看護学雑誌 33巻9号 (1969年9月)

特集 不足対策への動き

シンボジウム

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 司会 今日,看護婦の労働時間のきびしさは,看護婦不足との悪循環のうえで,ますます深刻になってきています。看護職員の急激な増加,あるいは莫大な予算の投資などがなければ,この問題を明確に解決することは困難だろうと考えられます。しかしそのいずれもが早急に,しかも満足する形で病院当局に与えられないとすれば,なんらかの手段,方法あるいはくふうを生かして,現在の状態を少しでもよい方向へ進め,働く者も管理する側も歩み寄り,よりよいケアを患者に提供する努力が必要だと考えます。

 1日8時間の勤務時間が9時間まて許され,週44時間ないし48時間が週55時間まて認められているという,労働基準法の枠そのものに問題はあるわけですが,そのことよりむしろ,1週間の働く時間全体を,柔軟性に富んだ形での勤務体制が考えられないものであろうかということが,最近いわれています。

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はじめに

 過密・過疎化は,戦後の急激な経済成長のひずみであり,工業国日本の宿命的現象であるといわれるが,毎日私が利用する国鉄横須賀線戸塚駅は,横浜駅と大船駅の中間にある駅で,12,3年前までは田んぼの中の,小さな田舎の駅にすぎなかった。

 それがここ7,8年,急激に乗降客が膨張しはじめ,毎年1万人平均で増え続け,その速度は今もって衰えないという。3年がかりで駅舎が完成し,やっと恐怖に近いラッシュアワーの混雑から解放された。朝夕の人の波は一体こんな小都市のどこにこれだけの人が住んでいるのかと,不思議に思うことさえある。

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当院が変則三交代を実施して10年を経過した。複数夜勤,月8回の夜勤に,という人事院勧告も出され,テスト中の施設もある現在,夜勤に重点をおいて,創立31年の歴史をふりかえり,考察を加えてみた。

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はじめに

 現在,多くの場で大きく取りあげられている問題は,看護の夜勤体制である。人事院判定の「月8日夜勤,複数夜勤」という夜勤体制は,働く看護婦の望む最低のものである。

 当院では,10年来2人夜勤を実施しているが,業務量の多い部署は3人の夜勤者が必要となってきており,実施しつつある。3人の夜勤者を組み,月8日以内にすることは,ただちに大幅な人員増につながり,看護婦不足が深刻な問題となっている今日,非常に困難なことである。これに対し,夜間専門看護婦を導入することによって夜勤日数の軽減を図ってきた。夜間専門看護婦の導入は,昭和38年より実施しているが,実際に導入してみると種々の問題が生じてくる。この問題を解決するため,現在までさまざまな改善が試みられてきた。どうにか軌道にのってきたので,紹介かたがた,実際に行なっているものを報告する。

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 はじめに二つのエピソードを紹介しよう。その一つは,ちょっと古い話だが,昨年の1の月12日のこと。その日の新聞の朝刊に,国立仙台病院での赤ちゃんの取り違え事件の記事が報道された。この日は閣議で43年度予算の政府案が決められることになっていた。大蔵省の査定一局長折衝一次宮折衝一大詰の大臣の復活要求などもすでに終り,政府もホッと一息ついていたところだが,当時の園田厚相は,このホット・ニュースを武器に,ドタン場の閣議で看護婦の増員要求をむし返した。

 「赤ちゃんの人権,予算を動かす」──という劇的なスジ書きで,厚生省は「2年間に国立病院の看護婦を228人増員する—まず初年度の43年度に114人を」という予算ワクを獲得した。赤ちゃんの取り違えをはじめ,火災,誘かいなど,新生児事故のひん発は新生児を患者に数えず,産婦の付属物としてしかみていなかった医療行政にも責任があった」というのだ。これで,いままで,実際には看護婦1人で患者8人(8ベッド)をみていた産婦人科の看護基準が,他の診療科同様,看護婦1人について4ベッドに改善されることになった。

