総合診療 31巻4号 (2021年4月)

特集 消化器診療“虎の巻”—あなたの切実なギモンにズバリ答えます!

中野 弘康
  • 文献概要を表示

本特集はプライマリ・ケアの消化器診療の現場で誰しもが悩みそうな、かゆいところに手が届く珠玉のQuestionを26題選びました。実はこの26のQ、日々の救急や内科外来のまさにフロントラインで患者さんと向き合う、若手総合内科医から寄せてもらいました。そして26のQにご回答いただくのは、ジェネラルな視点をお持ちの消化器内科医・薬剤師の先生方で、“かゆいところに手が届きながらも”、“Evidence-basedな内容で”、近年クローズアップされている“ポリファーマシー”や“Choosing Wisely®”にも触れていただきながら、実臨床で湧き上がるリアルなQにお答えいただきました。読者の皆様におかれましては、本特集を通じて日常の消化器診療をブラッシュアップしていただき、診療の一助としていただければ幸いです。

  • 文献概要を表示

逆流性食道炎に対するプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor:PPI)は、「中止」「継続」という二分法ではなく、患者個別の状況に応じて多面的な視点で評価を行いたい。

  • 文献概要を表示

アスピリンやチエノピリジン系薬剤に代表される抗血小板薬が処方されている場合には、酸分泌抑制薬、特にプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor:PPI)の処方が望ましく、可能であれば継続すべきである。しかしポリファーマシーの側面から、処方や継続については検討することも重要である。

  • 文献概要を表示

プロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor:PPI)の長期投与によるさまざまな有害事象が報告されている。クロストリジウム・ディフィシル感染症(Clostridium difficile infection:CDI)もその1つである。すべて観察研究であり、RCT(randomized controlled trial)で示されたものはないが、今後の動向に注目が必要な領域である。もちろん漫然としたPPI長期投与は御法度である。

  • 文献概要を表示

プロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor:PPI)は肺炎など、感染症のリスク増加と関連していることが報告されている。したがって肺炎を発症した症例において、内服理由不明のPPIがあれば、その因果関係を少なからず意識することもあるかもしれない。しかし、必ずしもPPIだけが感染症の原因となっているわけではないことに留意したい。そもそも内服の理由が不明なことは、薬のリスク/ベネフィットに対する不確実性が高いことを意味しており、安易な「off」は推奨できない。

  • 文献概要を表示

pylori菌検査に際し、まず内視鏡検査が必須である。それに加え、尿素呼気試験(UBT)、血液や尿からの抗体測定・糞便中の抗原測定、胃の粘膜生検による迅速ウレアーゼ試験や鏡検法、培養法などがあり、それぞれ一長一短がある。pylori菌の感染経路は経口感染が主であるとされる。古くは人の糞便が堆肥溜めから地下水に浸透し、井戸水からの感染とされていたが、現在の主な感染経路は、幼少期に近親者からの口移しなどによるとされている。ただ、成人の初感染も少ないがゼロではないため、油断はできない。

  • 文献概要を表示

 Helicobacter pylori(以下、pylori菌)感染症は胃癌のリスクを高める。除菌を行うと発癌リスクは下がるが、ゼロにはならず、定期的な内視鏡フォローが必要である。どのくらいの間隔で検査を行うべきか、今のところガイドライン等で定められたものはないが、一般的に1〜2年間隔での内視鏡検査が勧められている。また、年齢の上限や、いつまで行うかなども決まったものはないため、患者さんの基礎疾患や年齢、検査の負担などを総合的に判断して、いつまでフォローをするのか決めればよい。

  • 文献概要を表示

初診時に処方してもよいが、大切なことはその原因を鑑別し確定診断を得ること。心筋梗塞の下壁梗塞を「胃が痛い」と訴える患者もおり、その原因疾患により痛みの性質、対処法が違ってくる。効果が得られない場合は適切な検査と診断の見直しを行い、治療を変更していく必要がある。

  • 文献概要を表示

防御因子増強薬の有効性を示すデータは限定的であり、消化性潰瘍(peptic ulcer disease : PUD)や機能性ディスペプシア(functional dyspepsia : FD)の治療では補助的な使用にとどめる。

  • 文献概要を表示

「経過を見る」ならYesかも。しかし「完治を目指す」ならNo! 胃アニサキス症の診断は上部内視鏡検査が必須である。内視鏡医にとっては、内視鏡で虫体を確認した際それを除去せず看過する選択肢はない。すぐに内視鏡検査ができない状況下で「アニサキス症疑い」の場合、検査までの橋渡しのため副腎皮質ホルモン、抗アレルギー薬、胃局所麻酔薬、鎮痙薬、正露丸®などの投与は考慮してよいかもしれないが、治療目標は症状の緩和ではなく、病態の把握と虫体の除去である1)

