総合リハビリテーション 48巻1号 (2020年1月)

特集 医工学最前線

今月のハイライト
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 リハビリテーション医学・医療領域において医(用)工学技術を用いた活用事例として,リハビリテーション・ロボティックスに注目が集まっています.上肢・下肢の訓練用ロボットや介助ロボットなどの研究が活発に進められる一方,リハビリテーション現場でのロボット機器の導入は進んでいない現状があり,医工学技術と現場のニーズのミスマッチを指摘する声もあります.

 このようななか,AI(artificial intelligence;人工知能),ICT(information communication technology;情報通信技術),IoT(internet of things;モノのインターネット),VR(vertual reality;仮想現実)などのキーワードで代表される多くの医工学技術が臨床の各分野に導入されつつあります.今後,ロボット技術だけでなく,さまざまな医工学技術がリハビリテーション領域にも応用されることが期待されます.本特集では,各専門領域における技術発展の動向や,今後のリハビリテーション領域に活用できそうな技術や事例など,医工学の最前線を紹介していただきます.

医工学の現状と課題 出江 紳一
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医工学とは

 医工学とは,医学と工学を融合した学問分野であり,医用生体工学または生体医工学とも呼ばれる.医用生体工学には医用電子工学,医療工学などが含まれる.さまざまな医療機器の研究開発など,工学技術の医学・医療への応用という側面が目立つが,医工学は医工間の双方向性あるいは両者の融合を前提としている.生命科学から工学への応用として,DNAコンピュータやBiomimetics(生物模倣)などがある.

 表1に「米国生体医工学会が選ぶ,20世紀に開発され,本当に役に立った医療機器」1)として殿堂入りした医療機器を年代順に示した.1980年代から生命科学的手法の重み付けが相対的に大きい医療機器が開発されている.これは後述するように,単に生命科学が発展したことによるのではなく,生命科学を基盤とした医工融合教育の充実も貢献したと考えられる.医療機器に限らず社会に成果物が顕れる背景には,教育による人材育成と,そのような人材が活躍する環境整備があることを忘れてはならない.

医療のICT化とAI 中島 直樹
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はじめに

 新元号「令和」を迎えた今日,超少子高齢社会,労働生産性の低下という課題が日本に重くのしかかっている.Information Communication Technology(ICT)化がその解決の鍵と期待される.医療でも,とりわけ高齢者を多く扱う領域や労働生産性の低下を補う領域での貢献が求められており,リハビリテーション領域はその代表的な領域の一つであろう.他にも,介護領域,認知症/メンタルヘルス領域,生活習慣病領域などが挙げられる.しかしながら,このような超高齢社会の実現は日本が人類史上初めてである.その課題解決には試行錯誤を繰り返さねばならないが可能な限り迅速に,正確に,低コストで社会実装されることが望まれる.そのためには,まずは医療のみならず社会全体を俯瞰し,現状を正確に把握すると同時に,どのような方策が効果的であるかを予測せねばならない.

 医療ICT化において,まずはこのような目的で威力を発揮するのが,ビッグデータ解析である.社会に蓄積した実社会データ(real world data;RWD)を加工し,従来の生物統計学のみならず,機械学習や経済学的解析手法などの医療分野では新しい解析方法を使って,実社会を可視化し解析する.さらにその先には,人工知能(artificial intelligence;AI)の開発を見据える.Society 5.01)と呼ばれるこれからの社会は,医療・介護を含めて,AIが不可欠な社会となるであろう.その方向性や形を定めるためにも現在の日本で運用されている社会データ基盤や解析手法,あるいは個人情報保護法を始めとする法制度の理解と課題の把握,データ活用基盤の整備状況,大規模データの活用やAIの開発状況,そして国際的な状況の把握は,未来の日本にとって大変重要である.

 本稿では,これらをスコープとして今後の展開などについても述べたい.

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XR技術について

1.VR,AR,MR,それぞれの違いと,それらをまとめたXRという定義

 まずは,仮想現実(virtual reality;VR),拡張現実(augmented reality;AR),および複合現実(mixed reality;MR)の違いについて簡単に解説をする.

