看護管理 28巻10号 (2018年10月)

特集 「働きがい」のある組織 職務満足を構成する6つの概念からみた成長が実感できる職場

  • 文献概要を表示

スタッフ1人ひとりが仕事にやりがいを持ち,成長を実感できるのはどのような組織でしょうか。看護管理者には,大切なスタッフが看護職として自身の仕事に意義や価値を感じながら,働き続けられるための支援が求められています。

本特集では,撫養氏らの研究成果による職務満足を形成する6つの概念【仕事に対する肯定的感情】【専門職としての自律】【仕事の成果の確認】【上司からの支援】【他者とのつながり】【働きやすい労働環境】から,看護師はどのようなときに職務における肯定的感情を抱くのかを探求し,人が育つ組織はどのように形成されるのかを考察します。

  • 文献概要を表示

筆者らは看護師の職務における肯定的感情に着目し,職務満足を構成する6つの概念【仕事に対する肯定的感情】 【仕事の成果の確認】 【専門職としての自律】 【上司からの支援】 【他者とのつながり】 【働きやすい労働環境】を明らかにした。

本稿では,今なぜ職務満足が重要なのか,その定義や理論,尺度を紹介し,その上で6つの概念と職務満足向上のための支援について解説する。

  • 文献概要を表示

看護師は働く中で仕事そのものに意義ややりがいといった肯定的感情を抱いたり,職業に関する責任感を醸成していく。また,仕事の成果を確認することで成功体験を重ねて,仕事に手応えや自信を感じるようになる。

本稿では,職務満足を高める概念としての【仕事に対する肯定的感情】と【仕事の成果の確認】について,さまざまな研究や理論を用いて解説する。さらに,仕事に関するポジティブで充実した心理状態であるワーク・エンゲージメントと,それを高める方法の1つであるAIを紹介する。

  • 文献概要を表示

専門職としての自律(プロフェッショナル・オートノミー)が高い看護師は,同時に職務満足度も高まる。

本稿では,さまざまな視点から研究・定義されてきたヘルスケアサービスにおけるプロフェッショナル・オートノミーの変遷を解説するとともに,プロフェッショナル・オートノミーの醸成に関係する職場風土,特に倫理的職場風土について考察する。

  • 文献概要を表示

看護師は,上司からさまざまな支援を受けながら看護ケアを提供している。看護師の職務満足を構成概念の1つに,【上司からの支援】がある。

本稿では,【上司からの支援】がなぜ職務満足と関連しているのか,これまでの研究結果を示した上で,いま求められている【上司からの支援】について考察する。

  • 文献概要を表示

【他者とのつながり】と職務満足とはどのように関連しているのか,また,なぜ“今”コミュニケーションが求められているのか。

本稿では,他者とのつながりとは何か,また,なぜ他者とのつながりが重要なのかについて理論的背景やマグネット・ホスピタルの取り組みを基に解説していく。また,それらを踏まえ,自身の成長を実感し,職場の活性化を促進するために,看護管理者の支援とはどのようなものかを考察する。

  • 文献概要を表示

【働きやすい労働環境】は仕事を遂行する上で必要な条件であり,働く人々にとって重要である。

本稿では,看護管理者がスタッフとともに,健康で安全に働き続けることができる職場環境を整える重要性と,看護管理者の関わりについて述べる。

巻頭 大学院で学ぶ看護管理学 現場の実践から新たな「知」を生むために・21

  • 文献概要を表示

大学院および分野の特徴や魅力について,教員からご紹介いただきます。

東北大学の歴史と理念

 東北大学(以下,本学)は,1907年(明治40年)に東北帝国大学として創立して以来,111年にわたって「門戸開放」「研究第一主義」「実学尊重」を理念として,多くの指導的人材を社会に輩出してきました。2017年には「指定国立大学法人」の最初の3校に選ばれ,日本を代表する総合研究大学としての期待が寄せられているところです。

