集中講座 評価法の使い方・第1回【新連載】
「評価法の使い方」連載にあたって
佐伯 覚
1
Satoru Saeki
1
1産業医科大学リハビリテーション医学講座
pp.73
発行日 2020年1月10日
Published Date 2020/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201855
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リハビリテーション医学・医療で用いられる評価法は多数あり,障害の評価,リハビリテーション治療手段の選択や効果測定,機能予後予測など日常臨床で汎用されています.最近ではリハビリテーション治療のQuality Indicatorとして,日常生活動作(activities of daily living;ADL)評価が回復期リハビリテーション病棟の診療報酬の要件にも導入されています.
評価法の多くは測定する変数が数量でなく,障害という概念を置き換えた定性的な指標です.その概念を測定可能な変数に置き換える操作的定義が必要であり,この操作的定義が適切に行わなければ,その評価法の信頼性や妥当性が得られません.したがって,機能障害,活動制限および参加制約の各障害レベルに応じて,信頼性・妥当性の確立された評価法を用いることが肝要です.現に,研究論文などでも標準的な評価法を用いることが推奨されています.リハビリテーション関連雑誌における評価法使用動向調査によれば,主要リハビリテーション関連雑誌の原著論文の中で用いられている評価法は年間約1,000件であり,使用頻度による集計解析では,疾患非特異的な評価法の使用が増加傾向にあり,疾患特異的な評価法の使用が減少傾向にあるとの報告があります1).
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