臨床室
橈骨遠位端骨折保存的治療中に尺骨頭掌側脱臼を生じた1例
佐竹 寛史
1
,
江藤 淳
,
渡邉 忠良
,
高木 理彰
,
荻野 利彦
1山形大学 整形外科
キーワード:
尺骨
,
脱臼
,
X線CT
,
手首外傷
,
橈骨骨折
,
三次元イメージング
,
三角線維軟骨複合体
,
下橈尺関節
Keyword:
Joint Dislocations
,
Radius Fractures
,
Ulna
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Wrist Injuries
,
Imaging, Three-Dimensional
,
Triangular Fibrocartilage
pp.441-443
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013211800
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57歳女。右手関節痛を主訴とした。転倒時に右手をついて受傷し、単純X線像では転位の少ない橈骨遠位端関節外骨折と尺骨茎状突起骨折、遠位橈尺関節(DRUJ)の開大を認めた。橈尺骨遠位端骨折のほかに掌側あるいは背側橈尺靱帯損傷もあると診断して3週間の上腕ギプス固定を行ったものの、受傷後5週に尺骨頭掌側脱臼(DRUJ掌側脱臼)を生じた。MRIでは三角線維軟骨複合体(TFCC)が尺骨窩から剥離しており、また、DRUJの不安定性を認めたため、尺側手根伸筋の半裁腱を用いてTFCC再建術を行った結果、術後は軽度の可動域制限を認めるものの、日常生活動作に不自由はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2013