特集 腎臓と他臓器連関を考える―CKDにおける包括的治療戦略を目指して
臓器連関の実態
CKD-MBD
駒場 大峰
1
1東海大学医学部内科学系腎内分泌代謝内科
キーワード:
慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常
,
高リン血症
,
二次性副甲状腺機能亢進症
Keyword:
慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常
,
高リン血症
,
二次性副甲状腺機能亢進症
pp.223-227
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_223
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Summary
▪慢性腎臓病(CKD)患者では,腎機能の低下とともに高リン血症,活性型ビタミンD低下,二次性副甲状腺機能亢進症を生じ,骨病変や生命予後の悪化につながる.このような病態を慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常(CKD-MBD)という.
▪血清リン,カルシウム値の上昇は血管石灰化の要因となり,心血管リスクの上昇につながる.
▪二次性副甲状腺機能亢進症は高回転型骨病変の要因となり,骨折リスクの上昇につながる.さらに,心肥大や貧血,カヘキシーの要因となる可能性も示されている.
▪CKD患者で上昇するFGF23はリン・ビタミンD代謝に関わるだけでなく,心肥大など臓器障害を起こす可能性が示されている.
▪活性型ビタミンD製剤に加え,Ca受容体作動薬の登場により,二次性副甲状腺機能亢進症の管理は大きく進歩した.
© Nankodo Co., Ltd., 2020