臨床雑誌整形外科 69巻13号 (2018年12月)

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は じ め に

 患者立脚型の治療効果判定の重要性が謳われる中,治療介入前後において患者が記載するさまざまなアンケート調査票が増えているが,同時に患者の負担も問題視されている.そのような背景をふまえ,Core Outcome Measures Index(COMI)は,腰痛・腰椎疾患および頚部痛・頚椎疾患の厳選された,文字通りコアなアウトカムメジャーとして開発された1).COMIは,Deyoらにより最適なアウトカム指標として提唱された項目を軸に構成されており2),疼痛,機能障害,支障度,生活の質(QOL),治療の効用,術後の満足度や改善度を必要最小限に把握できるツールで,腰椎疾患用と頚椎疾患用の2種類がある.西欧諸国を中心に,COMIを用いた研究が盛んに行われているが,COMIの日本語版は開発されていなかった.本稿では,英語の原作版を日本語に翻訳し,その言語的妥当性を検討したので報告する.

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は じ め に

 人工膝関節全置換術(TKA)において大腿骨コンポーネントと脛骨コンポーネントの回旋ミスマッチは,ポリエチレンの摩耗,不安定性を惹起することが知られている1,2).これを予防するために大腿骨コンポーネントと脛骨コンポーネントの正確な回旋設置が必要である.大腿骨コンポーネントの回旋の指標は解剖学的上顆軸が一般的である3).これに対して,脛骨コンポーネントの回旋設置の解剖学的指標としては後十字靱帯(PCL)付着と脛骨粗面内側縁を結ぶAkagiライン4),脛骨中央と脛骨粗面内側1/3を結ぶ軸5),または内側1/6を結ぶ線6),第2中足骨軸7)などさまざまな方法があるが,いずれも個体差があるうえ,軸を形成する線分が短いため誤差を生じやすい.また,脛骨近位を骨切りしたのちに,前二者の軸を同定することは必ずしも容易ではない.われわれは,独自の方法を使用して脛骨コンポーネントの回旋を決定している8~10).この方法を用いて変形性膝関節症(OA)において冠状面アライメントと屈曲位での下腿回旋との関係を調べたので報告する.

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は じ め に

 人工膝関節全置換術(TKA)後の患者満足度の向上は,膝関節外科医にとって近年トピックスの一つである.TKAの満足度に関するシステマティックレビューでは1),術後の不満足感は約20%2)で,過去10年にわたって続いているとされている.満足度を評価するうえで患者立脚型評価法の重要性が認識されており,その一つとしてForgotten Joint Score-12(FJS-12)3)が近年TKA後評価法として注目されている.FJS-12は術後の関節を意識しない “forgotten joint” の概念にもとづいた評価法で,高い識別力や内的信頼性4),低い天井効果3)などの特徴を有する.

 TKA術後の不満足感の原因として多様な因子が関与する1)と考えられており,なかでも膝前十字靱帯(ACL)の影響についても近年報告がなされている5).本稿において,われわれは術中のACL状態について着目し,TKAにおけるACLの切離が術後患者評価に及ぼす影響についてFJS-12を用いて検討を行った.

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は じ め に

 高齢者における骨粗鬆症関連骨折は日常生活動作(ADL)と生活の質(QOL)が低下するため,生命予後不良因子とされている.今日まで日本人の平均寿命は順調に延長してきたが,健康寿命とのギャップ「男性は平均9歳,女性は平均12歳」は依然乖離したままである1).老いては,ぴんぴんころりが目標とされるが,そのためにはいかに健康に老いるか「健康寿命の延長」が重要である.骨粗鬆症患者は全国で推定約1,300万人とされ2),健康寿命の延長のためには認知症の予防とともに核となる重要な疾患である.