特別座談会/第一線新聞記者は語る

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 本誌 このところ,新聞をひらいて“看護婦”という活字が目につかない日はないといっていいくらいですが,確かに国民の健康や医療の守り手である看護婦さんが足りないということは大きな社会問題であり,みなさんがたが記事にするのは当然といってしまえばそれまでですけれど,こうもこぞってマスコミのなかに看護の問題がとりあげられるようになった,その背景,あるいは日本の医療のなかにおける看護について,どのように把えられているか,今日はそのへんからお話をすすめていただきたいと思いますが…。

カラーグラビア シリーズ・人体臓器・6

空腸(上部) 横地 千仭
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小腸の内面には輪状の壁がある。この壁は十二指腸でもっとも高く,空腸ではやや低くなるが,規則的に存在し,回腸に至ると次第に少なくなり,不規則な低い壁が見られるだけとなる。この壁は胃の場合と異なり,膨満しても消失することはない。粘膜の表面には微細な絨毛が密生してビロード状に見える。

 外表面は腹膜で被われており,非常になめらかである。

カラーグラビア カラースコープ

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食中毒の統計をとり始めて以来,最も多発したのは,昭和30年の65,746人(人口10万人あたり73.6)でその他の年でも毎年ほぼ3〜4万人前後の食中毒患者が発生している。

この食中毒のうち,細菌によるものが毎年半分近く,昭和42年では42.6%,患者数の55.7%が細菌性食中毒であった。中でも腸炎ビブリオ,ぶどう球菌,サルモネラによるものが圧倒的に多く,全体の食中毒の39.8%,細菌性食中毒の実に93.4%に達する。

カラーグラビア ナーセスモード・サロン

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従来のガウン形式をスマートに生かし,前打ち合わせを深くして,裾が乱れないように考えてあります。

袖の周囲に濃いブルーのトリミングをアクセントにしていますが,このトリミングは,看護婦さんや見習いさんなどの色別性に役立ちます。

グラビア

女性12章—女上位 横山 正次
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 女上位とは,なんのことだ つまり女性の方が男性よりえらい.

つよいってことよつよくてえらいから上なのか,上だからつよくてえらいのか,その辺がハッキリしないゾえらいから上 決ってるでしょ,そんなことだけど月へ一番のりしたのは男だゾ,やっぱり男の方がえらいではないかじゃなんでオンナジョーイの時代なんていうのよつまり上だからえらくてつよいということなのではないかそれでもいいわよするとたいしてえらくもつよくもないのに上にもってくるというのは,こりゃどういうわけナノダ.

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 さんかく山にすんでいる,くろざるくろんべのところに,まるまる山にすんでいる,あかざるあかんべから,こんな手紙がとどきました。

「おたんじょうびにきておくれ。ぼくのうまれためでたいひ。てがみよんだらすぐきておくれ。おくりものもってきておくれ。 あかんべ」

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この病棟は眼科,耳鼻科,小児科の混合病棟で,勤務は3交代制,ナース15名,看護助手2名計17名の勤務体制です。昼間は小児科と混合(眼・耳科)の2チームにわかれ,夜間は2人のナースで全体の看護をします。

ベッド数は64床,うち小児科が18床で,付添は患児のために精神面で必要とするもののみとし,あとは私たちの手でできるだけ濃厚な看護をしたいものと努力しています。小児看護は技術的な面,精神的な面と,また家族との関係など非常にむずかしいものであり悩みの種です。その悩みを少しでも解決できればと1日1回のカンファレンスと週1回の勉強会を設け発表をし,検討をかさねています。

ドクター訪問—吉岡 博人先生

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1.はじめに

 昨年5月より,当内科病棟において人工腎臓を行なうようになり,われわれは施行中の看護を行なうとともに病室では人工腎臓施行患者の毎日を看護してきました。知識・技術ともにゼロから始まり,無我夢中だった半年がすぎ,12月9日より人工腎臓センターが開設されるにいたりました。その間患者数11名,透析回数135回を行ない,最近やっと軌道にのったところでありますが,反省をかね半年間の成果をまとめてみました。

海外サロン

恐るべき人口増加率,他
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 世界の人口は現在,1秒間に2人以上の割合で増加している。ということは,1分間に132人,1日ではじつに190,000人も増加しているということである。この調子でふえていくと,年間2%の増加率なので,37年後には世界の人口はいまの2倍になるであろう。

