分に非があるとは少しも思わない.清なりに父親としての使命感や愛情をもっているが,それは自己流の偏狭な価値観に基づくものであり,押しつけられる家族には光の見えない地獄の日々となる.

  • 文献概要を表示

1.いきいきスマイルプロジェクトの効果と今後の取り組み—ロコモに負けない地域づくりを目指して

 愛媛大学地域医療再生学講座

  間島 直彦・他

 〔はじめに〕今年度,市から委託を受け,「いきいきスマイルプロジェクト」として介護予防教室を開催した.身体機能の変化と地域参加へのひろがりを検証し,今後のロコモ教室への取り組みを報告する.〔結果〕身体機能評価は全ての項目で有意な改善を認めた.E-SASは平均値は全体的に向上傾向であった.〔考察〕今後は地域住民主体の地域コミュニティにより,元気な高齢者が増え,ロコモに負けない元気な地域づくりを継続していきたい.

  • 文献概要を表示

 この本が書店に並べられて最初にタイトルを見かけた時,ある種の衝撃を受けた.というのは,タイトルは『医師の感情』であるが,副題が“「平静の心」がゆれるとき”となっていたからだ.「平静の心」とはオスラー先生が遺した有名な言葉であり,医師にとって最も重要な資質のことであったからだ.医師にとって最も重要な資質である“「平静の心」がゆれるとき”とはどういうときなのか,これは非常に重要なテーマについて取り組んだ本であると直観的にわかった.

 この本を実際に手に取ってみると訳本であった.原題は“What Doctors Feel”である.なるほど,この本はあの良書“How Doctors Think”(邦題『医者は現場でどう考えるか』,石風社,2011年)が扱っていた医師の思考プロセスの中で,特に感情について現役の医師が考察したものである.“How doctors think”は誤診の起こるメカニズムについて医師の思考プロセスにおけるバイアスの影響について詳細に解説していた.一方,この本は,無意識に起きている感情的バイアスについて著者自身が体験した生々しい実例を示しながら解説したものである.リアルストーリーであり,説得力がある.

  • 文献概要を表示

 本書は2005年に初版が発行され,以後,2010年に第2版,そして今回の第3版と,約5年おきに版を重ね,既に名高い専門書として定着した感がある.その理由は,高次脳機能障害をどう理解し,どうアプローチをしたらよいか,社会全体で支えるにはどうすべきか,また,職場,さらには社会で,高次脳機能障害をよく理解してもらうにはどうしたらよいか,それらへの回答を,3版まで版を重ねる中で答えていこうと懸命に努力されてきたからではないだろうか.

 このことは,第2版との違いをみれば明らかであろう.今回の第3版では,2008年の高次脳機能障害者に対する東京都調査を追加しており,49,508名の総数に対し,認知症者も含まれている可能性を指摘している.また,原因と各症状の頻度については,ほぼ定説が確立されていると述べている.その他にも,新たに脳画像所見の項目が追加され,わかりやすい解説が施されている.また,若年脳外傷者へのアプローチについても記載され,その手法を平易に解説している.そして現在,全国的にホットな話題となっている自動車運転の章も追加されている.全国的に研究活動が活発化しているので,大いに参考になるであろう.制度も含めて記載されており,本人や家族から相談を受けた際の説明に役立つことが期待できる.また,各々の病態をDVDの動画で紹介している.これを視聴しても理解が深まるだろう.さらに,高次脳機能障害の説明用パンフレット見本が付録として収載されている.一般の方々や福祉専門職の方々にとって高次脳機能障害を理解する一助となろう.これらのことからもわかるように,本書は心配りが非常に細かい.

--------------------

文献抄録

次号予告

編集後記
  • 文献概要を表示

 「季節とおばあちゃんのネタが多いよね」と指摘されておりますが,秋と言えば「読書の秋」.本にまつわるの思い出をひとつ.

 子供のころ,落語が10編ほど収録された「まんじゅうこわい」というタイトルの絵本が大のお気に入りでした.風邪で学校を休んだ日はよく父が会社帰りに本を買ってきてくれたのですが,初めて買ってくれたのが確かこの本.おそらく「退屈で可哀想だから面白い本を」という気持ちからのセレクトだったのでしょう.これがまさかの大当たり.初打席にして大ホームラン.気を良くした父は,「次はさらに面白いものを」と思うも初打席ほどのヒットはでず.一方で調子に乗った娘は,「もっと面白の! ギャグ漫画!」とか言い出す.しかし考えてみればそもそもお見舞いに「本」は,やんちゃな娘に対する「風邪で寝ているときぐらい本を読め」という教育的指導の側面からだったはず.ある日父が買ってきたのは「はじめ人間ギャートルズ—科学編」でした.今にして思うと「科学編」というところにささやかな父の抵抗が見て取れるような気がします.

基本情報

03869822.44.11.jpg
総合リハビリテーション
44巻11号 (2016年11月)
電子版ISSN:1882-1340 印刷版ISSN:0386-9822 医学書院

文献閲覧数ランキング(
10月18日~10月24日
)