第14回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 ●会長講演
糖尿病看護へのプロフェッショナルとしてのチャレンジと人材育成
川口 洋子
1
Yoko Kawaguchi
1
1元北海道大学病院 看護部
1Farmer Hokkaido University Hospital Nursing Depatment
pp.70-74
発行日 2010年3月26日
Published Date 2010/3/26
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
私が糖尿病教育・看護に携わり始めたのは,内科病棟に異動となった1992年であった.既に,そこでは,看護師と栄養士による糖尿病教室が運営され,熱心に取り組んでいた.しかし,糖尿病教室の担当看護師は参加者の学習意欲をどのようにすると高めることができるのか悩んでいた.また,再入院してくる患者は,糖尿病による生活への影響を調整できず,自尊感情も低い傾向にあると感じた.内科病棟に異動となった当初において,私のこれらの課題解決への取り組みは,プロフェッショナルな看護師を育成するという漠然としたものであった.糖尿病教室担当者であるスタッフ,医師をはじめとした他のチームメンバーと共に,1994年に多職種参加による糖尿病教育入院システム(以後,教育入院と略す)を設立し,運営するうちに,次第に,真の課題解決は,患者自身に力をつける看護師の専門的なサポート力の育成ではなかと考えるようになった.
今回,その考えからスタートした私の今までの糖尿病看護におけるプロフェッショナルとしてのチャレンジと人材育成についての支援について述べる.
Copyright © 2010, Japan Academy of Diabetes Education and Nursing. All rights reserved.