 本学医学部保健学科の前身は,1913年(大正2年)に開設された東北帝国大学医学専門部附属医院看護婦養成所まで遡ります。1973年,東北大学に医療技術短期大学部が併設された後,2003年には医学部に保健学科(看護学専攻,放射線技術科学専攻,検査技術科学専攻)が設置され,現在に至っています。

  • 文献概要を表示

専門看護師(CNS)には果たすべき6つの役割として「実践」「相談」「調整」「倫理調整」「教育」「研究」がある。本稿では,組織の問題解決のための「相談」業務の中から,コンサルテーション活動としての「組織分析」について解説する。また,CNSの視点から組織分析の際の看護管理者への期待を記す。

連載 看護の可視化 量と質の両面から適切な評価を考える・10

  • 文献概要を表示

第9回では,CCUにおける「特定集中治療室」から「ハイケアユニット」への届け出の転換事例を紹介し,安全を担保するための看護師配置と病床運用の取り決めを策定した経過について解説しました。第10回からは,産科,小児科,精神科といった,看護必要度評価の対象となっていない病棟の看護必要度の状況を紹介するとともに,看護必要度評価の本質に迫ってみたいと思います。

連載 進化するチーム医療への旅 今求められるレジリエンスとは?・7

  • 文献概要を表示

この連載では,これからの医療現場に必要な「進化するチーム医療」「理想のチーム・組織」のありようについて,主にシステム思考や対話・ダイアログを軸にしながら,読書の皆さんとともに追い求めていきます。

今回は,半年経過を祝って皆さんに素晴らしいアイテムを授けましょう。

連載 プログラムデザインで変わるファシリテーション あなたのスキルを現場に活かそう・13

  • 文献概要を表示

前回は,いつも一緒に仕事をしている病棟メンバーで実施する「わいがや会議」を紹介しました。今回は地域の多職種連携を進めるための研修のプログラムデザインについてお伝えします。

連載 今さら聞けないビジネスフレームワーク・10

ゼロベース思考 石井 富美
  • 文献概要を表示

問題の本質に迫る特性要因図

 QC(Quality Control)7つ道具の1つに特性要因図(フィッシュボーン図)があります。これは,結果に対する原因を探る手法として有効です。もともとは製造業で起こった問題の原因を特定し,有効な対策を講じるための手法として用いられてきたものですが,潜在的な問題を見つけるための手法としても活用できることから医療安全の分野でも活用されるようになってきました。

 特性要因図作成の基本構造には背骨,大骨,小骨,孫骨があり,思考としては「なぜ」を5回繰り返して要因を細かく書きだすという作業になります(図)。この要因抽出を行う際に必要になるのが「ゼロベース思考」なのです。

連載 コーチングと組織の関係性システムから考えるコミュニケーション 1人ひとりがイキイキ活きるチーム創り・10

  • 文献概要を表示

 第8回,第9回に続き今回も「航海図」のWhole/Trustをテーマに,人々の全体的なつながりの中での関係性システムのありようと,そのつながりや関係性を悪化させる要素(4毒素)について紹介します。そしてつながりを取り戻すための方法についても考えていきます。

連載 ID×課題解決 インストラクショナルデザインを活用した教育プログラム開発・10【最終回】

  • 文献概要を表示

 この連載では,インストラクショナルデザイン(ID:Instructional Design)を活用した教育プログラムを作成し現場の課題解決を行った取り組みを,実践事例を交えて紹介していきます。

 最終回は,連載第6回で取り上げた「カークパトリックモデル」をもう少し掘り下げ,研修で学んだ内容を実践に転移するために,看護管理者がすべきことを考えたいと思います。

連載 キャリア形成に悩むあなたのためのリレーエッセイ わたしの師長時代・18

  • 文献概要を表示

 私は,助産師10年目の時に子育てと仕事の両立のために働き方を変えたにもかかわらず,看護のやりがいを感じられず先が見えないつらい時期があった。その時に,周囲の人々の助言や支えによって「自分らしく看護がしたい」「看護を学び直したい」と思い,聖隷浜松病院の外来看護師として再就職をした。この経験から私は「人を信じること,愛すること,尊重すること」の大切さを痛感し,この言葉を信条としている。

