今日の問題点
内側楔開き高位脛骨骨切り術前後における膝蓋骨高の膝関節可動域および膝伸展筋力との関連
近藤 淳
1
,
沼田 純希
,
永塚 信代
,
糟谷 紗織
,
雲谷 夏美
,
井上 宜充
,
竹内 良平
1横須賀市立市民病院 リハビリテーション療法科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
関節疾患
,
脛骨
,
骨切り術
,
膝蓋骨
,
膝関節
,
治療成績
,
筋力
,
下肢伸展挙上テスト
Keyword:
Joint Diseases
,
Knee Joint
,
Osteotomy
,
Radiography
,
Patella
,
Tibia
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
Muscle Strength
pp.659-662
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015335343
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片側膝に内側楔開き高位脛骨骨切り術(OWHTO)を施行した患者40例(男性8例、女性32例、平均年齢66±8歳)40膝を対象に、術前後の膝蓋骨高と膝蓋腱長の経時的変化をX線像にて調査した。今回、この術前後の膝関節可動域(ROM)および膝伸展筋力の変化との関連を検討した。術式は内固定材料にTomoFixと骨開大部にβ-リン酸三カルシウム(TCP)を使用し、術後のリハビリテーションは術翌日より関節ROM訓練、筋力訓練、両脚立位を開始した。そして術後1週目より1/2部分荷重、術後2週目よりは全荷重歩行を行なった。その結果、1)膝蓋骨高をCaton法により算出したCD値は術前0.97±0.19が術後3ヵ月経過で0.78±0.15と有意に低値を示した。一方、膝蓋腱長をInsall-Salvati法で算出したIS値も術前1.01±0.14が術後3ヵ月経過で0.97±0.12と有意に低値を示していた。2)術前後における膝蓋高と膝蓋腱長の変化、更に膝関節ROMおよび膝関節筋力の変化との間には相関関係は認められなかった。以上より、OWHTOにより生じる膝蓋骨低位は術後3ヵ月かけて徐々に起る膝蓋腱の短縮がそれを助長していることが示唆された。
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