実践報告
妊娠糖尿病患者の動機づけ,疾患の受容と行動の相違―「何か変」と感じた関わりを通して
桐生 史江
1
,
滝澤 直美
2
,
森 加苗愛
3
Fumie Kiryu
1
,
Naomi Takizawa
2
,
Kanae Mori
3
1藤沢市民病院
2元日本看護協会看護研修学校
3日本看護協会看護研修学校
1Fujisawa City Hospital
2Former, Institute for Graduate Nurses, Japanese Nursing Association
3Institute for Graduate Nurses, Japanese Nursing Association
キーワード:
妊娠糖尿病
,
行動化
,
直感
,
動機づけ
,
違和感
Keyword:
妊娠糖尿病
,
行動化
,
直感
,
動機づけ
,
違和感
pp.53-56
発行日 2010年3月26日
Published Date 2010/3/26
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妊娠糖尿病患者は,比較的療養行動がスムーズにとれると言われている.今回,妊娠中期に初めて糖尿病と診断されたA氏と関わった.A氏は,インスリン注射や自己血糖測定の手技を習得することができていたため,問題なく経過しているように見えた.しかし,筆者は「何か変」と違和感を感じた.「何か変」と思ったことに対してA氏の話を聴いていくうち,今行っているインスリン注射や血糖自己測定が,妊娠糖尿病という病気と結びついていないことがわかった.そこで,A氏が今何を思ってどう考えているのかを探り,A氏のニードに合わせた情報提供を行った結果,A氏は妊娠糖尿病を理解し,前向きに療養行動に臨むことができた.「何か変」と思った自分の直感を信じて患者に向き合うこと,患者が行動化できているからといって,疾患を受容し,気持ちがいつも前向きにあるわけではないということを学ぶことができた.
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