Japanese
English
研究報告
成人期発症1型糖尿病患者の療養体験に関する研究
A study on treatment experience for adult type 1 diabetes mellitus
高樽 由美
1
,
藤田 佐和
1
Yumi Takataru
1
,
Sawa Fujita
1
1高知県立大学看護学部
1Kochi Prefectural University School of Nursing
キーワード:
成人期発症1型糖尿病
,
療養体験
Keyword:
成人期発症1型糖尿病
,
療養体験
pp.201-209
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
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本研究は,成人期発症1型糖尿病患者の療養体験を明らかにし,1型糖尿病とともに生きる患者の療養を支えるための方法を検討することを目的に,患者会に参加した13名の1型糖尿病患者の語りを質的帰納的に分析した.その結果,【病気がわからないことに対する不安】【試行錯誤しながら療養に取り組む】【療養と折り合いをつける】【社会生活の中で療養することの困難さ】【将来の見通しの曖昧さ】の5つのコアカテゴリーが抽出された.1型糖尿病患者は,発症,診断時の【病気がわからないことに対する不安】から,時間の経過や療養体験を積み重ね,【試行錯誤しながら療養に取り組む】ようになり,【療養と折り合いをつける】という経過を辿っていた.成人期発症1型糖尿病患者の療養は,病気を患う前の社会生活を継続するために実行されていることが明らかになった.社会生活を維持することができるよう,療養体験の時期に応じた支援の必要性が示唆された.
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