LiSA 22巻1号 (2015年1月)

徹底分析シリーズ 痛み治療の素朴な疑問に答えます1

巻頭言 奥田 泰久 , 馬場 洋
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痛みは生理的感受性と心理的反応性が交差する複雑な主観的訴えである。同じ病態でも,個々の患者の痛みの訴えおよび治療に対する反応が大きく異なるのは,臨床でしばしば認められることであり,動物実験の結果が臨床で有益な情報としてしばしば認められないのは当然である。

 最近の基礎研究,臨床研究において,痛みに関する機序の解明,診断,治療などの進歩は目覚ましいが,年々高まる根拠にもとづく医療(EBM)重視の傾向において,例えば薬物療法以外に医学的証拠が得られ難い痛みの治療法(神経ブロック療法,東洋医学的治療,理学療法,心理療法など)の対応について,何が正しくて何が過ちなのか,臨床の現場で各医師が抱く疑問は少なくないと考える。以前ある学会で,発表に関しての純粋な疑問を質問した若い医師に対して,著名な演者がかなり感情的に「そんな愚かな質問をするな」と言わんばかりに一方的に質疑応答を打ち切ったことがあった(筆者には質問は単純に核心に迫るものであったが,演者にはそれを議論することは自身の発表内容を否定することになると考えたように見えた)。臨床の現場においても,似たようなことが,きわめてまれだがいまだに生じているとの話を聞くことがあり,誠に残念である。

 本徹底分析は,痛みの臨床および研究を開始したばかりの医師たちが,痛みに関して素朴に感じるであろう疑問に対して,その分野の専門家が参考になり得る回答を用意した。専門性の高い記述は避け,なかには現時点では明確にできないものもあるが,可能なかぎり丁寧な回答を示した。

 本特集で一人でも多くの医師および医療関係者,特に素朴な疑問を容易に解決できない環境にいる方々が,痛みに対して少しでも理解を深め,知識を得られれば幸いである。

徹底分析シリーズ 痛み治療の素朴な疑問に答えます

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現在,日本で使用できるオピオイド貼付薬は3日型フェンタニル製剤であるデュロテップMTパッチ,1日型フェンタニル製剤のワンデュロパッチとフェントステープ,7日型ブプレノルフィン貼付薬であるノルスパンテープがある(図1,表1)。

 それぞれに一長一短があるが,まずは貼付薬全般の利点を確認しよう。

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2012年に日本整形外科学会と日本腰痛学会の監修により「腰痛診療ガイドライン2012」1)が出版された。腰痛に対するガイドラインは,日本整形外科学会では初めてであり,新聞や雑誌でも取り上げられ,大きな反響があった。しかし,実際に腰痛患者の診療に携わっている医師から「実臨床と合わない」「患者から質問を受けて戸惑うことがある」などの意見も寄せられる。ガイドラインは,絶対これを守らなければならないといったものではなく,現時点でのエビデンスをまとめたものであり,特に頻繁に腰痛患者を診ない一般臨床医を対象に,診療の参考になるように作成されている。ガイドラインの内容は踏まえておくべきであるが,実際に患者を治療する医師はどのようにこれを活用すればよいのか。この点に関して,ガイドラインのクリニカルクエスチョン(CQ)と筆者が行っている患者説明の内容を入れて,筆者なりの意見を述べる。

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高齢者の膝痛の原因の多くが変形性膝関節症(膝OA)であり,薬物療法として非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服や湿布,ヒアルロン酸の関節内注入などが行われていることが多い。それと並行して大腿四頭筋訓練などの運動療法やホット・パックなどの温熱療法,また,いわゆる「電気」と呼ばれる物理療法などもよく行われている。患者によっては,テレビのCMなどで有名なグルコサミンの内服を行っていることもある。このような治療法が今まではどこでも行われていた。ところが,そのような治療法に国際的なガイドラインが待ったをかけた。

 2013年6月米国整形外科学会American Academy of Orthopaedic Surgeons(AAOS)は膝OAに関するガイドラインを改訂した1)。主な変更点の一つは「ヒアルロン酸の関節内注入は膝OA治療法として推奨されない(推奨度:強)」である。また国際変形性関節症学会Osteoarthritis Research Society International(OARSI)でも,ヒアルロン酸関節内注入に否定的な見解2)となった。このように,海外ではヒアルロン酸の関節内注入が推奨されていないことを知らない日本のペインクリニシャンは多いと思われる。今まで行われてきたヒアルロン酸の関節内注入は本当に推奨されないのであろうか?また,グルコサミンの内服は本当に効くのであろうか?