  • 文献概要を表示

抗菌薬が必要な感染性腸炎は限られ、ルーチンで必要なものではない。感染性腸炎と一括りにしても、原因は細菌性・ウイルス性・寄生虫によるものに大別される。抗菌薬が必要なのは、細菌性腸炎の一部と寄生虫である。患者背景(既往歴や渡航歴など)や環境要因(市中感染か院内感染か)によっても、抗菌薬が必要か否かが変わってくる。

  • 文献概要を表示

クロストリジウム・ディフィシル感染症(clostridioides difficile infection:CDI)の主要な危険因子は、❶高齢、❷長期入院、❸抗菌薬もしくは制酸薬の使用であり、抗菌薬においては、特にセファロスポリン、フルオロキノロン、クリンダマイシンでリスクが高い。抗菌薬はその投与中のみならず、投与終了後もCDIの危険因子となりうるが、そのリスク期間は2週間前後、時に1〜3カ月まで持続することもある。少なくとも1カ月、ハイリスク患者では3カ月までさかのぼって確認できるとよい。

  • 文献概要を表示

急性期のポリープ切除(polypectomy)後の出血は速やかに検査を行い、止血処置をすべきである。2〜3日後に遅発性に出血することがあり、切除後は過度の運動や飲酒は避けるように指導する。通常、大腸内視鏡(CS:colonoscopy)フォローアップの目的は、局所再発、異時性多発ポリープ、癌の合併を確認すること。CSを施行する時期は、切除したポリープの大きさや数、組織学的悪性度によって異なる。日本では各種ガイドラインから概ね次のように考える。❶早期大腸癌あるいは高リスクのポリープでは治療後最初は6カ月後、その後は1年毎、❷腫瘍性ポリープを切除した場合は1〜3年以内、❸ポリープをすべて取り切った場合(clean colon)や非腫瘍性ポリープの場合は3年以上のフォローアップを目安とする1〜3)。日本の治療の時期の考え方は欧米のガイドラインとは少々異なる。

  • 文献概要を表示

本人の「便秘」と考える排便回数、便性状などの症状と、「便秘」の定義のズレがあるか確認しよう。刺激性下剤や高用量の酸化マグネシウム製剤の連用を控え、上皮機能変容薬、浸透圧性下剤を軸に、便秘薬を組み立てよう。

  • 文献概要を表示

まず医原性下痢を除外。医原性下痢が除外され、便に血液、白血球を認める、または便中カルプロテクチン陽性、もしくは血液検査で炎症反応があれば、まず大腸内視鏡検査(CS)を行う。

  • 文献概要を表示

無症状、平均的リスクの健診受診者での腫瘍マーカー測定は有益ではない。

  • 文献概要を表示

肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、健診で初めて異常を指摘される機会も多く、初診時に肝硬変や肝細胞癌の診断に至る場合もある。日常診療で遭遇する肝障害の多くは、脂肪性肝疾患(アルコール性、非アルコール性)および薬剤性肝障害である。一方、健診で初めて診断されるウイルス性肝炎や自己免疫性肝疾患も存在する。肝障害をみた場合には、生活習慣病としてフォローするのか、専門医へ紹介するのかを判断する必要がある。

  • 文献概要を表示

ウルソ®が第一選択となるのは、PBC(primary biliary cholangitis : 原発性胆汁性胆管炎)である。ウルソ®を内服している患者を診たら、内服理由を明らかにしたい。ポリファーマシー対策にも有効だ。

  • 文献概要を表示

IPMN(intraductal papillary mucinous neoplasm:膵管内乳頭粘液性腫瘍)の経過観察は、囊胞径、主膵管径、囊胞内結節の有無により、間隔を症例に応じて決定する。

  • 文献概要を表示

アルコール依存症のスクリーニングを行い、依存症と診断した場合は、早期に専門施設へ紹介し、断酒および飲酒量低減のための治療介入を行う必要がある。

  • 文献概要を表示

急性胆囊炎治療の大原則は、早期の腹腔鏡下胆囊摘出術(laparoscopic cholecystectomy : Lap-C)であり、ガイドライン(Tokyo Guidelines 2018 : TG18)1)では、耐術可能と判断した場合は発症からの時間にかかわらず、早期(可能であれば72時間以内、遅くとも1週間以内)のLap-Cが推奨されている。よって急性胆囊炎と診断した際には、明らかな耐術不能例や一部の例外を除き、基本的には速やかに外科へコンサルトすべきである。しかし一部の症例では、胆囊ドレナージ術が優先される場合があり、その適応を見極めることが内科医にとって重要となる。