 人口増加をもう少しこまかくみてみると,アジア,ラテンアメリカおよびアフリカ諸国のいわゆる“もたざる国”の人口は,ヨーロッパ,ソ連,北米,オーストラリア,日本などの“もてる国”の人口よりも増加率が高い。すなわち,1日に生まれる赤ん坊の数は“もたざる国”では,“もてる国”で生まれる赤ん坊の数51,000人の5倍以上,280,000人である。

セミナールーム・病態生理学

嘔気と嘔吐 中野 昭一
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嘔気(Nausea),嘔吐(Vomiting)とは

 はきけや,吐くという症状は,肝臓や消化器系の疾患,あるいは大脳,心臓の疾患など多くの疾病にみられる,ごく一般的な症状の一つです。

 嘔気あるいは悪心ともいう症状は,今にも吐きそうな切迫した要求であって,いわゆる“むかつき”という感覚をいいます。

セミナールーム・法医学

遺書のある他殺 江下 博彦
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墓場から墓場へ

 私が徳島大学に在職していた昭和29年頃のことと記憶しています。

 ある日の午後,郊外の農村に急患往診を依頼されました。農家のひとり息子が農薬自殺を企て,危篤状態にあるというのです。

セミナールーム・心療内科

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解放現象の出現

 さきに,自律訓練法(A.T.)により,高位神経中枢の活動様式が非常に自由になっているので,第二信号系の働きかけが,身体面に素直に表現されるのだと述べました。胃の運動,胃液分泌の働き方が「ことば」通りになるのは,高位中枢の神経細胞群の結合の動態が,「ことば」に相当するからです。逆にいえば,「ことば」通りに神経細胞群が結びつくのを邪魔する神経細胞群の「働き」がないことになります。極端にいえば,神経細胞は働きをやめてしまっています。

 このような状態に患者がなったとき,まるで頭の中に何もないような状態になってしまいます。「今,何か頭に浮んだことがあればお話しください」と質問しても,「からっぽで何もありません」と答えてきます。

M.S.W.の目

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 隅田川を渡ると川風とともによどんだ空気が流れてくる。東京都内で下町といわれるこの地区は,中小企業が軒をならべ,低所得者層の多くが生活している。墨田区太平町にある賛育会病院の外来にはいつも患者や家族がごったがえしている。したがって相談室にくる問題も,ぎりぎりの線での人生問題,生活問題がたくさんある。総合病院ではあるが,特に産科婦人科の事例が多い。それでも丙午の年は患者数が減ったが,その翌年には妊娠患者の外来がふえて混雑し,狸横丁の相談員とテレビに放送されたこともある。

 その年の暮近く,1人の妊婦が内科へかつぎこまれた。付添ってきた夫がさっそく医療社会事業部へ紹介されてきた。U子はその時33才で妊娠9か月の身重であったが,自宅で脳出血を起こして倒れ,右手半身不随となったまま入院したのだった。そして3日目急に産気づいて1745gの未熟児を出産してしまった。夫は半年前に製菓業に失敗し,借金の返済にあえぎながら働いているが,わずかな賃金なので,とても国民健康保険の半額負担に堪えられない。MSWはまず当面の経済問題をどうきりぬけるか話し合った。そこで内科の費用は母子保健法のなかの入院助産で,生まれた未熟児は同法の養育医療でと方針をたてて,夫はすぐにその手続きを始めた。

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この図書館は,初代医学部長北里柴三郎博士を記念して,全国の医学研究者の寄付によって,1937年に設立された。特色は,図書館設立の精神を受けついで,広く全国の医学研究者に公開されていることである。

蔵書は単行本約3万冊,雑誌7万冊で,すべての資料は,利用者が書庫内に自由に入り,探せるように自由接架式になっている。

看護用具の工夫

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 A製薬から市販されている.ラクテック輸液の使用済み容器の利用方法を2,3ご紹介します。この容器は半透明で,非常に見ためもきれいです。そして内容物が一目でわかるということも利点の一つです。また簡単に洗えること,金属と違って,サビが出ないこと,また物に当っても変形することがない,どのような場所に下げておいても音がしないので,アンプレ入れなどもその点便利である。(術中使用の小さなアンプレ)。

