特集 腎臓と他臓器連関を考える―CKDにおける包括的治療戦略を目指して
臓器連関の実態
腸腎連関
菊地 晃一
1,2
,
阿部 高明
2,3
1東北大学東北メディカル・メガバンク機構
2東北大学病院腎・高血圧・内分泌科
3東北大学大学院医工学研究科分子病態医工学分野/医学系研究科病態液性制御学分野
キーワード:
腸内細菌叢
,
尿毒素
,
慢性腎臓病
,
腸腎連関
Keyword:
腸内細菌叢
,
尿毒素
,
慢性腎臓病
,
腸腎連関
pp.195-199
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_195
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Summary
▪慢性腎臓病は成人の8人に1人が発症する国民病で,近年その病態の進行に関わる要因として「腸腎連関」が注目されている.
▪腸腎連関のキーワードの一つが尿毒素であり,尿毒素は腎機能低下とともに体内に蓄積し,さらに腎機能の低下を惹起するという悪循環に陥る.
▪腸内細菌叢の働きによって産生され,かつ生体毒性を有する代表的尿毒素としてインドキシル硫酸,パラクレシル硫酸,フェニル硫酸,トリメチルアミンN-オキシド(TMAO)などが知られている.
▪腸内環境への介入を通じて血中の尿毒素濃度を低減させることは,慢性腎臓病の新たな治療選択肢になり得る.
© Nankodo Co., Ltd., 2020