  • 文献概要を表示

術後の影響とすぐ伝える前に、常に胆道評価を考える。

  • 文献概要を表示

NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)症例の一部は炎症を伴うNASH(非アルコール性脂肪肝炎)に進展する。肝線維化が疑われる症例は肝発癌や肝硬変への進展のリスクが高く専門医に紹介しよう。

  • 文献概要を表示

HBs抗原はB型肝炎ウイルス(hepatitis B virus:HBV)粒子の表面を覆う蛋白質であり、通常ではHBs抗原が陽性ということは、HBVに感染しているということを意味する。HBV感染は多彩な病態を呈するので、HBs抗原が陽性と判明した時点で専門医に紹介してよいが、折角の機会なので少々踏み込んだ病態精査をしてから診療を依頼できるように整理してみよう。

 

※p. 477 「表2|HBV持続感染者における治療対象(文献1より)」については,2次利用の許諾を得ておりませんので冊子体のみの掲載となります.

  • 文献概要を表示

数多くのC型肝炎ウイルス(HCV)治療薬が開発され、慢性肝炎と代償性肝硬変で100%近いウイルス排除が可能な時代となった。また2019年以降は非代償性肝硬変の患者まで適応が拡大。

  • 文献概要を表示

健診などで偶発的に発見された無症状の胆囊結石には治療適応はないが、充満結石などで胆囊壁の評価が困難な場合や癌の疑いがある胆囊壁肥厚を認める場合には、無症状であっても手術を考慮すべきである1)。また、胆囊結石に伴う症状(胆石発作)を頻回に認める場合や急性胆囊炎合併例は、手術適応となる。手術のタイミングは、急性胆囊炎合併例は耐術可能であれば早期(可能であれば72時間以内、遅くとも1週間以内)の腹腔鏡下胆囊摘出術(laparoscopic cholecystectomy : Lap-C)が推奨されているが2)、胆石発作と考えられる症例では、症状の原因となりうるその他の疾患を除外した後に、待機的手術を考慮する。

  • 文献概要を表示

他疾患を否定したうえで、早期慢性膵炎と診断する場合には、画像検査が必須である。

  • 文献概要を表示

 施設入所中の高齢患者が発熱で救急搬送されてきました。診断は肺炎。さて、お薬手帳を確認したところ、10種類以上の内服薬がありました!

 よく見てみると、消化器病関連薬の多いこと。マグミット®、センノシド®、ネキシウム®、ムコスタ®……。肺炎の治療はもちろん大切ですが、それ以上に、内服理由が不明な薬剤が多く、入院を契機にポリファーマシーの介入をしたいところです。でも、これらの薬、どのように減薬・調整したらよいか悩んでしまうのが実情ではないでしょうか?

『19番目のカルテ』を読んで答える! あなたの“ドクターG度”検定&深読み解説・1【新連載】

  • 文献概要を表示

本連載は総合診療ビギナーの皆さんに、総合診療の楽しさと奥深さを解説することが目的です。漫画『19番目のカルテ』のエピソードを深読みすることにより、総合診療医がどのような根拠に基づいて診断しているのかを理解していただければ幸いです。本連載は『総合診療』×『19番目のカルテ』のコラボ企画で、本誌編集委員の山中克郎先生・徳田安春先生が隔月で作問&解説します!

What's your diagnosis?[220]

  • 文献概要を表示

病歴

患者:71歳、男性

主訴:発熱、皮疹、関節痛

現病歴:2カ月前から発熱、両手・膝・足関節の腫脹と両側下腿の痛みが出現した。2週間前から頸部〜前胸部に皮疹が出現し(図1)、精査目的で入院となった。

ROS陽性:体重減少(-10kg/7カ月)

