総合リハビリテーション 31巻7号 (2003年7月)

特集 生活習慣病と運動療法

今月のハイライト
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 生活習慣病の予防と治療の手段の一つである運動療法という治療方法はリハビリテーション関係者にとってなじみの深いものであり,実際に心疾患や呼吸器疾患,糖尿病の運動療法を実施しているリハビリテーション専門職は多くなっている.一方,生活習慣病の運動療法は,生活習慣の改善であるがゆえに医療の枠内のみに留まるものではない.生活習慣病に運動が有効である,という常識は広まりながらも実際の生活習慣は改善されていないなか,医療関係者としては,単に療法室内での運動を管理するのみならず,どんな運動がなぜその疾患に有効なのか説明でき,実際の処方や指導ができ,そして,継続的に生活習慣を改善してもらうための行動変容のためのアプローチをとれるようでありたい.

 今回は,生活習慣病についてリハビリテーション医療関係者として知っておくべきことを,運動療法を中心に,知識と実践の両面から,専門家の方々にご解説いただいた.

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はじめに

 1996年,厚生省は日本における主要死因(悪性新生物,脳血管疾患,心疾患)の一次予防を重視する観点から,これまでの「成人病」に代わる「生活習慣病」という新たな概念を導入した.導入の目的は,国民に疾病予防のためには適切な生活習慣を保持することが大切であることを伝え,健康に対する自発性を促し,生涯を通じた生活習慣改善のための個人の努力を社会全体で支援する体制を整備することである.生活習慣病は「食生活,運動習慣,休養,喫煙,飲酒等の生活習慣が,その発症・進行に関与する疾患群」と定義されており,生活習慣を改善することにより,その疾病の発症や進行を予防できると考えられる疾患である.

 1996年の患者調査によると,医療機関を受診している総患者数は,高血圧性疾患749万人,糖尿病218万人,心疾患204万人,脳血管疾患173万人,悪性新生物136万人であり,多くの国民が生活習慣病に罹患していることがわかる.また,1997年の死亡統計をみてみると,1位 悪性新生物,2位 心疾患,3位 脳血管疾患であり,生活習慣病が上位を占めている.これらのことから,生活習慣病を未然に予防すること(一次予防)は日本において重要な課題の一つであると考えられる.

 近年,運動と健康に関する疫学である「運動疫学」に関する研究が数多く発表されている.運動疫学研究は,疫学の立場から運動と生活習慣病の一次予防に関する科学的な証拠を提供してくれる.米国スポーツ医学会(ACSM)は「運動負荷テストと運動処方に関するガイドライン」のなかで,これまでの運動疫学研究を整理し,身体活動あるいは高い身体能力を維持することによってどのような種類の生活習慣病を予防できるのか報告している(表1)1)

 本稿では,前半に生活習慣病を対象とした運動疫学研究のいくつかを紹介し,後半には生活習慣病のなかでも最も死亡者数の多い「がん」に関する運動疫学研究を紹介する.

心臓リハビリテーション 伊東 春樹
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はじめに

 1930年代,心筋梗塞症は8週間に及ぶ長期臥床が必要と考えられており,そのためのdeconditioning(脱調節状態)から回復させるため,必然的に生まれてきたのが心臓リハビリテーションである.したがって,その根底にあるのは心臓自体よりも血管・骨格筋などの末梢機能の回復により早期社会復帰を促すもので,心機能自体を改善したり,生命予後に介入することではなかった.しかし最近では,神経体液性因子や最高酸素摂取量に代表される運動耐容能が,心疾患患者の生命予後を規定する因子として脚光を浴びており,これらを心臓リハビリテーションが改善することから,循環器疾患の治療法の一つとして見直されつつある.