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トラマドールはμオピオイド受容体完全作動作用とセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害作用が協調的に働いて鎮痛効果を発揮する。侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛のいずれにも有効で,オピオイド鎮痛薬に対する精神依存の形成も少ない。本稿では,日本で承認されている3剤型について,それぞれの特徴とそれを踏まえた使い方を概説する。

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アセトアミノフェンは静脈内投与薬も臨床使用されるようになり,剤型も豊富で幅広い適応症を有する便利な薬物である。長年にわたり安全に使用されてきた実績があり,年齢を問わず解熱鎮痛目的に処方されている。安全な薬だからこそover-the-counter(OTC)薬として手軽に入手でき,かつ医療用オピオイドとの配合薬として汎用されるわけである。それが偶発的あるいは患者の意図的な過量投与につながり,通常では起こり得ない肝毒性の原因となってしまうこともある。日本ではOTC薬や配合薬の種類も米国などと比べてまだ少ないため,患者管理はしやすいと思われるが,過量投与の危険性については認識しておく必要があろう。

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本来は鎮痛薬ではない薬が,慢性痛に対して鎮痛作用を発揮する場合がある。抗うつ薬はその代表的なものである。例えば読者は,抗うつ薬を術後鎮痛のために使うことはないであろう。しかし,抗うつ薬は神経障害性痛の薬物療法には第一選択であり,がん性痛に対しても鎮痛補助薬として使用されている。具体的には,古くからある三環系抗うつ薬tricyclic antidepressant(TCA)や,比較的新しいセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬serotonin-noradrenaline reuptake inhibitor(SNRI)などが使われる。ところが,うつ病に対して頻用されている選択的セロトニン再取り込み阻害薬selective serotonin reuptake inhibitor(SSRI)は慢性痛にはあまり有効でないとされている1)(メモ1)。なぜこのような現象が生じるのか。ここでは主に,神経障害性痛に対する抗うつ薬の作用機序について解説する。

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以前,とある学会で「その結果はプラセボ効果ではないか」と質問された演者が激怒する光景を見たことがある。多くの医療者にとって“プラセボ”という言葉は大なり小なりネガティブな意味にとられることが多いのではないだろうか?現在のわれわれを取り巻く臨床現場では,“医学的根拠にもとづく医療”という考えが先行し,時として医学的根拠がない医療はすべて“プラセボ効果”として片づけられる傾向もなきにしもあらず,そのことが先述の学会での出来事のように,その言葉を投げかけられた医師のプライドをいたく傷つけるものになったのかもしれない。一部の薬物療法以外,ほとんどの治療法(神経ブロック療法,漢方療法,理学療法,心理療法,運動療法など)で質の高い医学的証拠が得られない痛み治療の臨床では,この“プラセボ効果”をどのように認識したらいいのだろうか?

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メタアナリシスがどのような統計解析法なのかを知れば,痛みの基礎研究領域でメタアナリシスがない理由がわかるはずである。

症例検討 不整脈

巻頭言 稲田 英一
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周術期に不整脈を認める頻度は高い。心臓手術,肺手術などでは100%の頻度で不整脈を認める。一般にリスクが低い術式であっても,洞性徐脈,洞性頻脈を含めれば不整脈の発生率は50〜80%にも上る。高齢患者が増加した現在,術前から不整脈をもっている患者に遭遇することも多い。心房細動では,対する調律や心拍数調節のほか,抗凝固療法にも注意する必要がある。

 周術期にみられる多くの不整脈は,経過観察のみで特別な治療を必要としない。しかし,わずかな頻度で緊急の治療を要する場合がある。高度の徐脈や頻脈,不整脈による高度の血圧低下,心筋虚血などのほか,心室頻拍,心室細動など,致死的なより重篤な不整脈に移行する場合などである。不整脈を起こしやすいWolff-Parkinson-White症候群や,Brugada症候群などは要注意である。不整脈を認めた場合,原因診断が基本であるが,不整脈そのものを積極的に治療しないかぎり,不整脈が治まらない場合もある。さまざまなガイドラインに従って抗不整脈薬が投与されるが,それを使用する人の経験によるところも多い。使用している麻酔法や麻酔薬との相互作用も考慮する必要がある。抗不整脈薬の「手応え」のようなものを身につけておきたい。抗不整脈薬自体の心抑制作用,血圧低下作用,催不整脈作用などにも注意が必要である。