ROS陰性:悪寒戦慄、盗汗、腰痛、手指の硬化・腫脹、筋力低下

曝露歴:海外渡航・ハイリスクな性交渉・小児との接触歴なし、新規薬剤なし

既往歴:7カ月前:肺癌術後(低分化腺癌、扁平上皮癌)、2カ月前:早期食道癌ESD(内視鏡的粘膜下層剝離術)切除、肺結核(20歳頃)、心房細動

内服薬:エドキサバン30mg、エソメプラゾール10mg、市販の医薬品・サプリメントなし

生活歴:喫煙は1年前まで20本/日×50年、飲酒は1年前まで日本酒2〜4合/日

【エッセイ】アスクレピオスの杖—想い出の診療録・12

1粒のアメ 矢島 つかさ
  • 文献概要を表示

本連載は、毎月替わる著者が、これまでの診療で心に残る患者さんとの出会いや、人生を変えた出来事を、エッセイにまとめてお届けします。

Dr.上田剛士のエビデンス実践レクチャー!医学と日常の狭間で|患者さんからの素朴な質問にどう答える?・13

お餅をのどに詰まらせた 上田 剛士
  • 文献概要を表示

患者さんからのふとした質問に答えられないことはないでしょうか? 素朴な疑問ほど回答が難しいものはないですが、新たな気づきをもたらす良問も多いのではないでしょうか? 本連載では素朴な疑問に、文献的根拠を提示しながらお答えします!

オール沖縄!カンファレンス|レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・52

  • 文献概要を表示

CASE

患者:47歳、女性。

主訴:四肢のしびれ、糖尿病コントロール不良のため紹介で来院。

現病歴:X-2月、徐々に右肩のしびれと疼痛を自覚して近医整形外科受診となった。神経痛との診断で鎮痛薬が処方されたが、効果に乏しかった。この頃から疼痛のため運動量が減ったこともあり、糖尿病コントロールが悪化した。X-1月上旬から両手の指先のしびれと氷水に浸かっているような冷たく感じる感覚を自覚するようになった。X-1月中旬から階段昇降時に脱力と両側腓腹部の疼痛が出現した。症状は増悪傾向で当院救急外来に2回受診したが、いずれも糖尿病性神経症とのことで帰宅となった。X月、症状増悪し歩行困難となり、かかりつけ医ではプレガバリンとロキソプロフェンが処方されたが改善はなかった。さらに症状が進行、屋内での生活も困難となったため、かかりつけ医より当院整形外科(四肢のしびれに関して)と総合内科(糖尿病コントロールに関して)に紹介となった。

既往歴:気管支喘息、高血圧症、糖尿病、睡眠障害、統合失調症、左手手根管症候群手術後。

社会歴:機会飲酒、喫煙20本/日×25年間、独居、無職。

内服薬:メトホルミン500mg 1回1錠・1日3回、カナグリフロジン100mg 1日1錠、テルミサルタン20mg 1日1錠、バイアスピリン100mg 1日1錠、デュラグルチド(持続性GLP-1受容体作動薬)皮下注0.75mg週1回、ロキソプロフェン60mg 1回1錠・1日3回、プレガバリン75mg 1回1錠・1日2回、ケトプロフェンテープ。

家族歴:特記事項なし。

アレルギー歴:特記事項なし。

“コミュ力”増強!「医療文書」書きカタログ・10

  • 文献概要を表示

今月の文書

診療情報提供書

セッティング:診療所→総合病院の整形外科へ紹介(翌日受診)

患者:84歳、女性。糖尿病・陳旧性心筋梗塞で定期通院中。転倒後の疼痛のため夕方に受診し、「橈骨遠位端骨折」の診断で翌日紹介とした。

【登場人物】

桜井:総合診療科1年目専攻医。現在は地域の診療所で研修中。

古津:総合病院に勤務する整形外科医。当日の外来担当。

飛鳥:桜井の指導医。プログラム責任者として定期的に面談している。

研修医Issy & 指導医Hiro & Dr.Sudoのとびだせフィジカル! 聴診音付・4

  • 文献概要を表示

ここは、とある病院の初診外来。研修医Issyは今日もフィジカルマスターのDr. Sudo、そして指導医Hiroと共に、外来研修に打ち込むのであった。

“JOY”of the World!|ロールモデル百花繚乱・15

  • 文献概要を表示

 私は現在、週2日手術を行いながら、小学1年生になる息子の子育てに取り組んでいる脳神経外科医だ(表1)。今回、光栄にも執筆のお話をいただいたが、家庭と仕事を両立させている女性医師も多いなか、私でいいのだろうかという思いもあった。しかし、尊敬する加藤庸子先生(2020年6月号で本欄に執筆)からのご推薦ということで、ご縁に感謝しつつ、徒然に書きつづっていきたいと思う。これから育児と仕事を両立させていく女性外科医やその周囲の方々に、1つのワークライフバランスとして参考になれば幸いである。