 仮想現実(virtual reality;VR)は完全に仮想世界に入り込み,仮想的な3Dモデルを立体的に見ることができる技術である.また,360°映像を仮想的な球体に貼り付けて,その中で映像を見ることにより,あたかもその場所にいるような感覚を起こさせる仕組みもある.360°映像は世界地図のように球体を展開して平面にしたような映像である.

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はじめに

 近年,世界中で高齢化問題が深刻化しており,総人口における65歳以上の割合(高齢化率)は1950年の4.9%から2065年には38.4%にまで上昇するとされている1).なかでも日本では,2005年より世界の中で最も高い水準となり,2010年以降65歳以上の人口が全人口に対して21%を超える超高齢社会へと突入した.総務省統計局が行った「人口推計」によると,現在65歳以上の高齢者人口は35599千人に達し,総人口における高齢者の割合は28.7%で過去最高と報告されている2).さらにこの割合は今後も上昇を続けると推測されており,2036年には高齢者割合が33.3%と3人に1人が高齢者となり,2065年には38.4%で約2.6人に1人が高齢者となる社会が到来すると推測されている1)

 特筆すべきは,その高齢化のスピードである.先進国の国々が比較的長い年月をかけて高齢化が進んでいったのに対し,日本は1970〜2007年のたった26年間で7%から14%へと倍増した.そのために,インフラ整備が間に合わなかったり,資金面での対応が遅れたりと,多くの問題の原因となっている.それに対し,この少子高齢化社会を乗り越えるため,国策として健康寿命の引き上げを大きな目標としている.つまり,介護が必要となる実質年齢を引き上げ,その対象者数を低減させたいという考えである.

 近年のロボット技術の発展に伴い,医療・介護分野におけるロボット技術の実用化への試みが多くなされている.これら技術に期待されることとしては,これまで人手による支援が必要であった方々の機能回復を実現し,生活の質(quality of life;QOL)を向上させ,生き生きとした暮らしを実現することである.また,健康寿命をロボット技術や情報技術の力を通して引き上げ,介護に要する費用と人財の大幅な削減を実現することである.

医療と介護のIoT 井上 創造
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はじめに—AIやロボットが進化すれば,介護人材不足などの超高齢化問題も解決するのか?

 近年の少子高齢化により,労働人口が減少する一方,必要となる介護職員数は増加すると考えられる.厚生労働省によると,2025年には介護人材が253万人必要なのに対して,供給見込みは215.2万人にとどまり,37.7万人の不足を推定している1)

 一方,人工知能(artificial intelligence;AI)の研究が近年盛んになっており,ディープラーニング(深層学習)をはじめとした,データから自動的に学ぶ技術である機械学習技術がAIの主要な要素となっている.しかし,「機械学習は,データがなければ機会なし(No data, no machine learning)」といわれるように,本物の現場から得られる本物のデータがなければ,機械学習が力を発揮することができない2).AIやロボットを作る研究だけでは,本当に役立つAIは作ることができない.AI・Internet of Things(IoT)の専門家と医療・介護の専門家が力を合わせて,現実的なデータから実用的なAIやロボットを研究開発することが今,まさに重要である.そして,超高齢化先進国である日本に,今このデータを獲得し活用する勝機があると考える.

 本稿では,われわれが研究している,スマートフォンで医療・介護行動を自動的に記録できる行動認識技術とその応用可能性を紹介し,また,それをビッグデータと組み合わせると可能になる,看護師や患者・入居者の近未来予測,およびその結果を活用して可能になる,要因分析と業務改善について事例を紹介する.最後に,医療・介護IoTを現場で真に役立たせるための高精度センシング環境について述べる.

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トランスレーショナルリサーチの概要

 医工学におけるトランスレーショナルリサーチ(translational research;TR)は橋渡し研究ともいわれ,基礎研究と臨床研究を橋渡しする研究である.基礎研究などで生まれた新しい発想に基づく機器を,まず健常者を対象として用い安全性・忍容性を検討する.次に,協力していただける患者を対象に探索的臨床研究を行い,有効性を確認するとともに適応とエンドポイント(治療目標),臨床的な仮説を設定する.次に,仮説に基づいた基準を満たす患者を対象にランダム化前向き比較研究を行い,有効性の検証を行う.その有効性と安全性が評価されて初めて実地医療に使用できるようになる.実地医療に使用すると,細かい部分での問題点がみえてきて,それを開発側にフィードバックすること(リバースTR)もTRに含まれる.TRの概念は幅広く用いられており,医師・研究者が主導となり,患者の心身機能・活動・参加の向上を目的として,新規機器を開発する医療の一形態といえる.