 本症例検討では,さまざまな不整脈を例に,実際的な抗不整脈薬の投与についてまとめた。読者それぞれが,こうした状況では,自分ならどう治療するかを考えながら読み進めていただきたい。

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周術期に不整脈にお目にかかる頻度は実は非常に高い。ただ,結果として患者の生命を脅かすケースは多くない。つまり,大多数の見落としてよい不整脈と,頻度は低いがそれが許されない不整脈がある。重篤な不整脈への対処をしなければならないのは言うまでもない。不整脈は一つの病態であり,患者管理に影響のない不整脈でも,その背景に何が潜んでいるのか,と常に問いかけることは必要だろう。もしかしたら,近い将来に患者にふりかかる大きな不幸の前兆かもしれない。

 麻酔薬の進歩は,麻酔中の不整脈の抑制に大いに貢献した。一方,手術技術の進歩による手術適応の拡大と手術患者の高齢化は,今後も進むであろう。患者の高齢化に伴う術前合併症,特に心肺系合併症の増加は避けがたく,不整脈の潜在的な危険因子となるだろう。以前に比べて周術期の不整脈の頻度とその重症度は変わったのか?この問いに明確な答えを出す臨床研究には,いまだお目にかかれていない。

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症例

69歳の男性。身長166cm,体重58kg。地区の検診で左肺癌が発見され,左上葉切除術が予定された。10年来,心房細動があり,ジゴキシン0.25mgとフロセミド20mg,ベラパミル60mgを毎朝服用している。4年前に脳梗塞を起こし,左半身の不全麻痺が残っている。以降,ワルファリンを服用している。入院後の血圧は130/75〜90mmHg,心拍数は80〜110bpm。全身麻酔と硬膜外麻酔を併用する予定である。

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症例

32歳の女性。身長160cm,体重70kg。卵巣囊腫があり,腹腔鏡下卵巣囊腫摘出術が予定された。過去数年間,ときに強い動悸がある。安静時心電図からWPW症候群と診断された。

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症例

59歳の男性。身長162cm,体重70kg。検診で胆石が発見され,腹腔鏡下胆囊摘出術が予定された。30本/日×25年の喫煙歴がある。入院時血圧160/95mmHg,心拍数82bpmであった。検査所見で,血清クレアチニン値が1.3mg/dLの軽度腎機能障害あり,空腹時血糖は120mg/dLであった。

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25年前,麻酔科に入局したとき「不整脈をよく勉強するように」と1年上の先輩からアドバイスを受けた。もとより心電図の読解も怪しいのに,どうしたものかと,手探りで何冊か不整脈の本を読んではみたものの,わかったような,わからないような…つまりは,わかっていなかったのだが,結局そのままになっていた。

 最近,麻酔科の術前外来というお役目が回ってきて「やはりもう少し心電図・不整脈の勉強を」と思い,山下武志先生や村川裕二先生の著作を何冊か拝読させていただいた。大変勉強になったので,以下の書籍を読者諸氏にも推薦しておきます(表1)。

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症例

24歳の男性。身長170cm,体重80kg。扁桃肥大に対して口蓋扁桃摘出術が予定された。睡眠時無呼吸症候群が指摘され,術前の心電図でBrugada症候群が疑われた。家族歴として,兄が3年前に心臓が原因で突然死したという。そのほかの検査値に異常はない。血圧は150/90mmHg,心拍数80bpm。

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症例

30歳の女性。身長160cm,体重52kg。子宮頸部上皮内癌の疑いがあり,子宮円錐切除術が予定された。ラリンジアルマスクによる全身麻酔(デスフルラン+酸素+空気)を行っていたが,突然,心拍数が140〜150bpmに上昇し,収縮期血圧が100mmHg程度から70mmHg程度まで下がった。術前に不整脈の既往はない。

連載

Editorial拝見
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The New England Journal of Medicine

Editorial:

Cook D, Arabi Y. The route of early nutrition in critical illness. N Engl J Med 2014;371:1748-9.

Article:

Harvey SE, Parrott F, Harrison DA, et al. Trial of the route of early nutritional support in critically ill adults. N Engl J Med 2014;371:1673-84.

■ICUにおける栄養管理はいつから,どのルートで?