 今日,骨粗鬆症治療薬は内服・注射製剤と種々登場し選択肢は豊富になったが,高齢患者における合併疾患の多さから多剤服用(ポリファーマシー)が大きな問題となっている.内服薬が5種類以上になるとフレイルのリスクが上昇するとの報告もあり3),転倒などによる骨折予防のためにも減薬は必要不可欠な状況となった.特に,高齢者における骨粗鬆症治療は既存疾患の治療と並行して行われるため,服薬コンプライアンス・アドヒアランスの問題から,治療薬の選定,導入,維持に苦慮することが多い.本研究で使用した月1回の静脈内投与を可能としたビスホスホネート系薬剤であるイバンドロン酸ナトリウム水和物(ibandronate sodium hydrate:IBN)静注製剤は,その他同系内服薬と比較して生体内利用率が高いため,高い有効性を獲得できることが予想される薬剤である.しかしながら,長期投与例かつ他剤からIBNへの変更症例と新規投与症例を比較・検討した報告はみられない.本研究の目的は,投与開始後24ヵ月間の経過観察が可能であった症例について,薬剤有効性(薬剤変更による骨代謝マーカー,骨密度変化への影響)を明らかにすることである.

誌説

第三次AIブームと医療 渡部 欣忍
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 “Sternal fractures are uncommon and have an incidence of 3%-8% of all patients who sustain blunt trauma. They are usually treated conservatively, and the estimated rate of nonunion is only 1% among all cases of sternal fracture.” とあるcase reportの書き出しである.Google翻訳にcopy and pasteして翻訳された文章は,「胸骨骨折は稀であり,鈍的外傷を患う全患者の3%~8%の発生率を有する.それらは通常保守的に扱われ,胸骨骨折のすべての症例の中で不妊の割合はわずか1%である.」“nonunion” が「不妊」と誤訳されているが,それ以外は,十分に理解できる日本語である.数年前のGoogle翻訳からは考えられないレベル向上である.ディープラーニング手法による「ニューラル機械翻訳」というシステムが用いられるようになって,翻訳精度は著しく向上したといわれている.

私論

CRPSに対する水際作戦 堀内 行雄
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 軽微な外力による受傷にもかかわらず,驚くほど重症になってしまう不可解な疾患である複合性局所疼痛症候群(CRPS type 1:明らかな神経損傷のないもの)の初期対応について,一整形外科医としての私が現在まで実践してきたことを述べる.

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 びまん性特発性骨増殖症(diffuse idiopathic skeletal hyperostosis:DISH)に伴う頚椎損傷は不安定性を有することから保存的治療での経過中の悪化例が多く,ほとんどの症例が観血的に治療されている1~7).われわれは,初診時に高度転位を認めたが頚椎装具で治癒した,DISHに生じた頚椎損傷の1例を経験したので報告する.

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 石灰沈着性頚長筋炎は,比較的まれな疾患であるが,頚部痛をきたす疾患の鑑別診断として念頭におく必要がある.それ自体は予後良好であるが,咽後膿瘍などの感染性疾患との鑑別がむずかしく,適切な診断がなされないと不要な治療が行われてしまう可能性がある.われわれは,石灰沈着性頚長筋炎の2例を経験したので報告する.

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 近年,わが国における肥満者は増加傾向であり1),肥満患者に対するリハビリテーションを実施する機会は増えている.特に肥満患者に装具を作製する場合には,体重や活動性に合わせて装具の強度などに工夫をする必要がある.また若年者では美容的な側面も考慮に入れなければならない.

 われわれは,若年超高度肥満患者の腰椎椎間板ヘルニアを原因とする歩行障害に対し,短下肢装具処方により歩行が改善した1例を経験したので報告する.

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 末期変形性足関節症に対する足関節固定術は,除痛と安定性が得られ,広く用いられている.観血的手術が一般的に行われてきたが,侵襲が大きく,創部治癒遷延,偽関節などのリスクがある.一方,鏡視下手術は,手技が煩雑で,手技習熟が必要ではあるが,低侵襲であり,骨癒合や術後早期の疼痛において良好な成績が報告されている1)

 後方鏡視下の二関節固定術の報告は少ないが,他の鏡視下手術同様に有効であると報告されている2)

 陳旧性距骨骨折後の変形性距腿距骨下関節症に対し,後方鏡視下腸骨移植,二関節固定術を施行した1例を報告する.