糖尿病の運動処方の実際 押田 芳治
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はじめに

 糖尿病,特に2型糖尿病では,インスリン抵抗性とインスリン分泌不全とが相まって高血糖を招き,糖尿病特有の合併症である細小血管障害(神経障害,網膜症,腎症)を惹起させることは周知の事実である.また,インスリン抵抗性(インスリン感受性の低下)は,随伴する高インスリン血症により,高血圧症,高脂血症,動脈硬化症を招くと言われている1).一方,身体トレーニングの継続がインスリン抵抗性を改善させることはよく知られている2,3).したがって,身体トレーニングは,糖尿病や肥満症に対する有力な治療手段の一つになっている(運動療法).身体トレーニングによるインスリン抵抗性の改善を通して,血糖値の上昇を抑えることによる糖尿病の発症予防(一次予防)および血糖値の是正に伴う,糖尿病の進展防止,すなわち糖尿病細小血管障害や動脈硬化症の発症阻止(二次予防)を目指すことは,医療経済学的観点からも,最も理にかなったものと言えよう4)

 そこで,本稿では,糖尿病治療における運動療法の効果についての最新のエビデンスを概説し,さらに,具体的運動処方について可能な限り言及する.

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はじめに

 呼吸器疾患,特に慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)の罹患率ならびに死亡率は,全世界的に上昇している.NICE(Nippon COPD Epidemiology)studyによれば,日本におけるCOPDの有病率は8.5%であり1),40歳以上の日本の人口にあてはめるだけでも実に530万人になる1).WHOは,COPDが2020年には全世界の死因の3位に,身体的苦痛をもたらす慢性疾患の頻度として5位になるであろうと予測している.

 呼吸不全患者では,呼吸機能低下に伴い労作時に呼吸困難が出現し,息切れへの恐怖感や不安から,座ってばかり寝てばかりの活動量の著しく低下した生活に陥りやすい.このような身体活動量の低下は,四肢体幹筋の萎縮をはじめとする「廃用」を招き,労作時の呼吸困難をさらに増す方向に働く.こうして,呼吸困難,活動量低下,身体機能低下,という悪循環を繰り返し,ADL(activities of daily living)やQOL(quality of life)は低下していく.

 この状況を阻止するために呼吸器疾患に対するリハビリテーションが呼吸リハビリテーションである.呼吸リハビリテーションは,1994年のNIH Workshopのsummaryに述べられているように,「肺疾患患者やその家族に合わせて個別的に調整した多次元的サービスで,通常,多くの専門領域のスペシャリストからなるチームによって,患者の自立レベルを最大限に回復し,患者が地域社会で自立して生きていけるようにすること」と定義されている.すなわち,呼吸リハビリテーションは現在では他の分野のリハビリテーション同様に包括的なものと理解されている.運動療法,肺理学療法,適切な教育,不安軽減と呼吸困難克服の自信を回復させる心理的サポート,社会復帰および生活サポートなどを含むものであり,これらを通じて患者のADLやQOLを高めるものである.本稿では呼吸器疾患の包括的リハビリテーションの実際および効果に関して概説する.

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はじめに

 習慣的な運動により,冠動脈疾患,脳梗塞,大腸がんのリスクが抑えられ,あらゆる原因による死亡率が低下することが報告されている1).特に,2型糖尿病に対して運動は有益であり,「前糖尿病状態」と考えられるIGT(耐糖能異常;75g経口ブドウ糖負荷試験において血糖2時間値が140~199mg/dlで,正常耐糖能と糖尿病型の中間,いわゆる境界型を指す)対象者の生活習慣(食事+運動)に介入することにより,糖尿病の発症を58%抑制したことが,フィンランド(Diabetes Prevention Study;DPS2))と米国(Diabetes Prevention Program;DPP3))から報告された.

 顕性の2型糖尿病では,食事と運動の組み合わせは食事単独より減量しやすく,血糖降下薬の使用も減らすことができる4).にもかかわらず,糖尿病患者の運動実施率は一般に比べて意外に低いというデータがある5).わが国においても,食事指導にかける労力や時間より運動指導にかけるそれははるかに少ないのが現状と思われる.定期的に運動することは食事や薬の調整より労力も時間もかかり,患者にとって重要ではあるが,生活習慣の変容は難しいと感じていることが臨床的にも経験される.このことからも日常診療において,糖尿病患者に対する運動の動機付けを促す介入法が必要とされている.アメリカスポーツ医学会は週のほとんど毎日,中等度の運動を少なくとも30分行うことを勧めている6)

 ここでは,この運動目標を達成するための介入がいかに行われたかについて,2型糖尿病発症予防を目的としたDPPと,糖尿病患者に対する取り組みから紹介する.

