日本糖尿病教育・看護学会誌 14巻1号 (2010年3月)

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 本研究の目的は,1型糖尿病をもつ子ども/青年のQOLに,親のQOLや血糖コントロール等の要因がどのように関連しているかを明らかにし,看護援助への示唆を得ることである.小学校3年生以上22歳までの1型糖尿病をもつ子ども/青年474名とその親を対象に,子ども/青年の「生活の満足度:HR-QOL」と「糖尿病に関連した満足度:DR-QOL」,「親の生活の満足度:PDQOL」,「親の糖尿病と疾患管理の負担」,「親の糖尿病管理へのかかわり」,HbA1c,罹病期間,年齢について回答を求めた.各変数の相関関係を検討しながらパス解析を行い,モデル適合度判定に基づきモデルを修正した.その結果,小中学生の子どもでは,子どもの年齢と「生活の満足度:HR-QOL」,「親の糖尿病管理へのかかわり」のパスが有意であり,年齢が高いほど生活の満足度は低下し,親のかかわりは減少した.また,「親の生活の満足度:PDQOL」,「親の糖尿病と疾患管理の負担」,「親の糖尿病管理へのかかわり」間には有意なパスがあり,加えてこれらの親の各変数から子どもの「生活の満足度:HR-QOL」へのパスも有意であった.HbA1cは,「親の糖尿病と疾患管理の負担」とのみ有意なパスがみられた.一方,高校生以上の青年においては,年齢および青年の「生活の満足度:HR-QOL」,「親の糖尿病管理へのかかわり」間のパスは有意ではなかった.HbA1cは,「親の糖尿病と疾患管理の負担」と青年の「生活の満足度:HR-QOL」に有意なパスがみられた.修正したモデルの適合度は高く,1型糖尿病をもつ子ども/青年と親のQOLおよびHbA1cの関連が検証され,子ども/青年と親のQOLを高める看護援助への示唆が得られた.

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 本研究の目的は,糖尿病患者に身体の心地よさに働きかける看護援助を行い,セルフケアを視点とした自己を取り巻く生活や身体に対する認識や思いを中心に,どのような反応が得られるのかを明らかにし,本看護援助の意義について考察することである.

 セルフケアに向き合えないでいると捉えられる外来通院中の成人糖尿病患者6名を対象に,看護援助を行いつつ対象者の言動をデータ収集し質的に分析した.

 その結果,【マッサージの場による研究者との居心地の良い距離感】【自分の身体や病気に掛り合う家族支援や自分なりの尽力】【病気がもたらすやるせなさ】【自分の身体を巡る探究】【身体に重きを置いていない生活の省察】【心身が癒されるマッサージの場によって,自らを癒す力が引き出される】の6つの反応が明らかとなった.

 以上より,身体を接点にマッサージを介して「心地よさ」に働きかけた看護援助の場は,あるがままの自己の吐露から自己の身体の探究・省察へ,そして自らを癒す力が引き出されていたと考えられ,患者自身が自分の身体に対する応答性を高めていくかかわりとして,糖尿病患者のセルフケアへの援助の一環として位置づけられることが示唆された.

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 本研究は,北陸地方の看護師が行う糖尿病ケアの実態を「教育スタイル」の視点から明らかにする目的で,看護師の糖尿病教育スタイル自己評価票を用いた調査を,すでに報告した全国調査と同様の方法で行った.その結果,400の有効回答より,自己評価による看護師の糖尿病教育スタイルは,〔一般的知識を提供するスタイル〕〔心に密着するスタイル〕〔生活心情がみえているスタイル〕の3スタイルに識別された.また,一般性自己効力感の得点は,それぞれ5.19,6.63,7.92であり,〔生活心情がみえているスタイル〕で最も高く,3スタイル間に統計学的な差がみられた(p<0.05).この結果を,全国調査の結果と比較すると,全国では混在していた〔生活心情がみえているスタイル〕と〔心に密着するスタイル〕が,北陸地方では明確にこの2スタイルに識別されたことに特徴がみられた.このことより,北陸地方の看護師へは,自己の教育スタイルを分析し内省させるような教育介入の活用可能性が示唆された.

