Book Review
肝硬変治療マニュアル―エキスパートのコツとさじ加減
沖田 極
1
1山口大学 名誉教授
pp.247-247
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_247
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- 文献概要
このたび南江堂から上記タイトルのテキストが刊行された.編集者は肝硬変領域で近年とみに活躍著しい奈良県立医科大学第三内科の吉治仁志教授である.これまでにも何度か書評を書く機会があったが,その際重要なことは編集者や著者がどのような感性あるいは哲学をもって一冊のテキストを創り上げたかを重要視してきた.私と吉治教授の間には浅からぬ因縁がある.彼は奈良県立医科大学腫瘍病理学講座で学位を得ているが,研究指導者は故小西陽一教授で,1971年から数年間,フェルス癌研究所(米国フィラデルフィア)に勤務した間柄でもある.吉治教授は学位取得後,NIH(米国ベセスダ)に留学され,Thorgeirsson UP(肝発がんで有名なThorgeirsson Sのパートナー)の下でがんの増殖と血管内皮細胞増殖因子の関連を研究された.ちなみに,Thorgeirsson Sの研究室にはかつての私の教室からも寺井崇二君(新潟大学消化器内科教授)ほか4人ほど留学しており,ここにも浅からぬ因縁があるように思う.それに加え,ご教室の歴史を紐解くと初代の故辻井 正,二代目の福井 博教授もともに肝硬変を専門にされており,本書の編集にまさに人を得たといって過言ではない.
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