Japanese
English
研究と報告
脳外傷者に対する通院リハビリテーションプログラムの試み
Outpatient rehabilitation program for persons with traumatic brain injury.
渡邉 修
1
,
大橋 正洋
2
,
橋本 圭司
2
,
殿村 暁
2
,
藤縄 光留
2
,
坂本 久恵
2
,
生方 克之
2
,
安保 雅博
3
,
宮野 佐年
3
,
米本 恭三
1
Shu Watanabe
1
,
Masahiro Ohashi
2
,
Keiji Hashimoto
2
,
Satoru Tonomura
2
,
Mitsuru Fujinawa
2
,
Hisae Sakamoto
2
,
Katsuyuki Ubukata
2
,
Masahiro Abo
3
,
Satoshi Miyano
3
,
Kyozo Yonemoto
1
1東京都立保健科学大学
2神奈川リハビリテーション病院
3東京慈恵会医科大学リハビリテーション科
1Tokyo Metropolitan University of Health Sciences
2Kanagawa Rehabilitation Center
3Department of Rehabilitation, The Jikei University School of Medicine
キーワード:
脳外傷
,
通院リハビリテーション
,
認知リハビリテーション
Keyword:
脳外傷
,
通院リハビリテーション
,
認知リハビリテーション
pp.669-675
発行日 2003年7月10日
Published Date 2003/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100801
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はじめに
脳外傷者,特に受傷時の重症度が重度から中等度の場合は,身体能力や高次脳機能に何らかの障害を残す例が多い.患者は若年者に多い1,2)ために,復学や復職が大きな問題となる.しかし,受傷急性期から亜急性期のみのリハビリテーションでは,これらの問題を解決することは困難である.したがって,その後の長期的な支援が必要であり,このことは数多く報告されてきた2-4).
一方,脳外傷者の障害像は,1)身体的障害,2)神経心理学的障害,3)心理社会的障害(情緒・行動障害・対人関係における障害)に大別することができる.これらのなかで,社会参加に際し,もっとも障害となる要因は,心理社会的障害であると言われている2,3).そこでわれわれは,心理社会的障害のなかでも対人関係のスキルの障害に対し,障害像や目的が類似した患者をグループ化して治療することが,この問題の改善の一助になるのではないかと考えた.
これらの理由から,われわれは,入院リハビリテーションを終了した脳外傷者に対し,通院でのグループプログラムを行った.その目的は,1)亜急性期以後の必要な医療の継続,2)医療と福祉および地域との連携強化,3)対人関係のスキル向上にある.本研究では,そのプログラムの成果と課題について報告し,文献的考察を加える.
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