書評
医療管理—病院のあり方を原点からひもとく
井部 俊子
1
1聖路加国際大学
pp.904
発行日 2018年10月10日
Published Date 2018/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686201104
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病院管理にコミットする看護管理者の必読書
病院サービス全体に貢献し,病院管理の中枢に乗り出す看護師
わが国の看護職の62.6%(2016年時点)は病院で仕事をしている。しかも昨今の病院組織では「看護部」に属さない看護師が増えつつある。看護師が医療安全管理者として活躍する,人事課で採用活動を担う,医事課で患者対応にあたる,経営管理室でデータ分析をする,地域連携室を動かすなど,看護師の活動範囲は拡大している。看護師は看護部長のもとで統率される時代は終わり,病院サービス全体に貢献している。よい病院こそ,こうした傾向が強まっていると感じる。
いずれにしても,病院の中で最大の職種である看護職は,看護を通して「医療管理」を担っている。現場では経営方針が分からず困惑したり,医師と衝突したり,チームが機能せず硬直したりして投げ出したくなることもあるが,看護師は確実に看護管理から病院管理の中枢に乗り出している。
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