臨床雑誌内科 126巻2号 (2020年8月)

特集 腎臓と他臓器連関を考える―CKDにおける包括的治療戦略を目指して

特集のねらい 脇野 修
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 今回「腎臓と他臓器連関を考える」という特集を企画し,腎不全や慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)が及ぼすさまざまな臓器への影響について多面的にまとめる機会を得た.本稿では本特集のねらい,意義について総説的に述べてみたい.

 腎臓病学の近年の大きな動きの一つが,それまで「慢性腎不全」といわれていた腎機能の慢性的な低下を「CKD」と診断するようになったことである.CKDは原因疾患のいかんにかかわらず,① 尿異常,画像診断,血液,病理で腎障害の存在が明らか(とくに0.15g/gCr以上の蛋白尿(30mg/gCr以上のアルブミン尿)の存在が重要),② GFR<60mL/分/1.73m2,のいずれかまたは両方が3ヵ月以上持続する状況で診断する.この意義は腎臓の機能障害を早期の段階から診断して治療介入を考えようということであるが,CKDが透析や腎移植を必要とする末期腎不全のリスクであるとともに心血管病のリスクとなっていることが明らかになったことが根拠となっている.ここで重要なのは,このCKDの意義にすでに心腎連関という臓器連関が意識されていることである.すなわち,CKDの診断とはすでに臓器連関を診断することにほかならない.腎臓病の診療においては,腎臓自体の問題,すなわち腎疾患の原因検索と進行阻止のための治療とともに,臓器連関が重要なパートなのである.

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Summary

▪さまざまな外部環境の変化に応じた生体の恒常性維持に臓器連関が関与し,臓器連関の制御因子として内分泌・代謝系が重要な役割を果たす.

▪肥満に伴う脂肪組織の慢性炎症と,炎症細胞浸潤に伴うアディポカインの変容は,メタボリックシンドロームにおける全身臓器障害の原因となる.

▪高脂肪食に伴う腸管マクロファージの集積は,腸管バリア機能の破綻を介して脂肪組織の慢性炎症を誘発し,全身におけるインスリン抵抗性を惹起する.

▪糖尿病性腎臓病に伴う尿細管Sirt1の発現低下は,尿細管から糸球体へのNMN送達低下を介して糸球体NADの低下と糸球体バリア機能の破綻を誘発し,蛋白尿の原因となる.

▪母体の腸内細菌叢で産生される短鎖脂肪酸は,胎盤を介して児に移行して,児の神経系・内分泌系の発達と,児の肥満発症に影響を及ぼす.

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Summary

▪生活習慣病の特徴として,一個人における複数臓器の機能異常の併発と相乗的な疾患進展があり,複数病態を併発しているmultimorbidityは65歳以上の少なくとも半数に認められる.

▪複数疾患の併発は,共通したリスクを背景に独立して疾患が発症・進展するといった単純なものではなく,疾患の間で密接な相互作用があることがわかってきている.

▪慢性炎症はこれらさまざまな疾患に共通する基盤病態であるが,免疫系は慢性炎症を制御するため,臓器連関を担う主要なシステムと考えられるようになっている.

▪メタボリックシンドロームと心腎連関について,免疫系と他のシステムとの連携による臓器連関の機序と,炎症の役割について検討したい.

臓器連関の実態

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Summary

▪腎臓と心臓は相互に影響を及ぼし合い,腎障害の重症度に比して心血管疾患(CVD)のリスクが高まることが知られている.

▪慢性腎臓病(CKD)は動脈硬化性の冠動脈疾患のみならず心筋疾患や弁膜症,さらには不整脈といったCVDの発症リスクである.

▪CVD患者でのCKD合併は予後不良との関連が報告されている.

▪これらの関連は心腎連関といわれ,CKDの管理にあたってはより早期にCVDのリスクを捉え,的確に双方の相互作用を意識した多角的アプローチが必要とされる.

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Summary

▪慢性腎臓病は心血管疾患の高リスク病態であり,「心腎連関」として知られている.

▪その中心となる血管障害は,動脈の壁肥厚,内腔狭窄,壁硬化,血管石灰化として捉えることができる.

▪ランダム化比較試験(RCT)の結果からは,厳格な血圧管理や脂質管理による腎予後の改善は示されていない.

脳腎連関 内藤 裕之 , 細見 直永
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Summary

▪人口の高齢化に伴って,今後慢性腎臓病(CKD)の増加が予想され,CKDと脳神経疾患との脳腎連関が注目されている.

