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特集 医工学最前線
医工学の現状と課題
Current status and prospect of biomedical engineering
出江 紳一
1
Shinichi Izumi
1
1東北大学大学院医工学研究科社会医工学リハビリテーション医工学分野
1Physical Medicine and Rehabilitation, Biochemical Engineering for Health and Welfare, Graduate School of Biochemical Engineering, Tohoku University
キーワード:
医工融合
,
レギュラトリサイエンス
,
エコシステム
,
バイオデザイン
Keyword:
医工融合
,
レギュラトリサイエンス
,
エコシステム
,
バイオデザイン
pp.7-12
発行日 2020年1月10日
Published Date 2020/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201842
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医工学とは
医工学とは,医学と工学を融合した学問分野であり,医用生体工学または生体医工学とも呼ばれる.医用生体工学には医用電子工学,医療工学などが含まれる.さまざまな医療機器の研究開発など,工学技術の医学・医療への応用という側面が目立つが,医工学は医工間の双方向性あるいは両者の融合を前提としている.生命科学から工学への応用として,DNAコンピュータやBiomimetics(生物模倣)などがある.
表1に「米国生体医工学会が選ぶ,20世紀に開発され,本当に役に立った医療機器」1)として殿堂入りした医療機器を年代順に示した.1980年代から生命科学的手法の重み付けが相対的に大きい医療機器が開発されている.これは後述するように,単に生命科学が発展したことによるのではなく,生命科学を基盤とした医工融合教育の充実も貢献したと考えられる.医療機器に限らず社会に成果物が顕れる背景には,教育による人材育成と,そのような人材が活躍する環境整備があることを忘れてはならない.
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