徹底分析シリーズ —誤嚥とご縁にならないために—誤嚥ゼロへの挑戦
誤嚥の危険因子—誤嚥はあなたのすぐそばに
釋尾 知春
1
Tomoharu SHAKUO
1
1昭和医科大学横浜市北部病院 麻酔科
pp.698-702
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320070698
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例えば平日の夕方,まだ5列の予定手術が続いている中でフルストマックの腸閉塞患者の緊急手術依頼があったとする。人員が不足する中,一人で20分ほどで準備をしたため,吸引チューブの準備もなく,頭高位にするのを忘れ,輪状軟骨圧迫を施行せずに通常量の筋弛緩薬で挿管を行えば,誤嚥が発生しやすい状況になるのは容易に想像できる。しかし,その結果,患者が誤嚥性肺炎を発症し,その半数以上に重篤な後遺症が残る可能性にまで考えが及ぶだろうか。

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