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 第57回日本リハビリテーション医学会学術集会は秋田大学の島田洋一先生を会長として,2020年6月11日(木)から6月14日(日)までの4日間,国立京都国際会館で開催されます.

 本学術集会のテーマは「未来に羽ばたくリハビリテーション医学 Flying to the Future in Rehabilitation Medicine」です.急速に高齢化が進むわが国において,健康寿命延伸のためリハビリテーション医学・医療はきわめて重要な分野であり,さらなる発展・進歩が期待されています.リハビリテーション医学が未来に向けてさらに発展することを目指し,今回の学術集会を企画する先生の決意が「未来に羽ばたく」という言葉に込められています.

入門講座 リハビリテーション医療のエビデンス—言語聴覚療法・1【新連載】

失語症 藤田 郁代
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失語症の言語治療とエビデンスに基づく臨床

 失語症は脳卒中患者の21〜38%1)に生じ,言語によるコミュニケーションを基盤とする日常・社会生活に大きな困難をもたらす.言語聴覚療法はこのような障害に対し機能,活動,参加,背景要因のすべての側面から包括的にアプローチし,言語・コミュニケーションの回復および活動・参加の向上を目指すことになる.近年,エビデンスに基づく臨床(evidence-based practice;EBP)は言語聴覚療法の理念の一つとなっている.

 EBPが言語聴覚療法の行動指針として広く共有されるようになったのは2000年以降である.米国言語聴覚協会(American Speech-Language-Hearing Association;ASHA)は2005年にEBPを「入手可能な最良の科学的根拠(エビデンス)を把握し,患者・家族の意向,病態,専門職としての経験や臨床環境と統合して現時点で最善の言語聴覚療法を提供すること」と表現している2).わが国では失語症の言語治療効果に関するエビデンス・レベルの高い研究はまだ少ないが,世界的にみるとランダム化比較試験(randomized controlled trial;RCT)やシステマティックレビュー・メタアナリシスによるエビデンスの集積が進んでいる.

実践講座 ケースレポート—脳損傷の在宅リハビリテーション・1【新連載】

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はじめに

 脳損傷における急性期・回復期と生活期・在宅リハビリテーションの違いについて考える.一般的に,脳損傷の中途障害者が回復期リハビリテーション病棟を経て在宅生活へ帰るときには発症から3〜8か月程度経っており,身体機能に対する練習を中心としたリハビリテーション治療を続けても入院中と同じような改善は得られにくい1)

 急性期・回復期リハビリテーションは,発症から一定期間の中枢神経麻痺の機能回復に合わせた治療を行う点で,ある程度の型がある.つまり「機能障害や日常生活動作(activities of daily living;ADL)自立度の改善を主眼として,標準化されたプログラムで短期間で成果を上げることを目標とするアプローチ」2)である.これに対して,生活期・在宅リハビリテーションは,「上記に加えて活動・参加へのアプローチも重視し,個別性を重視した質的なアプローチ」2)であり,その方の目指す「自分らしい生活」に合わせた,個別リハビリテーション治療に限らない,社会参加までを見据えた個別のアプローチが必要である.