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 ES細胞(胚性幹細胞)・iPS細胞(人工多能性幹細胞)を利用した中枢神経や脊髄に対する再生医療が盛んに行われ,その研究は日々進化している.対して筋萎縮性側索硬化症(ALS)など運動ニューロン変性疾患や外傷性末梢神経障害における運動機能再生についての試みはまだ歴史が浅く,研究の余地がある分野である.一方で,マウス坐骨神経切断モデルに対して運動神経細胞移植し運動機能を再建したという報告があり1,2),Nakanoらのグループでは,ES・iPS細胞由来運動神経前駆細胞を用いた末梢神経系の運動機能再建を試みている3).末梢神経系は中枢神経よりアプローチしやすく,再生医療の中でも実現しうる可能性が高いものと考えられる.さらに再建しうる機能が限局的であっても,運動神経の電気的制御を行うことで四肢骨格筋や呼吸筋の機能制御が可能となれば,原疾患にとらわれない究極の運動機能再建法として,患者に福音をもたらす有意義な技術となるはずである.

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 Semaphorin(Sema)はもともと神経成長円錐に対する反発分子として発見され,現在では器官形成,血管形成,悪性腫瘍の浸潤などさまざまな生物学的領域での活性が明らかになっている.Semaphorin分子群は20種類を超えるメンバーが同定されている.細胞外にSemaドメインという共通領域をもち,それに続くC末端領域の構造上の違いから8つのサブクラスに分けられる.Ⅰ型,Ⅱ型は無脊椎動物に,Ⅲ~Ⅶ型は哺乳類に,Ⅷ型はウイルスにコードされている.Ⅱ,Ⅲ,Ⅷ型は分泌型蛋白で,ほかは膜型蛋白である.Semaphorinの主要な受容体にはPlexinファミリーとNeuropilin(Nrp)ファミリーがあるが,Sema3AはNrp-1/Plexin-A1複合体およびPlexin-A2を介してシグナル伝達している1)

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は じ め に

 70歳以上で挙上困難な関節症性変化を伴う広範囲腱板断裂に対して,最近はリバース型人工肩関節全置換術(reversed TSA)が行われ,良好な成績が報告されている.しかし70歳未満の同様な症例にはリバース型TSAは適応外なので,それ以外の上方関節包再建術1)や鏡視下大腿筋膜移植術2)などさまざまな術式が行われ,われわれは以前からpartial repair法を施行してきた.

 本研究の目的は,70歳未満の広範囲腱板断裂例に対するpartial repair法の手術的効果を明らかにすることである.

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は じ め に

 近位指節間(PIP)関節の過伸展により中節骨基部掌側の小骨片を伴った掌側板損傷が生じる.小骨片は翻転し近位方向に回転,転位した場合,PIP関節屈曲位においての整復保持不能であるため手術的治療を要する.放置すれば残存した小骨片は可動域制限を引き起こし,掌側不安定性はPIP関節過伸展変形からスワンネック変形へと進行する症例も認められる1).もっとも一般的な手術方法は軟鋼線を使用したプルアウト法であるが2),操作時に軟鋼線がよれて十分に牽引した状態で結び目を作成することが困難であること,また過度な牽引により軟鋼線が破断するなどの操作上での問題がある.また抜去時に軟鋼線が折損し,一部が体内に残存する可能性もある.われわれは,これらの問題の解決を目的として軟鋼線の代わりに2-0ポリプロピレン糸つきの両端針を考案して手術に用い良好な成績を得たので報告する.

