第14回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 ●シンポジウム2
糖尿病看護に質的変化をもたらすケア
「糖尿病をもちながら社会で生きていく」を援助する
東 めぐみ
1
Megumi Higashi
1
1駿河台日本大学病院
1Nihon University Surugadai Hospital
pp.94-96
発行日 2010年3月26日
Published Date 2010/3/26
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
1.質的変化をもたらすケアを考えるとき誰を基準にして「質的変化」といえばいいのだろうか
透析を受けている患者さんからある機会にお手紙をいただいた.そこには「患者仲間とよく話すのは,医師や看護師に話したいことや要望があっても言えない」,その理由は「体調が悪くなったときに,意地悪されたり手抜きをされるのではないかが心配だから」とのことであった.また,透析を受けているそばで,「責任は取りたくないなど公言し,緊張感が弛緩している状態に良く出会う.人手不足が常態化している地域では仕方ないのか」と書かれていた.
これらの言葉は現実として私に重くのしかかる.ここには透析なしでは生きられない事実や医療施設を変えたくても利便性などから変えられない現実などが浮かび上がる.また,人手不足の常態化という医療側の現実と看護師の漫然とした仕事ぶりが想像でき,つらさを覚える.しかし,これは他人事ではなく,“私自身,患者と向きあうときに同じようなことをしていないか”と襟を正さずにはいられない.
Copyright © 2010, Japan Academy of Diabetes Education and Nursing. All rights reserved.