▪脳および腎臓における血行支配は,解剖学的にも血行力学的にも類似しており,細動脈障害を生じやすい.細動脈が障害されることで,腎臓ではアルブミン尿が出現し,脳では微小脳出血や無症候性脳梗塞,大脳白質病変などの脳小血管病が起こる.

▪CKDは脳卒中発症の独立した危険因子であるだけでなく,発症後の予後不良因子でもある.

▪CKDは認知機能低下の危険因子であり,CKDに伴う認知機能障害は血管性認知症のパターンが多い.

▪近年,CKDとParkinson病との関連が注目されており,腎機能低下や蛋白尿はParkinson病発症の危険因子として報告されている.

腸腎連関 菊地 晃一 , 阿部 高明
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Summary

▪慢性腎臓病は成人の8人に1人が発症する国民病で,近年その病態の進行に関わる要因として「腸腎連関」が注目されている.

▪腸腎連関のキーワードの一つが尿毒素であり,尿毒素は腎機能低下とともに体内に蓄積し,さらに腎機能の低下を惹起するという悪循環に陥る.

▪腸内細菌叢の働きによって産生され,かつ生体毒性を有する代表的尿毒素としてインドキシル硫酸,パラクレシル硫酸,フェニル硫酸,トリメチルアミンN-オキシド(TMAO)などが知られている.

▪腸内環境への介入を通じて血中の尿毒素濃度を低減させることは,慢性腎臓病の新たな治療選択肢になり得る.

肺腎連関 前田 明倫 , 土井 研人
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Summary

▪急性期・慢性期において肺と腎臓は相互に関連することが知られている.

▪急性期では,とくに人工呼吸管理と急性腎障害が相互に関係することが知られている.

▪対応としては肺保護換気を行うこと,Kidney Disease:Improving Global Outcomes(KDIGO)ガイドラインを遵守すること,そして早期発見・治療が肝要と考えられている.

▪慢性期としては,低酸素血症および高二酸化炭素血症の持続が慢性腎臓病の発症・進展に関連し得ると考えられている.

▪慢性腎臓病患者,とくに透析患者では肺高血圧症の合併が多いことが知られている.

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Summary

▪腎不全に伴うインスリン抵抗性(RIRs)は,1950年代から提唱された比較的古い概念である.

▪腎不全に伴う脂肪萎縮症(lipodystrophy)は,2010年頃から提唱された新しい概念である.

▪RIRsおよびlipodystrophyは互いに関連しており,protein energy wasting(PEW)との関連も示唆される.

▪これらの病態は,慢性腎臓病の進行や心血管疾患の発症に寄与している可能性があるが,現在のところ決定的なエビデンスはなく,今後の臨床研究での検討が必要である.

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Summary

▪慢性腎臓病(CKD)患者,透析患者の10~40%がサルコペニアを合併し,心血管病,死亡,入院リスクの上昇と関連する.

▪CKDでは腎機能の低下に伴ってサルコペニア・フレイルの有病率が増加する(腎→筋への連関).

▪サルコペニアがCKDの原因になるかどうかは,十分なエビデンスに欠ける(筋→腎への連関).

▪動物実験レベルではCKDにおける腎臓-筋肉の双方向性の病態形成やマイオカイン候補が示されており,治療ターゲットとして期待される.

腎臓-口腔連関 成石 浩司 , 永田 俊彦
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Summary

▪歯周病とう蝕は歯科の二大疾患である.

▪歯周病とう蝕は口腔細菌の感染によって発症し,慢性腎臓病(CKD)の病態に負の影響を与える.

▪歯周病とう蝕が予防できれば,CKDの病状改善につながる可能性がある.

CKD-MBD 駒場 大峰
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Summary

▪慢性腎臓病(CKD)患者では,腎機能の低下とともに高リン血症,活性型ビタミンD低下,二次性副甲状腺機能亢進症を生じ,骨病変や生命予後の悪化につながる.このような病態を慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常(CKD-MBD)という.

▪血清リン,カルシウム値の上昇は血管石灰化の要因となり,心血管リスクの上昇につながる.

▪二次性副甲状腺機能亢進症は高回転型骨病変の要因となり,骨折リスクの上昇につながる.さらに,心肥大や貧血,カヘキシーの要因となる可能性も示されている.

▪CKD患者で上昇するFGF23はリン・ビタミンD代謝に関わるだけでなく,心肥大など臓器障害を起こす可能性が示されている.