1.油紙入れ

 これは今まで,ほとんどの病院で糸でとじて,ぶら下げてあると思います。これは,取るたびに小さな油紙片が落ちています。プラボトル容器を利用しますと,その点が全くなくなり,手間もはぶけます。見ためもきれいで,何よりも取り出しやすいのが,第一の利点です。

ドクトル巷談

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 医師1人君護婦1人という小医院の住み込み看護婦といえば,当然,年がら年中夜勤兼任である。だから,時には思いがけない社会の縮図が拝見できる。これも医師の私が留守中のできごとである。

 あるうすら寒い初春の深夜,押しっ放しで鳴り止まぬ呼鈴に起こされて,Aさんは寝巻きの上に何か羽織って,玄関へでていった。するとドアをあけるまでもなく,“早くあけてくれ。急患だ,急患だ”とか“ガラスでウデを切られたんだ。早くしてくれ”とかと,酔っぱらいのわめく声が玄関の中までも,ビンビンとひびいていたそうである。

ものがたり日本病院史・6

キリシタン病院 大熊 房太郎
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 室町時代は,前回に述べたように,「応仁の大乱」など長年にわたる戦乱に明け暮れて,人心も荒廃し,支配階級はもとより,民間人の手による救療事業もほとんど行なわれなかった。

 しかし,一方においては,この時代はキリスト教の伝来によってキリシタン病院が誕生し,日本病院史に一時期を画しているので,今回は最初のキリシタン病院である済治院を中心に,このキリシタン病院という新しいタイプの救療施設について話をしてみたい。

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 会社の医務室に勤める一看護婦です。患者の1人に50歳,男性,昭和40年に高血圧症(コレステロールが高い)といわれ治療を受けたそうですが,現在,収縮期血圧が130mmHg〜120mmHg拡張期が90mmHgを下がることが少なく,脈圧が20mmHg位の時があります。時々舌のもつれ感,後頭部痛,いらいらなどを訴えます。また昭和44年6月より腎結核でPAS,INHを服用(SMは副作用があり中止)しています。腎機能障害は軽度ですが,尿赤血球数10〜15個となっています。E. K. Gには異常ありません。

 もちろん医師の治療を受けていますが,患者が事務系の仕事をしながら治療をしているので,保健指導が重要なため,拡張期血圧の高くなる原因,腎結核の参考書などをご教示いただきたいと思います。

看護遊学記—日本をとびだす・6

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今回は,看護史上有名な,カイザースウェルスにある,フリードナー夫妻のたてたディアコニッセ施設を見学した時の様子を書いてみます。

ニッパチ闘争その後

あれから1年3か月 横山 広
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 昨年の3月,全国ではじめての,「夜勤協定」を結んでから1年3か月がすぎた。この期間,全国の職場で働いている看護婦や医療労働者にとって,袋小路から解決の道をめざすたたかいの期間であったといえる。それはいまも全国へひろがり,今日の危機を招いた,責任者である政府をして,曲りなりにも「改善へ」のポーズをとらせようとしている。

 医療や看護をめぐる歴史のうえで,このようなことがあったであろうか。それが,単なる賃金や労働条件のあらそいではなく,看護の本質をめぐるたたかいであるだけに,その突破口の位置に立った私たちにとって“感動”の2字だけであらわせぬものがある。同時に,それは突破口を切り拓いたものへの責任としてはねかえってくる。

Medical Topics

手術後患者の呼吸について,他 K.N.
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 吸入麻酔時,患者の換気が不足であれば,酸素は十分供給されないし,炭酸ガスも蓄積して危険である。そこで,麻酔科医は,換気に対しては十分注意して,不足にならないようしばしば調節呼吸を行なう。この時,換気量が適正かどうかをいちいち測定しているひまはないから,安全のためにむしろ過換気に傾けていることが多い。しかも吸入気酸素濃度を,空気よりずっと濃くして与えている。

