Japanese
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連載 専門医試験をめざす症例問題トレーニング
肩甲骨・肩・肘関節疾患
Shoulder and elbow disease
間中 智哉
1
T. Manaka
1
1大阪市立大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Osaka City University Graduate School of Medicine, Osaka
キーワード:
cuff tear arthropathy
,
reverse shoulder arthroplasty
,
total shoulder arthroplasty
Keyword:
cuff tear arthropathy
,
reverse shoulder arthroplasty
,
total shoulder arthroplasty
pp.1358-1363
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_1358
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症 例.81歳,女.主婦.
主 訴:右肩痛と右肩挙上困難.
家族歴:特記すべきことはない.
併存症:脳動脈瘤,高血圧,逆流性食道炎.
既往歴:Th8椎体骨折.
利き手:右.
現病歴:2年前に転倒し,右肩を打撲した.その後より右肩痛が出現したために,近医を受診した.単純X線像で明らかな骨折はなかったために,鎮痛薬で経過観察していた.徐々に右肩挙上困難が出現し,右肩痛も増悪してきたために,当院を紹介され受診となった.
当院初診時所見:視診上,胸椎円背を認めたが,歩行は安定しており,下肢に疼痛や神経学的異常所見はなかった.右側の棘下筋の筋萎縮があったが,三角筋の筋萎縮はなかった.両上肢の疼痛やしびれはなく,巧緻運動障害はなかった.両上下肢の深部腱反射は正常で,病的反射はなかった.徒手筋力テスト(MMT)では,両側で上腕二頭筋筋力5,上腕三頭筋筋力5,手関節掌背屈筋筋力5であった.右肩関節可動域(ROM)は,自動挙上で40°,他動挙上で120°,自動外転で30°,他動外転で120°であった.下垂位外旋は15°で結帯はL1であった.右肩関節の安静時痛はなかったが,動作時痛と夜間痛があった.ステロイド摂取歴やアルコール多飲歴はなかった.右肩関節の単純X線像(図1),MRI(図2)を示す.
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