特集 最近よく聞く他科の薬―先生の外来にこの薬を使っている患者さんがきますよ
第2章 循環器
[心不全治療薬(HCNチャネル阻害薬)]イバブラジン(コララン®)
鈴木 規雄
1
,
木田 圭亮
2
1聖マリアンナ医科大学 循環器内科
2聖マリアンナ医科大学 薬理学
pp.416-420
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika136_416
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▪β遮断薬の機序と異なり,イバブラジンは洞結節の過分極活性化環状ヌクレオチド依存性(HCN4)陽イオン電流(If)チャネルに作用して心拍数を低下させる.
▪イバブラジンは,β遮断薬を含む心不全基本治療下の左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)において心血管予後を改善させ,心拍数の抑制自体に効果があることが示された.
▪心不全基本治療下のHFrEFにおいて,洞調律下に心拍数75回/分以上の場合にイバブラジンの使用を検討する.
▪イバブラジンには陰性変力作用はなく,血圧の低い症例でも血圧が保持され,比較的安全に使用できることが多い.
▪イバブラジンの特徴的な副作用として光視症がある.

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