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 訪問看護を利用する後期高齢糖尿病患者(以下,利用者と略す)のセルフケア上の問題状況と看護を明らかにすることを目的に,5名の訪問看護ステーション看護師に半構成的面接調査を行った.その結果,セルフケア上の問題状況として,【不安定な体調やセルフケア状況で生活をしている】など5つの利用者側の問題状況,【家族に介護負担が生じやすい】など2つの家族側の問題状況,【同・他職種との連携が難しい】など3つの医療者側の問題状況が抽出された.また,看護として,【利用者・家族の在宅での生活の継続を支えるための看護】,【利用者の活気や意欲を高めるための看護】,【利用者・家族の生活と折り合いのついた適切な糖尿病のセルフケアを支えるための看護】が抽出された.これらの結果から,訪問看護では,利用者側,家族側,医療者側の問題状況が重なり,より複雑で解決が難しいこと,利用者と家族のセルフケアを支援するために,【利用者・家族の在宅での生活の継続を支えるための看護】を基盤とし,徐々に他の2つの看護を行うことが重要であることが示唆された.

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 第4回全国ヤングDMカンファレンスで実施したグループディスカッションの内容を分析し,青年期以降の1型糖尿病患者が抱える課題を明らかにした.患者の抱える課題には,【自己の身体的コントロールに対する課題】,【成長とともに顕在の可能性がある課題】,【社会生活を営む上で生じる課題】,【社会資源・保障における課題】,【社会的理解に対する課題】,【活動する仲間や後継者育成に対する課題】の6つの課題が見いだされた.発症年齢・罹病期間によって抱える課題には特徴がみられ,小児期発症患者では,進路や結婚といった青年期特有の発達課題が示された.同時にサマーキャンプにおける自己の役割や,後継者の育成方法の模索といった社会へ向かう力への意識が強かった.一方で思春期以降に発症した患者では,疾患の自己管理に直結する課題に関心が高い傾向がみられた.

 今後,発症時期の異なる患者同士の交流をすすめ,体験の共有による問題解決を導くシステム構築の必要性が示唆された.

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 妊娠糖尿病と診断された妊婦は,胎児への影響を心配しつつ,現状を受け入れ,自己管理を続けている.そのため,妊娠糖尿病と診断をされた妊婦が,どのように自己管理行動を習得し,どのような気持ちで過ごしていたのか,把握されていない現状がある.

 そこで,過去3年間に妊娠糖尿病と診断され,入院を経験した7名の妊婦の診療録,看護記録の訴えを元に振り返りをした結果,曖昧な知識から非効果的な自己管理行動をとる傾向があるが,自ら積極的に効果的な方法を見つけ出す傾向があることや情緒の安定を図りながら自己管理行動を続けている現状を明らかにすることができた.

 そして,看護師の役割として,信頼関係を築き,相互協力して実践的な知識を深められる関係を目指すことが必要であると見出すことができた.

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 妊娠糖尿病患者は,比較的療養行動がスムーズにとれると言われている.今回,妊娠中期に初めて糖尿病と診断されたA氏と関わった.A氏は,インスリン注射や自己血糖測定の手技を習得することができていたため,問題なく経過しているように見えた.しかし,筆者は「何か変」と違和感を感じた.「何か変」と思ったことに対してA氏の話を聴いていくうち,今行っているインスリン注射や血糖自己測定が,妊娠糖尿病という病気と結びついていないことがわかった.そこで,A氏が今何を思ってどう考えているのかを探り,A氏のニードに合わせた情報提供を行った結果,A氏は妊娠糖尿病を理解し,前向きに療養行動に臨むことができた.「何か変」と思った自分の直感を信じて患者に向き合うこと,患者が行動化できているからといって,疾患を受容し,気持ちがいつも前向きにあるわけではないということを学ぶことができた.

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1.はじめに

 平成20年4月に,外来での糖尿病看護に関わる新たな診療報酬として「糖尿病合併症管理料」(170点,1回30分以上)が新設された.この診療報酬評価の基本的な考え方は,「糖尿病患者の増加に伴い,糖尿病網膜症,糖尿病腎障害,糖尿病神経障害,糖尿病足病変,糖尿病大血管症の重症な合併症の発症を予防することは重要な課題となっている.これらの合併症のうち,『糖尿病足病変』については,重点的な指導による合併症防止効果があるため,評価を行う.」ものであり,具体的な内容は,「糖尿病足病変ハイリスク要因を有する患者に対し,専任の医師又は医師の指示に基づき専任の看護師が,重点的な指導・管理を実施した場合の評価を新設する」というものである(平成20年度診療報酬改定における主要改定項目について(案),p32).