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 約40年前の日本のリハビリテーション医学・医療は障害をターゲットとしてスタートした.当時リハビリテーションは,いわゆる機能障害からくる能力低下,それによる社会的不利の解決のために,教育的リハビリテーション,職業的リハビリテーション,社会的リハビリテーション等として広く展開されてきた.

 その頃,筆者は整形外科医として,四肢欠損・切断に対する新しい義肢の開発に取り組んでいた.厚生省と科学技術庁は,サリドマイド系薬物を原因とする上肢欠損児に対して,駆動義手,特に電動義手の研究班を結成し,筆者もその研究員として人工手の研究を行ったりした.しかし人の手により近い義手を試作すればするほど,逆に機能的には本当の手から遠くなっていくというのが実感であった.また外傷による四肢切断では,初期治療がしっかりなされていれば切断しなくてよかったのでないかと思われるような症例も多く経験し,さらに,切断肢の再接着が可能になればという願いは筆者を救急医療へも目を向けさせるようになった.このようにして筆者は,四肢切断・指切断の再接着を救急の第一線で取り組むMicrosurgeonでもありながら,義肢研究も手がけるリハビリテーション医でもあったわけである.それとは逆に,連日脳の手術に明けくれていた最前線の脳外科医が,障害を残した患者の行く末を考えてリハビリテーションの必要性を痛感し,リハビリテーション医になられた方を何人か知っている.

講座 義肢装具の基本理論3

義足足部 江原 義弘
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はじめに

 本稿では個々の具体的な義足足部の特性を述べるのではなく,もっと基本的な理論として義足足部が歩行に対してどんな役割をもっているのか,どんな機能をもつべきなのかについて述べる.また,エネルギー蓄積型足部に対する関心が高まっているが,エネルギーを蓄積するとはどういうことか力学的な基礎理論についても述べる.

実践講座 全身管理・リスク管理7

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はじめに

 リハビリテーションは患者と医療スタッフが緊密に接触する状況にあり,院内感染が発生しやすい環境であると言える.それ故,十分な感染対策が必要であることは言うまでもない.エビデンスに基づいたリハビリテーション医学が実践されるのと同様に,院内感染対策もまたエビデンスに基づいた科学的なものでなければならない.最近,院内感染対策が急速に進化してきており,従来から行われてきた感染対策の見直しが行われている.

実践講座 クリニカルパスの効果的運用1

脳血管障害;急性期 松本 茂男
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はじめに

 平成14年4月,リハビリテーション料に関する診療報酬が大幅に改訂され,① 複雑・簡単療法から,単位制の導入,個別・集団療法へ,② 早期加算の段階化,③ 早期加算非対象での月11単位以上の70%への減算などは,平成12年に先行導入された回復期リハビリテーション病棟入院料と併せ,リハビリテーション医療における日本版DRG/PPS(Diagnosis Related Group/Prospective Payment System;診断群類包括的支払い方式)への移行を考慮したものであろう.

 急性期病院の在院日数しばりも強化され,リハビリテーション必要患者を急性期病院からリハビリテーション関連施設・医療機関へ早期誘導したい厚生労働省の意図の表れと思われる.今まで以上に在院日数の短縮が求められることとなり,早期自宅退院か,回復期病棟を持つ病院への転院を目指すのか等の選択も必要となった.回復期リハビリテーション病棟を持たない一般急性期病院でのリハビリテーションは,否応なく早期化・効率化が必要とされる.