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要旨 【目的】高齢者に配慮した簡易自動車シミュレーター(Simple Driving Simulator version 3;SiDS version 3)を用いて5年間無事故無違反の高齢健常者の自動車運転能力を明らかにし,SiDS総合判定で運転適性があることを確認する.【方法】対象群は診察と頭部コンピュータ断層撮影(computed tomography;CT)で異常がなく神経心理学的検査が正常である高齢者53名(60歳群20名,70歳群26名,80歳群7名)で,対照群は20歳台健常者210名であった.SiDS検査を実施し一元配置分散分析を用いて測定値を分析し,有意差があればBonferroni検定で多重比較をした.【結果】認知反応時間(cognitive response time;CRT)と注意配分検査の赤信号CRTの平均値(mean)と標準偏差(standard deviation;SD)は60歳群と70歳群は有意に延長したが,多くは正常域内の変化であった.黄信号CRTは高齢3群ともmeanとSDは有意に延長した.一方,車間距離を保ち安全運転に心がけていた.【結論】高齢者に配慮したSiDS version 3で評価した高齢者ドライバーの運転適性の総合判定は,若年者と比べ有意差はなかった.高齢健常者は安全運転を心がけSiDS version 3にて96.2%は運転適性ありと判定できた.

集中講座 評価法の使い方・第1回【新連載】

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 リハビリテーション医学・医療で用いられる評価法は多数あり,障害の評価,リハビリテーション治療手段の選択や効果測定,機能予後予測など日常臨床で汎用されています.最近ではリハビリテーション治療のQuality Indicatorとして,日常生活動作(activities of daily living;ADL)評価が回復期リハビリテーション病棟の診療報酬の要件にも導入されています.

 評価法の多くは測定する変数が数量でなく,障害という概念を置き換えた定性的な指標です.その概念を測定可能な変数に置き換える操作的定義が必要であり,この操作的定義が適切に行わなければ,その評価法の信頼性や妥当性が得られません.したがって,機能障害,活動制限および参加制約の各障害レベルに応じて,信頼性・妥当性の確立された評価法を用いることが肝要です.現に,研究論文などでも標準的な評価法を用いることが推奨されています.リハビリテーション関連雑誌における評価法使用動向調査によれば,主要リハビリテーション関連雑誌の原著論文の中で用いられている評価法は年間約1,000件であり,使用頻度による集計解析では,疾患非特異的な評価法の使用が増加傾向にあり,疾患特異的な評価法の使用が減少傾向にあるとの報告があります1)

連載 リハビリテーション医療に必要な薬物治療・第12回

不眠症の治療 内山 真
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不眠症とは

 不眠症は,適切な時間帯に床で過ごす時間が確保されているにもかかわらず,入眠困難,睡眠維持困難(中途覚醒),早朝覚醒など良く眠ることが困難で,これによって日中に生活の質(quality of life;QOL)の低下がみられる睡眠障害である.Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorder(DSM)-5では,夜間の睡眠困難があり,そのために臨床的意味のある苦痛や機能障害からQOL的低下が生じている状態が,1週間に3夜以上,3か月持続するものとして定義される.わが国の一般成人において,睡眠困難の頻度は20%,不眠症の頻度は10%,睡眠薬使用者は5%であり,おおむね先進国の平均的レベルにある.

 夜間の睡眠困難があると休養感が得られず,身体的・精神的な不調感が生じる.このため,QOLの全般的な向上という面から夜間睡眠困難への適切な対応が重要である.さらに慢性的に睡眠困難があると生活習慣病やうつ病のリスク要因となることが明らかにされている.

連載 海外留学・国際交流のすすめ・第1回【新連載】

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はじめに

 1984年から1年間,米国ミネソタ大学医学部リハビリテーション科にレジデント留学し,小児リハビリテーションの研修を受ける機会を得た.限られた期間であったが,実際の診療を通して多くのことを学ぶとともに,生活面でも家族とともに貴重な経験となった.当時は1ドル240円で,また,今のようにインターネットで瞬時に情報を入手し,コミュニケーションを図ることなど想像もできない時代であったため,これから留学を考えている読者にどれだけ役立つかわからないが,筆者の経験を紹介する.

Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション

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 昭和9年に発表された新渡戸稲造(1862〜1933)の『人生読本』(『新渡戸稲造全集第10巻』,教文館)の「煩悶は如何にして一掃すべきか」という章では,新渡戸がある学校の校長をしていた時に,精神的な煩悶を抱えた学生たちに対処した体験が語られている.

