症例ライブラリー 腰背部痛のレッドフラッグを見逃すな
ぎっくり腰になり,痛くて起き上がれません
増田 清夏
1
,
木村 信康
1
Sayaka MASUDA
1
,
Nobuyasu KIMURA
1
1湘南藤沢徳洲会病院 痛みセンター
キーワード:
偽関節
,
骨粗鬆症性椎体骨折
,
OVF
,
FRAX
Keyword:
偽関節
,
骨粗鬆症性椎体骨折
,
OVF
,
FRAX
pp.654-658
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320070654
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
■症例
75歳の女性。身長152cm,体重42kg(BMI 18.2)。L5/S1脊柱管狭窄症による腰下肢痛でペインクリニック通院中。家事は問題なくこなしており,間欠性跛行を呈するが,屋内外での歩行は自立(日常生活自立度 ランクJ-1)。ミロガバリン5mg/日で疼痛コントロールを得ていたが,1週間前に掃除機をかけていたらぎっくり腰を発症。安静にしても改善せず,「腰が痛くて起き上がれません」と救急要請した。
■診断までの経過
若い頃より身長が4cm低下している。内科的疾患の既往はなし。寝返りや起居動作でnumerical rating scale(NRS)8/10の痛みを訴えるが,座位や立位の保持では痛みはなかった。大腿後面の重苦しさや足底のしびれに変化はなく,受傷後,新たに大腿前面にズキズキした痛みが出現した。身体所見では軽度の円背,腰部の叩打痛を認めたが,下肢伸展挙上(SLR)テスト陰性,徒手筋力テスト(MMT)正常で麻痺や膀胱直腸障害はなかった。
さて,あなたならどうする?

Copyright © 2025, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.