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連載 卒後研修講座
変形性関節症の保存的治療
-――運動療法を中心に
Conservative treatment in osteoarthritis
千田 益生
1
M. Senda
1
1岡山大学病院総合リハビリテーション部
1Division of Physical Medicine and Rehabilitation, Okayama University Hospital, Okayama
キーワード:
OA
,
conservative treatment
,
therapeutic exercise
Keyword:
OA
,
conservative treatment
,
therapeutic exercise
pp.1349-1357
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_1349
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は じ め に
変形性関節症(OA)とは,「関節軟骨の変性・摩耗・破壊が生じ,それに続発する関節周辺・軟骨下骨における骨の反応性増殖を伴う関節構成体の慢性退行性疾患」である.一次性OAと二次性OAに分類され,二次性OAは外傷,感染,代謝異常などに続発するもので,一次性とはそのような原因がないものであり手・膝関節では臨床的診断基準がある1).日本において,X線像で診断される膝OAの有病者数は2,530万人(男性860万人,女性1,670万人)と推察され,40歳以上の膝痛有病者数は約1,800万人(男性710万人,女性1,000万人)ときわめて多い2).膝OAをはじめ,OAはきわめて多くの人が罹患しており,その大部分が保存的治療の対象である.OAの保存的治療を行う場合,高齢者であることが多いため,糖尿病や高血圧,認知症などの合併症の有無を把握しておく必要がある.OA関節や全身的な評価を行い,生活指導や保存的治療である理学療法(運動療法,物理療法),作業療法,装具療法などを行う.
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