 この診療報酬の評価の獲得に関しては,日本糖尿病教育・看護学会(以下,本学会)の特別委員会「糖尿病に強い看護師育成支援委員会(平成18・19年度)」(特別委員会「糖尿病に強い看護師育成支援委員会」活動報告,2008)が,その後の算定要件の充足に向けては,今期の特別委員会「糖尿病重症化予防(フットケア)研修推進委員会(平成20~23年度)」がそれぞれ中心となって活動した.

 本稿では,「糖尿病合併症管理料」について,算定対象,算定要件等を紹介したうえで,本学会が2期にわたって設置した2つの特別委員会活動の経緯および活動の実際を記録としてとどめ,今後の糖尿病教育看護に関わる新たな診療報酬評価に向けての活動に資することを目的とする.

第14回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 ●会長講演

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はじめに

 私が糖尿病教育・看護に携わり始めたのは,内科病棟に異動となった1992年であった.既に,そこでは,看護師と栄養士による糖尿病教室が運営され,熱心に取り組んでいた.しかし,糖尿病教室の担当看護師は参加者の学習意欲をどのようにすると高めることができるのか悩んでいた.また,再入院してくる患者は,糖尿病による生活への影響を調整できず,自尊感情も低い傾向にあると感じた.内科病棟に異動となった当初において,私のこれらの課題解決への取り組みは,プロフェッショナルな看護師を育成するという漠然としたものであった.糖尿病教室担当者であるスタッフ,医師をはじめとした他のチームメンバーと共に,1994年に多職種参加による糖尿病教育入院システム(以後,教育入院と略す)を設立し,運営するうちに,次第に,真の課題解決は,患者自身に力をつける看護師の専門的なサポート力の育成ではなかと考えるようになった.

 今回,その考えからスタートした私の今までの糖尿病看護におけるプロフェッショナルとしてのチャレンジと人材育成についての支援について述べる.

第14回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 ●教育講演1

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1.患者教育に必要なProfessional Learning Climate

 ひとは皆「自己実現」に向かって生きている.そして自分らしく輝きたいと願っていると思う.生きていく中では,楽しいことや嬉しいこと,困難事や死別などさまざまな経験をする.そしてその都度,目の前の出来事に対峙しながら生きていかなければならないのが人生ではないかと考えている.Miller(1991)は,慢性疾患は完全な治癒が望めないことから生涯にわたるセルフケアが必要とされ,そのために慢性疾患患者は希望がないという気持ちhopelessnessや自分ではどうにもならない無力感powerlessnessを抱きやすいと述べている.糖尿病は慢性疾患の代表的な病気であり,糖尿病患者は自身の健康状態をマネジメントする必要がある.生活者として,どのように病気の療養と折り合いを付けながら自分らしい人生を歩んでいくかが糖尿病患者の課題と言えよう.糖尿病看護の専門家は,そうした患者のセルフマネジメントの支援をしていくことが仕事である.

 「看護の教育的関わりモデル」(図1)は,河口ら(2001,2005)が文部科学研究費の助成を受けて開発しているモデルであり,看護職者の教育実践力を高めることを目的に,熟練看護師の高度な教育実践を可視化したモデルである.このモデルは,「人は①主体的な存在である,②一人ひとりは異なっている,③自分自身で変わる存在である」という人間観に基づいている.このモデルにおいて看護職者は,患者と相互主体的に関わりあいながら,患者の生活者としての価値観を尊重し,看護の専門的能力を駆使して,生活と健康を支援する.このモデルは,「とっかかり/手がかり言動とその直感的解釈」「生活者としての事実とその意味のわかち合い」「疾患・治療に関する知識・技術の看護仕立て」「協同探索型関わり技法」「患者教育専門家として醸し出す雰囲気」の5つの概念で構成される.

第14回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 ●教育講演2

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はじめに

 卓越したケアの実践は,どのように特徴づけられるのか.そうした実践は,長期間実践に携わることで自然にもたらされるものなのか.看護職は「実践から学ぶ」と言われてきたが,果たしてその本質はどのようなことなのか.