 新渡戸は,煩悶には物質的理由から起るものと精神的理由から起るものがあり,「素人から見れば全然精神的作用のごとく思うものが,その実,直接原因は,生理若しくは物質的のものが少くない」と考える立場から,当時のメンタルな問題を抱えた学生の様子を次のように語っている.「年々数名の学生が煩悶に苦しみ,従って食欲を失い,元気を喪失し,病にかかって休学若しくは退校を止むを得ずせねばならぬ場合に出会した」.

Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション

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 社会の矛盾や暗部,その背景にある経済構造などを視野に入れ,告発する作品は「社会派」として括られる.世界的にヒットした直近作品では,金持優遇に対する底辺からの異議申し立てを描いた「ジョーカー」がこれに当たる.日本に目を転じれば,インディーズ系からインパクトのある社会派作品が生まれている.新鋭・松本優作監督による「Noiseノイズ」だ.松本の言によれば,「15歳のときの親友の自殺とテレビに映し出された秋葉原無差別殺傷事件がリンク」して,「すぐさま脚本を書きはじめ8年をかけて映画を完成」させたとのこと.本作は,秋葉原という磁場に引き寄せられる3人の若者とその家族の物語.

 2008年の秋葉原無差別殺傷事件で母親を亡くした桜田美沙(写真)は,怒りや苦しみを処理できない父親の暴力に晒されている.美沙は,母親の幻影が浮遊している秋葉原に身を置くことを心の支えとし,地下アイドル活動に励みながらJKリフレ店で働いている.

私の3冊

私の3冊 中山 大樹

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 素晴らしい書籍である.書評の機会を与えていただいたことに心より感謝したい.本書のルーツは,米国の作業療法の100年の歴史を綴った,Andersenによる『The History of Occupational Therapy』とのことである.

 第1章は「作業療法のはじまりから今日まで」と題して,作業療法のルーツの道徳療法,アーツアンドクラフツ運動,社会背景,米国作業療法協会の誕生,日本における作業療法,世界作業療法士連盟,作業療法の定義の変遷,理論とエビデンス,これからのビジョンと発展について,35の文献を読み解き,著者の目をとおした物語が綴られている.作業療法の歴史の“総説”として,この第1章のみでも十分に価値がある.

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 海外の研究成果に学ぶ時代なら英語論文は読めれば良かった.が,医学研究において,日本が最先端の一角を占める分野が珍しくなくなった.つまり,英語での論文発表が求められる時代になった.その時代に不可欠なノウハウを,長年に渡る英語論文の執筆・添削指導をしてきた経験から引き出し,多くの添削事例とともにまとめたのが同名書の初版であった.1991年の出版以来,30年近く読み継がれてきた名著の新訂版が本書である.

 著者の植村研一先生は,中学時代に英語弁論大会に出場して以来,千葉大学医学部卒業後は横須賀米国海軍病院でのインターンを経て,7年半にわたって米英に留学されるなど,英語をたくさん使ってきた経験を持つ.さらに帰国後も日本脳神経外科学会の英文機関誌に投稿される論文の英文添削にかかわり,日本医学英語教育学会や日本脳神経外科同時通訳団まで創設してしまった方である.

お知らせ

リハ栄養フォーラム2020

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目次

文献抄録

次号予告

編集後記
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 2019年の「新語・流行語大賞」年間大賞は「ONE TEAM」.ラグビーW杯2019での日本代表の活躍を思うと納得です.大会は南アフリカの優勝で11月に幕を閉じましたが,今もTVで代表選手を見ない日はなく,ラグビーフィーバーは絶賛継続中.「スクール☆ウォーズ」世代としてはうれしい限り.

 さて,久々にじっくりとラグビーの試合を観て気が付きました.「魔法の水」はいずこへ? 倒れて意識が朦朧としている選手に,やかんの魔法の水をかけると蘇る…….無茶な話ですが一昔前は当たり前の光景でした.今は「Player Welfare」が最優先事項.HIA(Head Injury Assessment)が導入され,選手の安全管理が重視されるようになったそうです.「One for all, all for one」は「ONE TEAM」へ,「魔法の水」は「HIA」に.ラグビー界も日々進化です.

基本情報

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総合リハビリテーション
48巻1号 (2020年1月)
電子版ISSN:1882-1340 印刷版ISSN:0386-9822 医学書院

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