特集 腎臓と他臓器連関を考える―CKDにおける包括的治療戦略を目指して
臓器連関の実態
CKDと皮膚疾患
石河 晃
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座
キーワード:
皮膚瘙痒症
,
後天性穿孔性皮膚症
,
カルシフィラキシス
Keyword:
皮膚瘙痒症
,
後天性穿孔性皮膚症
,
カルシフィラキシス
pp.253-255
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_253
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Summary
▪皮膚瘙痒症は透析患者の2~3割でみられ,透析条件の変更,保湿外用薬の塗布,nalfurafineの内服,紫外線照射などが有効であり,海外ではgabapentinやpregabalinが推奨されている.
▪後天性穿孔性皮膚症は円形の痂皮を固着する潰瘍という特徴的な皮疹を呈するが,治療の基本は皮膚瘙痒症と同様である.
▪カルシフィラキシスは皮膚・皮下の細動脈の石灰化,内膜肥厚による狭窄により梗塞性の潰瘍が多発する致死率の高いまれな疾患である.早期治療介入により改善する症例も報告されており,透析医,皮膚科医とも認識しておくべき疾患である.
© Nankodo Co., Ltd., 2020