 こうした『問い』に多くの示唆を与えてくれたのがD.Schön注1)の著書(1983)であった.そこには,「技術的合理性(technical rationality)」の枠を脱却した「反省的実践家(Reflective practitioner)」の姿が描かれており,実践を通して学び成長し続ける看護職の姿と重ねあわせることができた.同時に,かつての自身がそうであったように,日々流されていく現実に不安を抱きつつもどうすればよいのか困惑している看護職に,自身の看護実践を捉えなおす視点を提示できないものかと考えるようになった.これが,「看護における反省的実践」探究の始まりである.

第14回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 ●シンポジウム1

糖尿病教育・看護の未来に向けた人材育成

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 本学術集会は,川口洋子学術集会長の臨床家としての優れた糖尿病看護実践と,後輩を育成する力をヒントに,個人が有する患者や家族に対する看護実践上の知識や技術を,意図的に次世代を担う個人に伝えることの大切さと戦略を共有し,ひいてはわが国の糖尿病教育・看護の質を向上させることを願い,企画された.

 そこで本シンポジウムでは,糖尿病の教育・看護・医療の場において,次世代の人材育成に積極的に取り組んでいる3名のシンポジストの方々に,それぞれの立場から,人材育成への取り組みや考え方を紹介していただいた.

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はじめに

 残念なことに糖尿病患者に対し,苦手意識をもつ看護師は少なくない.糖尿病は,少し前まで世間では「ぜいたく病」という代名詞で知れ渡り,それを訂正するかのごとく医療の世界においては「生活習慣病」と位置づけられたが,「生活習慣病」=「好き勝手に暮らした結果」「コントロールが悪く入退院のくりかえし」「合併症を併発するまで放っておいて」などという印象を抱かせている.当院の菊永恭子が行った院内の糖尿病看護に関する卒後教育の学習経験が少ない看護師への調査結果においても,「患者に対する否定的感情や苦手意識」「苛立ち」などを覚える,という嬉しくない結果であった.そのような中で当院の糖尿病看護の質の底上げを図るべく,取り組んできた過程を振り返った.

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 現在,東京都の人口は約1280万人であり,その中で西東京地域(多摩地域)には約435万人が住んでいる.厚生労働省「2007年国民健康・栄養調査」より西東京地域の糖尿病患者を算出すると約28万人と推定されるが,これに対して西東京地域の糖尿病専門医数は77名しかおらず,専門医一人あたり約3700人の患者をみなければならない現状がある.これらは日本全国平均が約2200人であることを考えると,西東京地域の糖尿病治療は決して恵まれた環境にあるとはいえない.さらに糖尿病患者の多くは糖尿病非専門施設で治療されており,年々増え続ける糖尿病患者に対してすべての治療を糖尿病専門施設だけで行うのは不可能である.そうした中で,糖尿病領域の認定制度は日本糖尿病療養指導士を始め,地域認定の糖尿病療養指導士,糖尿病認定看護師等があるが制度発足から10年近くが経過し,今後は世代交代のみならず糖尿病非専門施設のスタッフも視野に入れた人材育成を考えなければならない.そこで,現在東京地域で行われている人材育成の試みをいくつか紹介する.

 一つ目は,二次医療圏における人材育成の試みである.西東京地域の地域医療連携としてNPO法人西東京臨床糖尿病研究会がある.この研究会では,④糖尿病治療に関するスキルアップができる連携,⑤全ての糖尿病治療に係る人の和と輪を話で結ぶ連携をコンセプトに人材育成の試みが実施されており,西東京地域では糖尿病における治療方針の標準化は何らかの形で進んでいる.しかしながら,参画する施設のスタッフの療養指導に関する専門知識には差があるため,この差を縮めることが指導内容の標準化にもつながると考えている.そのような中,人材育成に関して,1)糖尿病患者指導にこれから関わりたい医療スタッフ対象の研修事業,2)地域糖尿病療養指導士認定取得のための認定事業,3)糖尿病療養指導士を対象としたアドバンス研修事業がある.これらは,糖尿病非専門施設の医療スタッフも対象とした事業であり,地域に貢献できる糖尿病療養指導士の育成にも力を注いでいる.

