特集 腎臓と他臓器連関を考える―CKDにおける包括的治療戦略を目指して
臓器連関の実態
脳腎連関
内藤 裕之
1
,
細見 直永
2
1広島市立広島市民病院脳神経内科
2近森会近森病院脳神経内科
キーワード:
慢性腎臓病
,
脳卒中
,
神経変性疾患
,
認知症
Keyword:
慢性腎臓病
,
脳卒中
,
神経変性疾患
,
認知症
pp.189-194
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_189
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Summary
▪人口の高齢化に伴って,今後慢性腎臓病(CKD)の増加が予想され,CKDと脳神経疾患との脳腎連関が注目されている.
▪脳および腎臓における血行支配は,解剖学的にも血行力学的にも類似しており,細動脈障害を生じやすい.細動脈が障害されることで,腎臓ではアルブミン尿が出現し,脳では微小脳出血や無症候性脳梗塞,大脳白質病変などの脳小血管病が起こる.
▪CKDは脳卒中発症の独立した危険因子であるだけでなく,発症後の予後不良因子でもある.
▪CKDは認知機能低下の危険因子であり,CKDに伴う認知機能障害は血管性認知症のパターンが多い.
▪近年,CKDとParkinson病との関連が注目されており,腎機能低下や蛋白尿はParkinson病発症の危険因子として報告されている.
© Nankodo Co., Ltd., 2020