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は じ め に

 医療の質指標(quality indicator:QI)とは,病院の機能や診療の質について客観的な数値を用いて示した指標である.QIには厚生労働省が定めた治療実績のQIと病院独自で取り組んでいる安全重点項目のQI,各診療科・部門別QIなどがあり,近年多くの病院で導入され公表されている1).しかしながら,整形外科領域では手術件数などの統計は公表されてはいるが,治療成績や合併症などに関しては学会や論文で単発的に報告されるにとどまり,筆者の知る限りでは継続的な公表はなされていない.本研究の目的は,骨折手術のQIを試作しその有用性について考察することである.

連載 X線診断Q&A

X線診断Q&A 新行内 義博
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Question

 症 例.86歳,女.

 主 訴:左膝関節痛.

 既往歴・家族歴:特記すべきことはない.

 現病歴:転倒し,左膝を打撲し,膝の痛みを訴えて受診した.

 身体所見:T字杖歩行であった.杖なしでは左膝関節痛のため跛行を認めた.膝内側に圧痛を認めた.

 血液検査:特記すべきことはない.

 X線所見:図1に当院初診時左膝関節X線正面像を示す.

連載 卒後研修講座

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は じ め に

 変形性関節症(OA)とは,「関節軟骨の変性・摩耗・破壊が生じ,それに続発する関節周辺・軟骨下骨における骨の反応性増殖を伴う関節構成体の慢性退行性疾患」である.一次性OAと二次性OAに分類され,二次性OAは外傷,感染,代謝異常などに続発するもので,一次性とはそのような原因がないものであり手・膝関節では臨床的診断基準がある1).日本において,X線像で診断される膝OAの有病者数は2,530万人(男性860万人,女性1,670万人)と推察され,40歳以上の膝痛有病者数は約1,800万人(男性710万人,女性1,000万人)ときわめて多い2).膝OAをはじめ,OAはきわめて多くの人が罹患しており,その大部分が保存的治療の対象である.OAの保存的治療を行う場合,高齢者であることが多いため,糖尿病や高血圧,認知症などの合併症の有無を把握しておく必要がある.OA関節や全身的な評価を行い,生活指導や保存的治療である理学療法(運動療法,物理療法),作業療法,装具療法などを行う.

連載 専門医試験をめざす症例問題トレーニング

肩甲骨・肩・肘関節疾患 間中 智哉
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 症 例.81歳,女.主婦.

 主 訴:右肩痛と右肩挙上困難.

 家族歴:特記すべきことはない.

 併存症:脳動脈瘤,高血圧,逆流性食道炎.

 既往歴:Th8椎体骨折.

 利き手:右.

 現病歴:2年前に転倒し,右肩を打撲した.その後より右肩痛が出現したために,近医を受診した.単純X線像で明らかな骨折はなかったために,鎮痛薬で経過観察していた.徐々に右肩挙上困難が出現し,右肩痛も増悪してきたために,当院を紹介され受診となった.

 当院初診時所見:視診上,胸椎円背を認めたが,歩行は安定しており,下肢に疼痛や神経学的異常所見はなかった.右側の棘下筋の筋萎縮があったが,三角筋の筋萎縮はなかった.両上肢の疼痛やしびれはなく,巧緻運動障害はなかった.両上下肢の深部腱反射は正常で,病的反射はなかった.徒手筋力テスト(MMT)では,両側で上腕二頭筋筋力5,上腕三頭筋筋力5,手関節掌背屈筋筋力5であった.右肩関節可動域(ROM)は,自動挙上で40°,他動挙上で120°,自動外転で30°,他動外転で120°であった.下垂位外旋は15°で結帯はL1であった.右肩関節の安静時痛はなかったが,動作時痛と夜間痛があった.ステロイド摂取歴やアルコール多飲歴はなかった.右肩関節の単純X線像(図1),MRI(図2)を示す.

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 症 例.39歳,女.

 主 訴:右手指伸展障害.