重症患者において,いつから,どのように栄養管理を始めるべきかについては,ICUフェローをしていたときに,栄養サポートチームnutritional support teamの助けを借りながら,四苦八苦して栄養管理をしていたのを思い出す。経腸栄養を始めるにしても,どの程度の濃度から,どの程度の量からにするかは,胃内残留量を測定しながら,一歩進んでまた戻る,というようにして栄養管理をしていたように思う。経腸栄養で不十分な場合には末梢静脈栄養も行っていた。中心静脈栄養となると,厳密なカテーテルの管理を行いながら,合併症が起きないかをいつも気にして行っていた。栄養管理開始時期は,全身状態が安定するまで待ってから行うことが多く,数日〜1週間程度してからだったように思う。

連載 漢方の歩き方 レーダーチャートで読み解く痛みの治療戦略:第14回

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矢:前回は「ゆるめる」戦略(図1)についてお話ししました。

福:「ゆるめる」とは,「ストレスによって受ける反応をやわらげる」戦略でした。また,この連載でのストレスの定義は「過緊張」と「末梢神経の過敏性」でした。

荒:現代医学ではストレスのタイプによって治療のターゲットが異なり,それぞれに適した治療が必要だけど,漢方では治療のターゲットは同じで,「ゆるめる」だけでよいのですよね。そして,「ゆるめる」効果がある代表的な処方は54.抑肝散でした。

矢:その通りです。今回は「ゆるめる」の応用編のお話です。

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連載 昼下がりの薬膳 食・薬・医

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私は「運」が非常によいと思います。それは,怪しげなコンピュータ占いにより「あなたは強運の持ち主,その運の強さはピカソ級!」と言われた暗示にかかっているだけではないようです。本稿は,研究の世界から現場へも足を踏みだした,ペーパードライバーならぬ,“ペーパー管理栄養士”のつぶやきです。

連載 Tomochen風独記

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私が勤務する病院は「小児病院」なので,患者はすべて子供なのですが,ドイツでは18歳以下が小児病院の対象となる“小児”です。つまり,思春期まっただ中の子供たちも患者としてやってきます。

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今回は,第42回日本集中治療医学会が開かれる東京です。不倫火山氏に東京のオススメ情報をご紹介いただきます。旅のお供に是非LiSAを!

連載 行った,見た,撮った

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発見の日

1844年12月10日,寒く,雨模様の夜であった。コネティカット州の州都ハートフォードのユニオン・ホールで開催されたエキシビションを歯科医であるホラス・ウェルズ(Horace Wells)は妻と見に行った。入場料は一人25セント。午後7時30分,最初に興行主のコルトン(Gardner Q Colton)の笑気についての講演がはじまった。その後,聴衆に声を掛け,希望者にそのガスを吸わせた。最初に,知り合いの薬屋の丁稚クーリー(Samuel A Cooley)が吸った。彼は興奮して,走りはじめ,机の脚に足をぶつけた。向こうずねから出血していたが,痛がっている様子がなかった。ウェルズは隣に座ったクーリーに,「痛くないのか」としつこく聞いたが,「全然痛くないョ」との返事。エキシビションが終わり,片付けをしていたコルトンに「抜歯のときに,このガスを吸わせたら痛くないのではないか」と質問したが,「経験がない」との返事であった。妻を家に帰し,ウェルズは歯科の教え子で近くに開業していたリッグス(John M Riggs)のクリニックに押しかけ,いろいろ話した。

 12月11日,雪が2インチも積もった朝であった。コルトンに亜酸化窒素を持参してもらい,ウェルズのクリニックでリッグスに以前から痛かった智歯を抜いてもらうことにした。どこで嗅ぎ付けたか,例のクーリーと何人かの若者も見に来た。まず,ウェルズがガスを吸った。ウェルズは意識を失った。意識を取り戻したときの,「早く抜いて」との声に,リッグスは床に落ちていた歯を指さした。ウェルズは興奮し,「ピリッともしなかった。痛みなしで抜歯ができる。新しい時代の始まりだ」と叫んだ。教え子を含め知り合いの歯科医にその方法を教え,広めようとした。教え子のなかにウィリアム・モートン(William TG Morton)もいた。

連載 知識をいかに体系化するか

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英語をマスターする問題として,「GR(Graded reading)」の問題を扱います。日本語で表現すれば,「段階学習」です。段階を踏んで,小学生,中学生,高校生へ進む考え方と同じです。

