特集 腎臓と他臓器連関を考える―CKDにおける包括的治療戦略を目指して
臓器連関の実態
腎臓-脂肪組織-肝臓連関
-腎不全に伴うインスリン抵抗性と脂肪萎縮症(lipodystrophy)
水口 斉
1
,
脇野 修
2
,
林 晃一
3
,
伊藤 裕
2
1防衛医科大学校病院輸血血液浄化療法部
2慶應義塾大学病院腎臓・内分泌・代謝内科
3東京歯科大学市川総合病院内科
キーワード:
insulin resistance(IR)
,
chronic kidney disease(CKD)
,
lipodystrophy
,
protein energy wasting(PEW)
Keyword:
insulin resistance(IR)
,
chronic kidney disease(CKD)
,
lipodystrophy
,
protein energy wasting(PEW)
pp.205-210
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_205
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Summary
▪腎不全に伴うインスリン抵抗性(RIRs)は,1950年代から提唱された比較的古い概念である.
▪腎不全に伴う脂肪萎縮症(lipodystrophy)は,2010年頃から提唱された新しい概念である.
▪RIRsおよびlipodystrophyは互いに関連しており,protein energy wasting(PEW)との関連も示唆される.
▪これらの病態は,慢性腎臓病の進行や心血管疾患の発症に寄与している可能性があるが,現在のところ決定的なエビデンスはなく,今後の臨床研究での検討が必要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2020