「総合診療」達人伝|7つのコアコンピテンシーとその向こう側・4

  • 文献概要を表示

 令和2年12月。軽井沢の抜けるような青空は、徐々に第3波が迫り来るCOVID-19の巨大な波を一瞬忘れさせてくれるようだった。今回筆者が訪ねたのは2020年4月にオープンしたばかりの「ほっちのロッヂ(一口メモ1)」。そこに今回の達人、紅谷浩之先生がいる。紅谷先生は国の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスガイドライン1)」策定委員として、advance care planning(ACP)の日本における愛称が「人生会議」となった過程で大きな役割を果たされた。人の生老病死のプロセスやドラマを深く見つめてこられた紅谷達人の「ほっちのロッヂ」から、今回のテーマ「人間中心の医療・ケア」を考察してみよう。

55歳からの家庭医療 Season 2|明日から地域で働く技術とエビデンス・38

  • 文献概要を表示

 プライマリ・ケア外来診療の教育に関するワークショップを、2021年初頭にリモートで行う機会がありました。今回は、そのワークショップのコンセプトを提示しようと思います。

 現在、僕が関心をもっているのは、疾患の診断や治療に関する指導ではなく、これまであまり言語化されてこなかった領域に関する指導です。以下に、僕の(指導に関する)問題意識を反映したCaseをあげていきましょう。実際のワークショップでは、これらのCaseをめぐって、参加指導医に「どう指導するか?」をディスカッションしてもらいました。

【臨床小説】後悔しない医者|あの日できなかった決断・第13話

空を見させた医者 國松 淳和
  • 文献概要を表示

前回までのあらすじ 今月のナゾ

 専門医試験を控え症例サマリーを作成しにきた田山陽輔と再会し、3年前の症例を回想する筧。全身性エリテマトーデス(SLE)の患者・湯川伶子は来院時は18歳、高校3年生だった。精神症状がひどい時は「創くん…」と彼氏をうわ言のように呼ぶこともあったが、治療が効を奏し順調に回復しているようにみえた。しかし、ステロイドを減量し始めたところで精神症状が増悪、「ステロイド精神病」だと考えた田山と筧が、さらにステロイドを減らすと…。本当は、ステロイドを減量したせいで、「精神・神経ループス」が再燃していたのだ。それを黒野は見抜いた。そして、伶子は19歳の誕生日を迎えようとしていたが…。

 前回は、ステロイドを減らすか増やすか、その分岐点が問われた。「ステロイド精神病」は、特にSLE患者に起こりやすい。しかしSLEに起こりやすい合併症は、それだけではない。退院後の伶子に、今度は何が起こるのか?

#総合診療

#今月の特集関連本❶

#今月の特集関連本❷

#今月の特集関連本❸

#今月の特集関連本❹

#今月の特集関連本❺

#今月の連載関連本

#医学書院の新刊

  • 文献概要を表示

 別冊『呼吸器ジャーナル』として、『COVID-19の病態・診断・治療——現場の知恵とこれからの羅針盤』が出版された。多くの臨床医の興味を引きつけるテーマである。私自身、『呼吸器ジャーナル』の編集・執筆に携わったことがあるものの、これまでとは異なるスタイルの企画であると感じた。

 Ⅰ章ではCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)に関する総論を、Ⅱ章ではCOVID-19を理解するために必要な基礎知識を、Ⅲ章では各論として疫学・診断・治療を示しており、COVID-19診療の基本を学ぶことができる。なかなか見ることができない「病理像」まで紹介されている点には感心した。また、臨床医の関心の高い「ワクチン」の開発状況も参考になった。

--------------------

目次

『総合診療』編集方針
  • 文献概要を表示

 1991年に創刊した弊誌は、2015年に『JIM』より『総合診療』に誌名を変更いたしました。その後も高齢化はさらに進み、社会構造や価値観、さらなる科学技術の進歩など、日本の医療を取り巻く状況は刻々と変化し続けています。地域医療の真価が問われ、ジェネラルに診ることがいっそう求められる時代となり、ますます「総合診療」への期待が高まってきました。これまで以上に多岐にわたる知識・技術、そして思想・価値観の共有が必要とされています。そこで弊誌は、さらなる誌面の充実を図るべく、2017年にリニューアルをいたしました。本誌は、今後も下記の「編集方針」のもと、既存の価値にとらわれることなく、また診療現場からの要請に応え、読者ならびに執筆者のみなさまとともに、日本の総合診療の新たな未来を切り拓いていく所存です。

2018年1月  『総合診療』編集委員会

読者アンケート

次号予告

『総合診療』バックナンバーのご案内

お得な年間購読のご案内

基本情報

21888051.31.4.jpg
総合診療
31巻4号 (2021年4月)
電子版ISSN:2188-806X 印刷版ISSN:2188-8051 医学書院

前身誌

文献閲覧数ランキング(
4月5日~4月11日
)