連載 当世 問はずがたり

足るを知る 石黒 達昌
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代議士先生も走る師走の町中に,正しいという言葉が氾濫しています。曰く,私と我が党が正しいのだと。自分の誤りを主張している政治家は,ちょっと記憶にありませんので,それ自体は「正しい」ことなのでしょう。とはいえ,およそ,その反対側にいるような,知り合いの名編集者の口癖も「それってすげー正しいわけでさ」だったりします。批判的な意見を期待して「〜ってどう思いますか?」と問いかけ,「それってすげー正しいわけでさ」と返ってくると,二の句が継げません。

 まずは「しかし」と発想するのが常の,私を含めた作家連中とは逆の生き方です。彼らと渡り合っていくには,正反対の,肯定から入る発想が必要だったのかもしれません。彼に言わせれば,大義に欠けると批判の多い今回のアベノミクス解散だって,すげ〜正しい選択ということになるのかもしれません。もっとも,(書き方が)すげー正しいと言われ,掲載を心待ちにしていた原稿は私が気づかないうちに没にされ続けたわけですから,肯定は否定より一層厳しかったわけです。

第11回 麻酔科学サマーセミナーpresents

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この物語は,2014年6月28日(土)に沖縄の万国津梁館にて

旭川医科大学 麻酔・蘇生学講座 遠山 裕樹 先生

京都府立医科大学附属病院 集中治療部 德平 夏子 先生

大阪大学医学部附属病院 麻酔・集中治療科 植松 弘進 先生

兵庫県立こども病院 麻酔科 池島 典之 先生

によって行われたバトルオンセミナーの発表内容をもとにしたフィクションで,登場人物はすべて架空の存在です。

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from LiSA
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◆新年には,何か特別なことをしたくなるものです。やろうかな…と思いつつ,実行には至っていないことの一つに「書き初め」があります。

 小学生の頃は冬休みの宿題でしたので,業務として半紙に向かっていました。何枚か書きますが,ここがうまくいくとあそこが変で,どれも全体として満足いく出来栄えにはなりません。大失敗ではない何枚かのうち,家族が選んだ一枚が教室の壁に貼られるのですが,級友の素晴らしい仕上がりと並び,自分にこの方面の才がないことは一目瞭然。宿題でなくなればやらなくなるのが当然で,年月がたちました。

◆まっさらな半紙に正座をして向き合い,心静かに書をしたためる。そんな新年もいいかな,と思うようになったのは,ここ数年のことです。けれど行動が伴わないのは,半紙を前に「で,そこに何と書くの?」という課題を解決できないからです。書き初めに“ふさわしい言葉”が思い浮かびません。自分の好きな言葉にすればいいのですが,「好きな言葉」って…。

 仕事をしていて好きな言葉は「校了」と「刊行」ですが,書き初めにふさわしい言葉ではありませんね。であれば,1年の目標とか課題でしょうか。そうそう,上司から発言には注意せよと言われています。なので,「失言注意」。う〜ん,せっかくの新年に気持ちが萎えます。「火の用心」のほうがましです。ならばもう少し生活面で,こんな1年にしたいなと「整理整頓」。だから,標語じゃないんだって!

◆テレビCMで,あるドクターが「私の好きな言葉は情熱です」とアピールしています。彼が書き初めをするなら,大きく黒々と「情熱」と書くでしょう(間違っても「患者倍増」ではないはず)。

 あのCMに遭遇するたびに,「私の好きな言葉」すなわち「自分を象徴する言葉」は何だろうと思案するのですが,「情熱」に類似するステキな言葉はどれも嘘くさく,私にふさわしい言葉とは思えません。

 あれこれ思案した結果,私にふさわしい言葉は「猫」になりました。来年の2015年ですが,Vol.22のLiSAは猫年でいこうかなと。ただ,猫もいろいろです。愛らしい子猫,ぐうたら眠り猫,怪しい(哲学的な?)チェシャ猫…もちろんネズミ取りに役立つ猫も。読者の時々にふさわしいLiSAでありたいものです。

◆ところで,今年からLiSAで「書籍プレゼントweb応募用のキーワード」なるものを設けます。web経由で気軽に応募して欲しいけど,LiSAを手に取ってくれた(=読んでくれた)人に限定したい,というわがままを実現するためです。そして1月号のキーワードは,新年にふさわしい言葉にしています。

 たくさんのご応募をお待ちしております。

基本情報

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LiSA
22巻1号 (2015年1月)
電子版ISSN:1883-5511 印刷版ISSN:1340-8836 メディカル・サイエンス・インターナショナル

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