徹底分析シリーズ —誤嚥とご縁にならないために—誤嚥ゼロへの挑戦
迅速導入における誤嚥の予防策—十人十色の手技には理由がある
隈元 泰輔
1
Taisuke KUMAMOTO
1
1済生会熊本病院 麻酔科
pp.710-715
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320070710
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ビデオ喉頭鏡や超音波診断装置などの気道を可視化する機器が登場することで迅速導入の概念は変化しており,誤嚥予防のために慣習的に行われてきた手技も見直す時期に来ている。「学びて思はざれば則ち罔し,思ひて学ばざれば則ち殆し」という論語の一節が示すように,教わるだけで自ら考えなければ物事の本質を理解できず,逆に一人で考えるばかりで広い知識を得なければ考えが偏る。誤嚥予防の本質を十分に考えず,儀式的に迅速導入を行ってはいないだろうか。先輩のやり方を見よう見まねで実施し,それを標準的な方法だと思い込み,後輩に伝えてはいないだろうか。迅速導入を再考し,最高な方法を追求しようではないか。

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