▪活性型ビタミンD製剤に加え,Ca受容体作動薬の登場により,二次性副甲状腺機能亢進症の管理は大きく進歩した.

CKDと血液疾患 平塩 秀磨 , 正木 崇生
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Summary

▪慢性腎臓病(CKD)に関与する血液疾患には,腎機能障害が原因となって生じる病態として腎性貧血,血小板機能障害や凝固機能障害(uremic bleeding)などがあげられる.

▪一方,血液疾患によって二次的に生じる腎機能障害としては多発性骨髄腫(MM)やALアミロイドーシスがあげられる.

▪monoclonal gammopathy of undetermined significance(MGUS)による腎障害のなかで,少量の単クローン性免疫グロブリン(M蛋白)が強く腎臓の病態に関与する疾患をmonoclonal gammopathy of renal significance(MGRS)とよび,近年注目を集めている.

CKDと悪性腫瘍 金子 惠一 , 柳田 素子
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Summary

▪悪性腫瘍と腎障害の罹患数は増加し続けており,悪性腫瘍と腎障害を合併した患者によりよい診療を提供するため,onconephrologyが提唱されるようになった.

▪悪性腫瘍は,腫瘍そのものによる障害,腫瘍随伴症候群,悪性腫瘍の治療による副作用などさまざまな機序で腎障害を引き起こす.

▪慢性腎障害を合併した悪性腫瘍患者の死亡率は高く,治療方法の改善が必要である.

CKDと感染症 内田 貴大 , 尾田 高志
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▪感染症に伴う糸球体腎炎の疫学に近年大きな変化がみられ,小児例によくみられる溶連菌感染後急性糸球体腎炎(PSAGN)が減少する一方,高齢者の感染症に伴う糸球体腎炎が増加してきた.

▪高齢者の感染症に伴う糸球体腎炎は,発症時に感染症が終息せず進行中であることが多く,感染関連糸球体腎炎(IRGN)と総称され,多彩な病原体の関与が報告されている.高血圧・糖尿病などの基礎疾患や,それらに関連した慢性腎臓病(CKD)を併発していることが多く,またCKDへの移行例も少なくないことから,その腎予後は良好ではない.

▪PSAGNのみならず各種細菌性IRGNにおいて,溶連菌由来の腎炎惹起性因子であるnephritis-associated plasmin receptor(NAPlr)およびプラスミン活性は糸球体内で陽性になることから,細菌性IRGN全般の診断マーカーとしての有用性が注目される.

▪IgA腎症は進行するとCKD・腎不全へといたる代表的な原因疾患であるが,上気道感染直後に自然免疫系の活性化を介した腎症の増悪を認めることが知られる.epipharynx-kidney axisともいうべきネットワークの存在が示唆される.一方でCKDにおける易感染性には,自然免疫系の機能低下が関与していると思われる.

CKDと精神疾患 小口 英世 , 酒井 謙
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Summary

▪慢性腎臓病(CKD)と精神疾患の関連については多数の論文が報告されている.

▪保存期・透析・移植を含むCKD患者のどのstageにおいても,うつの高い保有率が報告されている.

▪精神疾患がCKDに与える影響についても論文が報告されており,うつによるアドヒアランスの低下,患者-医師間のコミュニケーションの低下などが腎機能低下に影響を与える因子として報告されている.

▪CKDの診療にあたる際には,精神疾患との関連性を踏まえたうえで,診療にあたることが肝要と考える.

CKDと眼疾患 岡田 由香
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Summary

▪慢性腎臓病(CKD)は,視力・視野の障害を伴うことがある.

▪網膜血管病変や腎性網膜症,白内障,緑内障,またCKDが糖尿病が原因で起こっている場合は,糖尿病網膜症にも注意が必要である.

▪透析患者では,透析前後の眼圧の変化や,角膜混濁をきたす帯状角膜変性症などの合併症もある.

CKDと皮膚疾患 石河 晃
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Summary

▪皮膚瘙痒症は透析患者の2~3割でみられ,透析条件の変更,保湿外用薬の塗布,nalfurafineの内服,紫外線照射などが有効であり,海外ではgabapentinやpregabalinが推奨されている.

▪後天性穿孔性皮膚症は円形の痂皮を固着する潰瘍という特徴的な皮疹を呈するが,治療の基本は皮膚瘙痒症と同様である.