 以上のような理由から,急性期外科的治療・内科的治療と有機的に連動した脳卒中早期リハビリテーションプロトコール1)による早期回復と自宅退院へ向けた生活指導,家庭環境調整などを遅滞なく行う必要が生じ,クリニカルパス(以下,CP)の導入は不可欠となった2,3)

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はじめに

 脳外傷者,特に受傷時の重症度が重度から中等度の場合は,身体能力や高次脳機能に何らかの障害を残す例が多い.患者は若年者に多い1,2)ために,復学や復職が大きな問題となる.しかし,受傷急性期から亜急性期のみのリハビリテーションでは,これらの問題を解決することは困難である.したがって,その後の長期的な支援が必要であり,このことは数多く報告されてきた2-4)

 一方,脳外傷者の障害像は,1)身体的障害,2)神経心理学的障害,3)心理社会的障害(情緒・行動障害・対人関係における障害)に大別することができる.これらのなかで,社会参加に際し,もっとも障害となる要因は,心理社会的障害であると言われている2,3).そこでわれわれは,心理社会的障害のなかでも対人関係のスキルの障害に対し,障害像や目的が類似した患者をグループ化して治療することが,この問題の改善の一助になるのではないかと考えた.

 これらの理由から,われわれは,入院リハビリテーションを終了した脳外傷者に対し,通院でのグループプログラムを行った.その目的は,1)亜急性期以後の必要な医療の継続,2)医療と福祉および地域との連携強化,3)対人関係のスキル向上にある.本研究では,そのプログラムの成果と課題について報告し,文献的考察を加える.

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はじめに

 国家施策として在宅ケアが入所ケアよりも推奨されている現在,デイケアは重要な社会資源の一つである.デイケアに通所する意義は,ADL(日常生活活動)の維持・向上にある.特にその効果が在宅において現れることが重要であろう.

 しかし,デイケアがADLの維持・向上に役立っているかどうかは,十分に検討されていない.これまで発表されてきたデイケアに関連するADL報告はいずれもデイケア中のものであり1,2),通所中のADLと在宅時のADLとを同時比較した論文はみあたらない.そこでわれわれは,通所中のADLと在宅時のADLの同時比較を計画した.

 通所・在宅の両者でADLを評価する場合,誰が評価者となるかにより,使用できる評価表が限定される.在宅でのADLは,実際に介助している主介護者に尋ねることで一番多くの情報量を得られることから,今回は質問紙によるアンケートを利用することとした.既存のADL質問紙法のうち,信頼性・妥当性が検証されているものとしては,FIM(Functional Independence Measure)3)に基づいた大田らの質問紙法4)があげられる.

 大田らの検討4)では,FIM質問紙を用いて入院・外来患者を対象に採点方法の妥当性と検者間(専門職と家族あるいは看護師)の信頼性が報告されているものの,認知項目の信頼性が低いことから,さらなる信頼性の検討が必要と考えられる.そこで,われわれは,デイケア通所中のADLを大田らによるFIM質問紙法4)(以下,FIM質問紙と略)と通常の定義によるFIMの両者で採点することでまずFIM質問紙4)の妥当性を検証し,その後に,FIM質問紙4)を用いて通所中のADLと在宅時のADLの同時比較を行うこととした.

一頁講座 最近の福祉機器

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最近の開発の動向

 現在国内で市販されている製品は2つで,パラマウントベッド㈱のスカットクリーンと柴田科学㈱のオートユリナイトである.スカットクリーンは20年程前に開発され,数年前にレシーバー部分がリニューアルされた以降は変わっていない.以前より重度心身障害者日常生活用具給付等の制度にも特殊尿器としての種目があり,また介護保険の福祉用具購入費支給でも特殊尿器の種目はあるが,シェアが狭いためか新製品の開発は行われていない.

基本的コンセプト

 自動採尿器とは尿を電動で吸引する収尿器を言う.電動吸引しない収尿器は数多くあるが,自動採尿器では,吸引により尿のこぼれや逆流を防ぐという付加価値を設定している.

一頁講座 QOLの測定尺度

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SF-36(R)とは

 1980年代にアメリカで行われた大規模なアウトカム研究であるMedical Outcome Study(MOS)において開発・活用された1)SF-36(R)(MOS Short-Form 36-Item Health Survey)は,世界で最も広く使用されている包括的健康関連QOL尺度の一つである.包括的健康関連QOLを8つの健康概念(下位尺度)36項目によって測定するように構成されている.8下位尺度は,「身体機能」,「日常役割機能(身体)」,「体の痛み」,「全体的健康感」,「活力」,「社会生活機能」,「日常役割機能(精神)」,「心の健康」である.欧米においてSF-36(R)の信頼性・妥当性・反応性について,計量心理学的検証が行われている2,3).短時間で回答が可能であり,健康関連QOLという共通した概念を測定するために,異なった疾患の患者間での比較,治療やケアのアウトカム評価,一般住民の健康調査などのさまざまな目的において使用することが可能である.

Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション

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 1947年に発表されたカミュの『ペスト』(宮崎嶺雄訳,新潮社)には,ランベールという新聞記者が登場する.ランベールは,たまたまペスト流行時にオランに滞在していたため,この街に長期間抑留されることになるのである.だが,ランベールは,「自分はオランには関係のないもので,この町にとどまったりすることが能ではなく,偶然居合わせただけだし,たといいったん外へ出た上で隔離期間を課せられなければならないとしても,ともかく退去させてくれるのが正当だ」と主張し,さまざまな手段で脱出しようとする.彼は,「私はこの町には無関係な人間なんですからね」と訴えて,リウー医師に,ペストに感染していないという証明書を書かせようとするのである.

 これに対してリウー医師は,「これはわれわれすべての者が関係のあることです.あるがままのかたちで受けとるよりしようがありません」,「もう今からは,お気の毒でも,あなたもここの者になるわけです,世間みんなと同じように」と説得するが,結局ランベールは脱出までの間,予防隔離所の管理などをして,リウー医師を手伝うことになる.

Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション

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 障害者映画のなかで古くからあるジャンルといえばハンディキャップ・ファイターもの.ハンディキャップ・ファイターの私なりの定義を述べるなら,なんらかの障害がありながらも無敵のパワーをもち,差別・偏見をものともせず差別的言辞を浴びせられてもサラリと受け流す人並み外れた度量をもった存在,ということになる.

 それだからこそ人権意識が高揚してきた70年代以降,ハンディキャップ・ファイターものは,差別表現に寛容で人権感覚に無頓着なジャンルであったがゆえにすっかり淘汰された.「座頭市」から差別表現を取ったら気の抜けたビールになってしまうが,だからといって差別表現を入れるわけにはいかない.したがって往年の「座頭市」は抹殺である.「水戸黄門」は延々と続いても,丹下左膳や机龍之介に復活の日が来るとは思えない.

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 1.脊髄小脳変性症における経頭蓋反復磁気刺激療法の大脳高次機能への影響

国立療養所南岡山病院リハビリテーション科

寺地 幸喜・大石  廣

同臨床研究部神経内科 高田  裕・田辺 康之

 〔目的〕rTMSを行った脊髄小脳変性症29例の大脳高次機能について報告した.〔方法〕rTMS開始前と8週間治療後評価し,前後を比較した.〔結果〕1 コース立方体組み合わせテストは有意に成績が上昇していた.2 レーヴァン色彩マトリックス検査,三宅式記銘力検査法,およびベントン視覚記銘検査では有意な上昇ではなかった.〔考察〕反復検査による学習効果,運動能力の改善,抑うつ等の精神的な影響も考慮しなければならない.

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文献抄録

編集後記 鹿
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 それまで幾度となく挑戦していつも失敗した禁煙だが,「きれいな空気を気分良く思いきり吸いたい」と最期近くしきりに言っていた父親の肺がん死を看取って以来,全く煙草が吸えなくなり2年経った.「父の最後の贈り物だね」とまわりの人に言われた.もっとも何十年もかかってすり込まれた習慣だから止めるにはこういうことでもなければだめだったかもしれない.「生活習慣=後天的に学習によって獲得され,反復によって固定化された個人の行動様式.生活のなかで家族や友人などから影響を受けて形成された習癖,習慣のことで,…….Breslow Lは7つの健康習慣(適正な睡眠時間,喫煙しない,適正体重の維持,過度の飲酒をしない,定期的な激しいスポーツ,毎日朝食摂取,間食しない)を提唱している.」(医学書院医学大辞典)ということだけど,家族や友人は今更替えようがないし,7つの健康習慣ではどう頑張ってもだめだと思うのが一つだけある.

基本情報

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総合リハビリテーション
31巻7号 (2003年7月)
電子版ISSN:1882-1340 印刷版ISSN:0386-9822 医学書院

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