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1.中堅看護職のキャリア開発上のニーズと『日々の実践』

 所属する看護実践研究指導センターは,看護の実践的課題の共同研究や現任の看護職への教育研修を実施する全国共同利用施設の機能をもつ.研修事業の1つである「看護学指導者研修」の受講者は,多くが病棟でリーダー的役割を担い,同僚や看護管理者からたよりにされ,責任を感じながらも負担感を感じ,疲弊している者もいる.しかし,受講を通してブレイクスルーともいえる変化を体験しており,その体験を明らかにする研究結果を紹介し,糖尿病・教育看護における人材育成について述べたい.

 「看護学指導者研修」は,看護学生の看護実践を直接指導する看護学教育指導者として必要な実践的指導能力を高め,臨地における看護学教育の充実を図ることを目的とする文科省委託の研修である.看護系大学の臨地実習を受けている病院の実務経験5年以上の看護師を対象とした約3ヶ月の研修である.内容は,講義・演習(対人関係,人間発達論,看護教育,看護管理,看護継続教育,プレゼンテーションなど)であり,さらに学部学生の実習・学内演習への参加(学生や教員への理解を中心とする)と研修後に自施設で実施する計画立案を行い,研修終了後約6ヶ月の時点で成果報告会を実施している.

第14回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 ●シンポジウム2

糖尿病看護に質的変化をもたらすケア

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 第14回日本糖尿病教育・看護学会学術集会のテーマは,糖尿病看護の実践を拓く―プロフェッショナルとしてのチャレンジと人材教育―である。本シンポジウムは,実践の場で,プロフェッショナルとして糖尿病看護の実践を拓いてきた4名の方々にご講演をいただいた。

 これまで,ご自身のフィールドで,実践をどのように拓き,積み上げてきたのか,そして,その結果,糖尿病看護にどのような質的変化をもたらしたかについて,紹介していただいた。

外来看護でできること 松永 京子
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はじめに

 近年,高齢化社会,医療技術の急激な進歩,在院日数の短縮化などにより外来患者の重症化が生じている.このような現状において外来看護師には,外来受診時の限られた時間に良質で有益なより専門性の高い看護ケアの提供が求められている.

 今回のテーマにおいて,私自身が現在携わっている大規模臨床研究「2型糖尿病患者を対象とした血管合併症抑制のための強化療法と従来治療とのランダム化比較試験(J-DOIT3)」での看護実践から外来看護における質的変化をもたらすケアについて考える.

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1.質的変化をもたらすケアを考えるとき誰を基準にして「質的変化」といえばいいのだろうか

 透析を受けている患者さんからある機会にお手紙をいただいた.そこには「患者仲間とよく話すのは,医師や看護師に話したいことや要望があっても言えない」,その理由は「体調が悪くなったときに,意地悪されたり手抜きをされるのではないかが心配だから」とのことであった.また,透析を受けているそばで,「責任は取りたくないなど公言し,緊張感が弛緩している状態に良く出会う.人手不足が常態化している地域では仕方ないのか」と書かれていた.

 これらの言葉は現実として私に重くのしかかる.ここには透析なしでは生きられない事実や医療施設を変えたくても利便性などから変えられない現実などが浮かび上がる.また,人手不足の常態化という医療側の現実と看護師の漫然とした仕事ぶりが想像でき,つらさを覚える.しかし,これは他人事ではなく,“私自身,患者と向きあうときに同じようなことをしていないか”と襟を正さずにはいられない.

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 当訪問看護ステーションは,糖尿病および生活習慣病の予防と療養指導に特化したステーションである.全国的にはターミナルケアや難病の看護に特化したステーションがあるが,糖尿病患者数の増加や高齢化社会において,糖尿病療養の専門知識・技術に対する需要の高まりを感じ,また地域社会に貢献したいという理念で,平成17年12月に設立したステーションである.

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 食事療法は,患者自身が継続的に実行して初めて成立するものであり,患者自身の最大限のエンパワーメントを引き出すアプローチが栄養管理においても必要であると考えます.

 われわれ管理栄養士は,栄養相談の場面で患者様のナラティブを傾聴し,共有していくなかで患者自身が自由に語れ,本音の対話ができる関係づくりをめざしています.

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日本糖尿病教育・看護学会誌投稿規定
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理事会・評議員会・総会報告
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日本糖尿病教育・看護学会会則
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編集委員(Editorial Board)
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編集後記
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基本情報

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日本糖尿病教育・看護学会誌
14巻1号 (2010年3月)
電子版ISSN:2432-3713 印刷版ISSN:1342-8497 日本糖尿病教育・看護学会

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