▪カルシフィラキシスは皮膚・皮下の細動脈の石灰化,内膜肥厚による狭窄により梗塞性の潰瘍が多発する致死率の高いまれな疾患である.早期治療介入により改善する症例も報告されており,透析医,皮膚科医とも認識しておくべき疾患である.

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Summary

▪Alport症候群は,腎の糸球体基底膜と耳の蝸牛の基底膜を形成しているⅣ型コラーゲンの異常により腎障害と難聴を生じる.

▪ANCA関連血管炎のなかでとくに多発血管炎性肉芽腫症では,初発症状が耳鼻咽喉部病変である場合が多く,難聴は聾にいたると回復しないため早期治療が重要となる.

CKDと内分泌疾患 小林 佐紀子
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Summary

▪腎臓は水や電解質,代謝物の排泄・調節を行うと同時に内分泌臓器でもある.

▪腎機能障害時にはホルモン自体のクリアランスの低下や,尿毒素による視床下部-下垂体-臓器のフィードバック障害,臓器の障害,低栄養などにより,ホルモンの量および活性化に異常が生じる場合がある.

▪内分泌ホルモンには腎機能に影響を与えるものがある.代表的なホルモンとして甲状腺ホルモン,副甲状腺ホルモン,アルドステロン,成長ホルモンがあげられる.

CKDと妊娠 三戸 麻子
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Summary

▪慢性腎臓病(CKD)合併妊娠は,eGFRが低くなるにつれて妊娠高血圧症候群をはじめとした妊娠合併症のリスクが高くなる.

▪CKD stage 1の女性でもCKDのない女性と比較すると妊娠合併症のリスクが高い.

▪eGFRだけではなくCKDの基礎疾患によってリスクは異なり,内科と産科が協調して妊娠を管理することが肝要である.

▪妊娠前管理(プレコンセプションケア)を徹底することが母児予後をよりよくする.

トピックス:臓器連関を応用したCKD治療戦略

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Summary

▪慢性腎臓病(CKD)では,腸内細菌叢の量的・質的なバランスの異常(dysbiosis)が認められる.これにより生じる腸内細菌叢由来代謝産物の変化が,尿毒症の発症に関連している.

▪腸管をターゲットにしたCKD治療として,腸内細菌叢への直接的なアプローチが試みられている.菌体成分を用いたprobiotics,難消化性食品成分を利用したprebiotics,両者を併用したsynbioticsが報告されている.また,腸内細菌叢の代謝産物を用いるpostbioticsも,治療や創薬の観点から着目されている.

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Summary

▪心不全治療中の腎機能の変化と予後の関係は治療や病態によって異なる.RAA系阻害薬使用や適正なうっ血解除は,たとえ腎機能低下がみられても予後改善につながる.

▪慢性腎臓病(CKD)合併心不全に対しては,治療薬のエビデンスが少ない.

▪SGLT-2阻害薬は,心血管ハイリスクの2型糖尿病患者に対する心血管イベント抑制および心不全入院リスク低減,腎イベント抑制効果が示されており,これらの効果は血糖低下とは独立して得られるため,CKDに対する新たな治療として期待される.

腎臓リハビリテーション 伊藤 修
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Summary

▪腎臓リハビリテーションは,運動療法,食事療法と水分管理,薬物療法,教育,精神・心理的サポートを行う,長期にわたる包括的なプログラムである.

▪身体機能低下は慢性腎臓病(CKD)患者の生命予後に大きく影響しており,腎機能や血清バイオマーカーより死亡リスクをより強力に予想できる.

▪運動耐容能,ADLやQOLが低下しているCKD患者に対して,運動療法のさまざまな効能が報告されている.

▪いくつかのガイドラインでは運動療法の重要性が述べられているが,至適な運動療法のプロトコールは十分に確立されていない.

▪各種腎疾患モデルラットを用いた基礎研究の結果,長期的運動が腎保護効果を有することやその機序が明らかになってきた.

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 脇野 本日はそれぞれご専門領域の異なる3名の先生方にお集まりいただき,「臓器連関がCKD診療に及ぼす影響」についてお話しいただきたいと思います.昨今のコロナ禍の影響で本日はオンラインでの開催となりますが,どうぞよろしくお願いいたします.

 まずはじめに先生方からご所属,ご専門領域などについて順にご紹介いただきたいと思います.