 既往歴:28歳時に関節リウマチ(RA)と診断され,薬物療法中(生物学的製剤使用中)であった.

 現病歴:数年前から手指の伸ばしにくさを感じていたが,生活に大きな支障はなかった.2週間前に明らかな誘因なく,右手環指および小指の中手指節(MP)関節伸展が不可能となり,当院を紹介され受診した.

 当院初診時所見:手関節背側には腫脹があり,尺骨頭は背側に突出しており遠位橈尺関節に不安定性を認めた.示指の伸展は可能であったが,中指・環指・小指に伸展障害があり,中指は尺側への偏位を認めた(図1).明らかな知覚障害はなかった.単純X線像を図2に示す.

連載 最新原著レビュー

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【要 旨】

 目 的:心不全のマーカーであるN末端B型ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)が大腿骨近位部骨折術後の心血管系合併症発症予測因子となりうるかにつき検討した.

 対象および方法:2011年1月~2014年12月に観血的に治療した大腿骨近位部骨折患者の中で腎不全患者を除外した328例を対象とした(平均年齢83歳).全例に術前検査(NT-proBNPを含む)と既往歴,内服歴を調査した.以上の有意な因子を説明変数,術後心血管系合併症の有無を目的変数として多変量ロジスティック回帰分析を行った.

 結 果:術後に心血管系合併症は24例(7%)に生じた.合併症あり群では,NT-proBNP中央値1,090pg/ml,なし群は283pg/mlと有意差があった.受信者動作特性(ROC)曲線では,カットオフ値600pg/mlで,感度79%,特異度が81%,ROC曲線下面積(AUC)が87%であった.多変量解析の結果,NT-proBNP値>600pg/ml(オッズ比13)は心血管系合併症の独立した予測因子となった.

 考 察:術前NT-proBNP値>600pg/mlは大腿骨近位部骨折術後心血管系合併症予測因子である.

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【要 旨】

 目 的:腰椎分離すべり症における神経根絞扼部位を電気生理学的に調査すること.

 対象および方法:片側下肢症状を訴える腰椎分離すべり症の手術症例12例において,症状側膝窩部で腓骨神経を電気刺激し,術中展開した神経根の4ヵ所(脊柱管内・分離部・椎間孔出口・椎間孔外側)に針電極を刺入し神経根活動電位を観察した.また術前画像と手術記録を調査し,検査結果との関連性を調べた.

 結 果:異常波形出現部位は6例で分離部,5例で椎間孔出口,1例で椎間孔外側であった.術前画像や手術記録と検査結果との関連性はなかった.

 考 察:腰椎分離すべり症における神経根絞扼は本研究の電気生理学的検査から分離部のみで生じるのではなく,分離部より遠位で生じている可能性が示唆された.

喫茶ロビー

人の思考と行動パターン 小宮 節郎
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 「人は考える葦である」とは,とある有名な思想家の言葉です.もう少し付け加えると,「人は自然の中で,宇宙の中でもっとも弱いひと茎の葦にすぎない.しかしそれは考える葦である.人間は孤独で弱いが,考えることができることにその偉大と尊厳がある」との趣意になります.意識を持ち,思い,考えることこそが人間の尊厳を高め偉大ならしめる,と述べました.

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 本書の帯には「歴史的名著が14年ぶりに日本語版刊行」とある.本書の第1版(英語版)は1992年に発刊され,今回刊行されたものが原書第6版となる.四半世紀にわたり多くの読者を獲得して版を重ねることができたことが,何といっても名著のしるしであろう.日本語版として出版されるのは,1994年に富田勝郎先生(金沢大学名誉教授)が原書第2版を,2004年に守屋秀繁先生(千葉大学名誉教授)が原書第3版を監訳されて以来になる.今回は1,244頁,4,000以上の画像というたいへんボリュームのある本であり,監訳を担当された遠藤直人先生,および新潟大学整形外科学教室の先生方にまず大きな敬意を表したい.