 看護師として再スタートした私は,患者や家族に関わるときは,患者・家族の状況をありのままに受け止めて,必要な支援は何か,その支援はその人たちが望む支援であるのか,その人たちの持てる力は何か,それを最大限に引き出す支援となっているかを常に考え行動することを大事にした。そして,仲間のスタッフ1人ひとりを尊重した関わりを通して,共に育つこと(以下,共育)を心がけた。

連載 人生の終わりの日々のケアを訪ねて・10

  • 文献概要を表示

 死期が半年以内に迫っていると告げられたら,どうしたいでしょう? 厚生労働省の調査では,「自宅で療養して,必要になれば緩和ケア病棟に入院したい」と希望する人は29.4%でした註)。緩和ケア病棟は全国に398あり緩和ケアチームも多数活動しています。

 夫の最後の日々,2つの病院で緩和ケア科と精神腫瘍科に通った晴子さんに,お話を伺いました。

連載 おとなが読む絵本——ケアする人,ケアされる人のために・148

  • 文献概要を表示

 「私の1枚の絵」とか「私の1冊の本」というテーマで,自分にとって特別に深い意味のある絵や本を,いろいろな分野で活動している著名人に挙げてもらい,雑誌の特集頁を構成することがよくある。その倣いで,最近刊行された「私の1冊の写真絵本」を挙げてほしいと誰かに問われたら私は写真家・長倉洋海さんの『いのる』を挙げるだろう。

 私は長倉さんの熱烈な“隠れファン”だと認じている。ちなみに3.11東日本大震災の後,被災地の子どもたちが大変な状況の中にいても,ひるむことなく生きようとしている表情を捉えた写真と作文の言葉とで構成した『だけど,くじけない』(NHK出版)は,今でも私の座右の本の1冊になっている。

  • 文献概要を表示

病院管理にコミットする看護管理者の必読書

病院サービス全体に貢献し,病院管理の中枢に乗り出す看護師

 わが国の看護職の62.6%(2016年時点)は病院で仕事をしている。しかも昨今の病院組織では「看護部」に属さない看護師が増えつつある。看護師が医療安全管理者として活躍する,人事課で採用活動を担う,医事課で患者対応にあたる,経営管理室でデータ分析をする,地域連携室を動かすなど,看護師の活動範囲は拡大している。看護師は看護部長のもとで統率される時代は終わり,病院サービス全体に貢献している。よい病院こそ,こうした傾向が強まっていると感じる。

 いずれにしても,病院の中で最大の職種である看護職は,看護を通して「医療管理」を担っている。現場では経営方針が分からず困惑したり,医師と衝突したり,チームが機能せず硬直したりして投げ出したくなることもあるが,看護師は確実に看護管理から病院管理の中枢に乗り出している。

  • 文献概要を表示

緊急場面で取るべき行動が明快に分かる1冊

看護師として忘れられない経験

 看護師になって3年目,救命救急センターのスタッフだった私は,精神疾患を持つ患者Aさんとの関わりで今も忘れられない経験をしました。Aさんは処方されていた向精神薬や睡眠導入剤を多量に服用して救急搬送になり,急性薬物中毒の診断で救命救急センターに入院になりました。

 私は入院時からAさんを担当しました。Aさんは「死にたい」と泣きながら言い続け,目を離すことができない状態でした。看護師経験が浅かったこともあり,私はAさんにどのように話しかければよいか分からず,安全確保のために病室内にあった物を片付けることくらいしかできませんでした。

--------------------

目次

今月の新刊紹介

INFORMATION

バックナンバーのご案内

次号予告・編集後記 石塚 小齋

基本情報

09171355.28.10.jpg
看護管理
28巻10号 (2018年10月)
電子版ISSN:1345-8590 印刷版ISSN:0917-1355 医学書院

文献閲覧数ランキング(
11月23日~11月29日
)