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 このたび南江堂から上記タイトルのテキストが刊行された.編集者は肝硬変領域で近年とみに活躍著しい奈良県立医科大学第三内科の吉治仁志教授である.これまでにも何度か書評を書く機会があったが,その際重要なことは編集者や著者がどのような感性あるいは哲学をもって一冊のテキストを創り上げたかを重要視してきた.私と吉治教授の間には浅からぬ因縁がある.彼は奈良県立医科大学腫瘍病理学講座で学位を得ているが,研究指導者は故小西陽一教授で,1971年から数年間,フェルス癌研究所(米国フィラデルフィア)に勤務した間柄でもある.吉治教授は学位取得後,NIH(米国ベセスダ)に留学され,Thorgeirsson UP(肝発がんで有名なThorgeirsson Sのパートナー)の下でがんの増殖と血管内皮細胞増殖因子の関連を研究された.ちなみに,Thorgeirsson Sの研究室にはかつての私の教室からも寺井崇二君(新潟大学消化器内科教授)ほか4人ほど留学しており,ここにも浅からぬ因縁があるように思う.それに加え,ご教室の歴史を紐解くと初代の故辻井 正,二代目の福井 博教授もともに肝硬変を専門にされており,本書の編集にまさに人を得たといって過言ではない.

みんなの皮膚外用薬 木村 琢磨
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非皮膚科医が皮膚外用薬を適切に使用するコツを学ぶ絶好の書

 このたび,常深祐一郎教授のご編集で,非皮膚科医が皮膚外用薬を適切に使用するコツを学ぶ絶好の書『みんなの皮膚外用薬』が上梓された.評者は大学病院の外来以外にも,同大学グループの診療所で外来・訪問診療を行っており,皮膚外用薬を処方する機会が多い.そして常深教授と同じ大学で診療する医師として,患者・家族はもちろん,他職種への配慮,生活指導も含めた診療姿勢など多くを学ばせていただいている.本書はこれら常深教授の “皮膚科哲学” に満ちているといえよう.

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心不全療養指導士を目指すメディカルスタッフにぴったりのガイドブック

 新しく発足した心不全療養指導士資格,これを早速取得したいメディカルスタッフのための認定試験ガイドブックが日本循環器学会から上梓された.令和元年(2019年)11月1日に施行された「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中,心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」(循環器病対策基本法)に真摯に応えようとする学会からの一つの回答である.

連載 こんなとき,漢方薬が味方になります! ~漢方医が伝授する実践的な処方のノウハウ~

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総合内科からのコンサルト

 「疲れているのに眠れない」という方の相談です.器質的疾患は否定的で,精神生理性の不眠と考えられます.ベンゾジアゼピン系(BZP)の睡眠薬を使用してきましたが,倦怠感はとれず,入眠障害が続いております.漢方薬などの選択肢はありますでしょうか?

連載 悩むケースに立ち向かう! 臨床推論のススメ方 ~全国GIMカンファレンスより~

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連載のねらい

 GIMカンファレンスは,臨床推論の技術を向上させることを目的とした内科全般の症例を扱う検討会であり,全国各地で組織され開催されています.本連載では,全国のGIMカンファレンスにおいて検討された症例をご紹介いただき,診断過程を時系列に沿って解説いただきます.

連載 プライマリーケア医のがんの診かた ~かかりつけ患者さんのがんと共にたたかうために~

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 近年,訪問診療を行う診療所や病院の施設数は増えており,在宅医療を受ける環境はよくなってきました.がん患者さんにおいても療養する場所の選択肢が増え,積極的な治療を終えた末期のがん患者さんが自宅で緩和ケアを受けることもできるようになっています.今回は,在宅で行う緩和ケアを中心に,がん患者さんの在宅医療について解説していきたいと思います.

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 は じ め に 感染症のなかでも麻疹は空気感染で伝播し感染力が強く,インフルエンザの5~6倍,免疫のない人が感染するとほぼ100%近くが発病するといわれている.わが国では身近に流行している印象は低いが,2014年に流行して以来,依然として麻疹患者の発生は続いている1)

 今回,当院に受診した外国人が短期間に当院で3回の診察を受け,3回目にようやく麻疹であることが判明した.当院には感染症を念頭に置いた陰圧室はなく,麻疹患者発生は初であったため,その後の当院スタッフが院内感染対策(二次感染,三次感染予防対策)に病院をあげて奔走した経過を報告する.

基本情報

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臨床雑誌内科
126巻2号 (2020年8月)
電子版ISSN:2432-9452 印刷版ISSN:0022-1961 南江堂

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