症例ライブラリー 腰背部痛のレッドフラッグを見逃すな
尻もちをついて転び,腰が痛いです
石川 理恵
1
Rie ISHIKAWA
1
1八戸平和病院 麻酔科・ペインクリニック
キーワード:
骨転移
,
脊椎転移
,
転移性脊椎腫瘍
Keyword:
骨転移
,
脊椎転移
,
転移性脊椎腫瘍
pp.660-663
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320070660
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
■症例
62歳の女性。身長158cm,体重45kg。20年前に乳癌の手術歴がある。もともと腰痛もちであった。シャワー中にふらついて尻もちをついて転んで,腰痛が出現した。腰椎X線検査を施行したが,明らかな異常所見を認めなかった。セレコキシブの定期処方を開始した。
1週間後に再診したところ,セレコキシブの効果がなく,だんだん背中の痛みが強くなってきたとのことであった。寝返りを打つと痛く,痛みで夜中に目が覚める。ふだんの腰痛とは違う感じがするとのこと。診察を行うと,腰部正中に叩打痛を認め,その周囲にも圧痛を認めた。両下肢のしびれや痛み,膀胱直腸障害は認めなかった。前回施行した腰椎X線写真を再度見直したが,腰椎の軽度変形を認めるものの,椎体は保たれており,椎弓根も確認できた。発熱はなかった。
さて,あなたならどうする?

Copyright © 2025, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.