 だが,このような患者の動脈血を採って調べてみると,時にその酸素分圧が意外に低いことに驚ろかされるのである。何故か。その説明の一つは,麻酔操作で肺に換気血流比分布の不均等がおこるということである。すなわち,一つ一つの肺胞で,もしガスの出入と毛細管血流の量的関係がくずれると,肺全体としてみた時に,炭酸ガス排出に関してはそれほど悪影響なしに,酸素供給が著しく悪くなることが考えられる。この状態は,麻酔が終ってもしばらく続くので,回復室の患者が,麻酔剤や筋地緩剤による呼吸抑制がなくても酸素吸入を要する所以となる。

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ナース一代・その5 新居 八重
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付添看護婦として多くの外国人患者を看護した彼女は,時には雪深い青森県弘前へ,そして満洲大連へ看護のために出かけていった。

連載 現代看護の諸問題・5

よい看護の方向 大山 正夫
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オシッコをがまんする患者

 「看護婦さんがなかなかしびんをかえてくれないので,3回目くらいになると溢れやしなかとヒヤヒヤしながらやってる」

 「バカだなあ,おまえは。そんなときはぐっと途中でこらえて1回しびんを出して見るんだよ。まだ大丈夫だったら安心して続きをやるのさ」

日本看護婦物語

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 本誌3月号の日本看護婦物語“日本の近代看護創生期の人びと”を興味深く読ませていただいた。保健婦さんのあるグループが,こつこつと時間をかけ,足で集めた貴重な資料が,今や史料館建設にまで発展されたということに深く敬意を表する次第である。

 さて,本文中に日本赤十字社の看護婦養成のあり方,並びに看護婦に対するご批判などをいただいているので,それらについて日赤看護婦として一言のべさせていただきたいと思う。

特別掲載・第15回医学書院セミナー収録 パネルディスカッション

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今村(司会) それではこれからパネルディスカッションを始めさせていただきます。わたくしは講師ということよりも司会の役目がおもですが,看護計画ということになりますと,医師の立場もあると思いますので,そのときには何か発言させていただきます。

 やり方としまして,はじめバネラーのほうでおしゃべりをいたしますが,皆さん方のご意見,ご質問もあとでいただきたいと思います。

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人間の体力をギリギリの可能性まで確かめようとする,その意味でスポーツにおける記録の意義は重要なのかもしれない。世間の関心がそこに集中するのもまた当然なのだろう。しかし記録はあくまで結果でしかない。100mをいつ9秒台で走るかという世間の興味には,もっぱらその結果のみを切り離して,見世物的にみる傾向がなきにしもあらずなのではないか。これはたぶん100mを実際に走る者と,それを眺めている者との立場の違いがあるだろう。そして,眺める者におもねる形にスポーツがなってゆくと,どんなことをしてでも9秒台で走ることが目的になる。それがつまりプロ化するということなのだろう。見世物的興味はそれによっていっそう満たされるにしても,それは多分スポーツにおける退廃になるのだと思う。やはり自分で一度走ってみるという主体者の経験が国民スポーツの根底に必要なのではないかという気がする。

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明治35年9月26日,弥生先生は32歳で初産をなさいました。(中略)かねがね先生から,勉強のために(東京女医学校の)生徒一同に自分のお産を見学してよいとお許しがでていましたので,8人の寄宿生は産室の隣の部屋から,襖を細目に開けて,頭を重ね折り重なって先生のお産を拝見しました。(中略)それにしても,生徒の勉強のためとはいえ,ご自身が実験台におなりになったわけで…」高弟だった竹内茂代博士の著書『吉岡弥生先生と私』のなかの一節である。「わたしもその話は聞いています」ともに実験台となった,そのときの赤ちゃん──今日の東京女子医科大学学長であり,同看護短期大学学長である吉岡博人博士は柔和な笑みをうかべながらいう。

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睦み来し友去りゆきしこの朝の五月の空は碧く哀しき

〔評〕素直に別離の気持をうたい上げた。

付録 看護計画のための基礎ノート

基本情報

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看護学雑誌
33巻9号 (1969年9月)
電子版ISSN:1345-2746 印刷版ISSN:0386-9830 医学書院

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