【臨床小説】後悔しない医者|あの日できなかった決断・第13話
空を見させた医者
國松 淳和
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1医療法人社団永生会 南多摩病院 総合内科・膠原病内科
pp.532-538
発行日 2021年4月15日
Published Date 2021/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203133
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前回までのあらすじ 今月のナゾ
専門医試験を控え症例サマリーを作成しにきた田山陽輔と再会し、3年前の症例を回想する筧。全身性エリテマトーデス(SLE)の患者・湯川伶子は来院時は18歳、高校3年生だった。精神症状がひどい時は「創くん…」と彼氏をうわ言のように呼ぶこともあったが、治療が効を奏し順調に回復しているようにみえた。しかし、ステロイドを減量し始めたところで精神症状が増悪、「ステロイド精神病」だと考えた田山と筧が、さらにステロイドを減らすと…。本当は、ステロイドを減量したせいで、「精神・神経ループス」が再燃していたのだ。それを黒野は見抜いた。そして、伶子は19歳の誕生日を迎えようとしていたが…。
前回は、ステロイドを減らすか増やすか、その分岐点が問われた。「ステロイド精神病」は、特にSLE患者に起こりやすい。しかしSLEに起こりやすい合併症は、それだけではない。退院後の伶子に、今度は何が起こるのか?
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