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〈運動器疾患診療の手引書〉

 われわれ運動器疾患の診療に携わる者にとって,リハビリテーション実践のためのガイドブックというべき本書『運動器リハビリテーションシラバス―セラピストのための実践マニュアル』が南江堂から上梓された.

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1.は じ め に

 第10回の本学会は宗田大会長(東京医科歯科大学名誉教授)のもと,「知の開花・知の解放JOSKAS 10年」をテーマとして,2018年6月14日(木)~16日(土)の3日間,福岡国際会議場,福岡サンパレス(福岡市)で開催された.約3,000人が参加し,医師,理学療法士による発表,質疑および若い先生方の活発な討議が行われていた.今回は欧米,アジア,オセアニアから膝,肩,股,足関節の19名の著名な先生が来られ,国際化を目指す本学会にふさわしい会であった.

第30回日本整形外科超音波学会 中島 祐子
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1.は じ め に

 記念すべき第30回となる日本整形外科超音波学会学術集会は,済生会山形済生病院の石井政次会長(図1)のもと,2018年7月7日(土)と8日(日)に山形国際ホテル(山形市)で開催された.近年の超音波装置や画像構築技術はますます進歩し,その多様性には目を見張るものがある.石井会長は本学会のテーマを「超音波のpenetration」とし,そこには「超音波が身体の中をpenetration(浸透)するように,超音波が整形外科領域の診療に浸透して欲しい」という願いが込められていた.本学会の応募演題数は126演題であり,10年前が16題,5年前が75題であったことを考えると,本学会の規模がますます大きくなっていることがわかる.学会の会員数も年々増加しており,本年の学会参加者数は426名となった.そのうち医師以外のメディカルスタッフが171名を占め,参加者は多職種にわたっており,超音波検査の用途が広がってきたことを物語っている.以前は一つの会場ですべての演題を聴くことができたが,次第に規模が大きくなるにつれ,数年前からおのずと会場が二つとなり,どうしてもすべての演題を聞くことができないのが残念! と思うくらい,今年も興味深いプログラム内容であった.

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1.は じ め に

 鹿児島県整形外科医会は,九州・沖縄ブロックの臨床整形外科医会のご支援を得て,第31回日本臨床整形外科学会(JCOA)を,2018年7月15日(日)~16日(月・祝)の2日間,城山ホテル鹿児島(鹿児島市)で「桜島学会・鹿児島」として開催させていただいた.会長は,筆者・橋口兼久(鹿児島県整形外科医会会長)が務めさせていただき,副会長は小倉雅氏(同医会副会長/恒心会おぐら病院),実行委員長は増田明敏氏(同医会副会長/整形外科吉野台クリニック)が務めた.大会役員は,同医会理事・監事が担当した.一般演題の査読は,同医会査読委員41名が担当し,JCOA合同プログラム委員の協力を得て実施した.

 医療界や整形外科をとりまく環境がますます厳しくなるなか,学術面のみならず医療経済面からも整形外科のさらなる発展を期するため,「キバレ! 整形外科」と気合を込めたサブタイトルとし,テーマを「より良き運動器疾患の治療を目指して」と銘打って開催した.2013年に今学会の開催が決定して以来,九州各県の先生方の御協力,JCOA理事会・学術研修委員会の御指導のもと,開催することができたことに心より感謝申し上げたい.今学会の参加者は,JCOA会員のほか,非会員の開業医,勤務医や,理学療法士,作業療法士などのメディカルスタッフの方々を含め,1,312名にのぼり活発な討議がなされた.

 折しも本年は明治維新150周年であり,鹿児島においてはNHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」で活況を呈しているところである.このような年に桜島学会が開催できたことは,鹿児島県整形外科医会にとって,このうえもない喜びであった.

基本情報

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臨床雑誌整形外科
69巻13号 (2018年12月)
電子版ISSN:2432-9444 印刷版ISSN:0030-5901 南江堂

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