Japanese
English
実践報告
腎疾患を併発した2型糖尿病女性の調理に向き合う実践作業
Practice daily cookings for a type 2 diabetes woman with a chronic kidney disease
太田 晴美
1
Harumi Ohta
1
1白山石川医療企業団公立つるぎ病院
1Tsurugi Hospital
キーワード:
腎疾患
,
PAID
,
行動変化
,
調理実践
Keyword:
腎疾患
,
PAID
,
行動変化
,
調理実践
pp.35-40
発行日 2016年3月30日
Published Date 2016/3/30
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本研究は,2型糖尿病に紫斑性腎炎を併発した事例において,調理に向き合う実践作業を取り入れることによる行動変化を支援した報告である.糖尿病に紫斑性腎炎を併発すると,主な食行動が,エネルギーコントロール食から腎臓食へと変化する.昨今,蛋白制限の是非について検討されている(金崎・古家,2011)ところではあるが,糖尿病に腎障害を併発すると,エネルギーコントロール食から腎臓食へと食事療法の内容は変化する.本研究の対象患者は入院により血液データの改善がみられたことから,食事療法が重要な事例であった.しかし,本事例は食事療法以外にも多くの課題に直面しており,新たな食事指導は患者にさらなる負担を強いることが想定され,心理面のサポートが重要課題であった.
そこで,糖尿病看護認定看護師は糖尿病チームの作業療法士にPAID(感情負担度測定尺度)の実施を依頼し,患者の感情負担度を確認しながら,調理実践を取り入れたところ,患者に食事だけでなく,将来の仕事のことまで考える言動の変化があった.指導内容が患者の療養の実践に結びつくためには,患者自身が体験を通して考えることが有効であった.
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