総合リハビリテーション 47巻10号 (2019年10月)

特集 義肢装具へのテクノロジーの導入

今月のハイライト
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 「デジタル大辞典」によれば,テクノロジーとは「科学的知識を個別領域における実際的目的のために工学的に応用する方法論」とされています.義肢装具の世界でも,数十年にわたりテクノロジーを導入しようとする動きが出てきていました.そして医工連携の動きが加速したこともあり,近年テクノロジーが導入された義肢装具が市場に出てくるようになっています.しかし費用助成の問題もあり,実際の臨床の現場で経験することはまだ少ない状況です.

 本特集では,すでに臨床の現場で使われ,さらに実際の生活で用いられてきている機器を中心に,その背景となるメカニズムを含めて解説していただきました.

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はじめに

 義足への高機能なテクノロジーの導入を理解するうえで重要な事柄は,人工知能(artificial inteligence;AI)に代表される近年のロボットテクノロジーのハード面の目覚ましい発展とそれを扱う側であるソフト面である臨床現場との乖離の大きさである.大切な真実は,テクノロジーの進化によって従来では成しえなかったような切断者の機能改善が可能になってきたということである.下肢を欠損したことに対する機能補てんの代替手段・道具として,日常生活支援,機能改善におけるリハビリテーション分野においてそのテクノロジーが積極的に導入されていくことは当然である.

 しかしながら,高度なテクノロジーを駆使したコンピュータ制御義足といった高機能義足には常に大きな落とし穴が存在する.その機能に大きな期待を抱くあまり,切断者や臨床スタッフ(医師,理学療法士,義肢装具士)が意図した機能獲得目標と現実に達成し得た機能とが時として一致しないことが生じる事態である.このような事態を回避し,コンピュータ制御義足をリハビリテーション手法として有効に臨床現場に根付かせるためにはどうすべきかに今こそ関心を寄せる必要がある.特にこの数年というきわめて短い期間において利用可能な高機能義足が数多く出現した.それらを活用するためには,それらを応用する側の臨床スタッフに適切な知識と訓練経験が必須であることは重要である.しかし,繰り返しになるが,残念ながらそうではない.現実問題としてこれらのコンピュータ制御義足を適切に臨床現場で運用するためのハードルはまだまだ高いと言わざるを得ない.臨床現場において,これらコンピュータ制御義足を真に切断者に有効なものとするためには明確なリハビリテーションプログラムを確立する必要がある.今はまさに過渡期である.臨床スタッフが着実に経験と証拠を積み重ねていくことで初めて真のコンピュータ制御義足の可能性が見えてくるのではないか.本稿では切断者の明るい未来を照らすさまざまな高機能なコンピュータ制御義足を紹介するが,上述した課題が依然未解決な状態であることを留意していただければ幸いである.

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はじめに

 これまでにさまざまな義手が製品化されてきたが,機能,重量,価格,外観,適合などに課題があり,必ずしもユーザの要望に沿った義手が提供できない状況があった.一方,three-dimensional printer(以下,3Dプリンタ)が低価格化して普及が進み,ものづくりにおいて広く使われるようになった.このような背景のもと,3Dプリンタを活用して新たな義手を開発し,義手の課題を解決しようとする試みが世界中で行われるようになった.われわれの研究室でも2010年から3Dプリンタを活用した義手の開発に取り組み,製品化を行ってきた.本稿ではまず3Dプリンタの現状を概観し,義手開発に3Dプリンタを導入するメリットについて述べ,それらのメリットを活かしてわれわれが開発しているさまざまな義手について紹介する.最後に3Dプリンタを義手開発に用いる際の注意点について述べ,義手開発における3Dプリンタの可能性について議論する.

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はじめに

 本邦においては,乳児の頭の変形は当たり前のこととされ,自然改善と頭髪によるカモフラージュが期待でき,成人期においても特段の注意を引くものではないとされていた.米国では1992年に米国小児科学会が,乳児突然死症候群(sudden infant death syndrome;SIDS)の予防を目的としてBack to Sleep campaignを開始し,乳児をそれまでのうつぶせ寝から仰向け寝にすることが推奨された.これにより劇的に斜頭と短頭が増加し1),ヘルメットを用いた矯正治療が広まった.1998年にはDOC Band®が初めて米国食品医薬品局(Food and Drug Administration;FDA)の承認を取得している.

 本邦においても,インターネットなどで情報を得て脳神経外科や形成外科を受診する家族が散見されるようになった.2006年には東京女子医科大学脳神経外科において,本邦で初めて米国製のヘルメットを用いた治療が開始された.国立成育医療研究センター(以下,当施設)でも2011年に施設倫理委員会の承認を得て,“赤ちゃんの頭のかたち外来”を開設し,ミシガン頭蓋形状矯正ヘルメット(Michigan Cranial Reshaping Orthosis;MCRO)を導入して,これまで400例以上にヘルメットを用いた乳児の頭蓋形状誘導療法を提供してきた.その後2018年4月には,このヘルメットが本邦初となる薬事承認を取得したことで,医療としての提供が開始されたことになる.

 本稿では,まず乳児の変形性斜頭・短頭について概説し,われわれが使用している矯正用ヘルメットの製作,使用の実際を紹介する.

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はじめに

 機能的電気刺激(functional electrical stimulation;FES)は,主に中枢性神経障害による上下肢麻痺などに対し電気刺激を用いて各々の麻痺筋を収縮させ,消失した機能を代償し,実用動作を再建する治療法である.一般的に中枢神経障害による麻痺では,末梢神経やその支配筋は正常な電気的興奮性が残存している.FESは,中枢からの運動指令の代わりにコンピュータなどの制御システムを用いて刺激を行い,麻痺肢の動作再建を行う1)

 FESの嚆矢は1961年のLibersonらが,片麻痺歩行における遊脚期の機能的足背屈を再建したことにある2).それ以来,FES研究分野は成長を続け,近年では多種多様なFES機器が開発,販売されている.なかでも脳卒中後片麻痺や脳性麻痺などの内反尖足や脊髄損傷後不全対麻痺の下垂足に対するFESは実用レベルに達している.

 FESは使用する電極により表面電極型,埋め込み電極型に分けることができる3).埋め込み電極型では手術が必要であるが,埋め込み後は安定した刺激が可能である.表面電極型は手術侵襲不要で比較的簡便に利用可能であり,現在市販されている下垂足に対するFES機器のほとんどが表面電極型である.

 本稿では国内外で発売されている,麻痺性内反尖足や下垂足に対するFES機器についてのメカニズムや特徴にについて述べる.

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はじめに

 リハビリテーションのさまざまな分野において,ロボットへの期待が高まっている.完全対麻痺者の歩行再建は特に期待が強い分野の1つである.脳卒中による片麻痺者が下肢装具や杖によって歩行能力を獲得できることが多いのに対し,完全対麻痺者の場合には,下肢装具や杖によって実用的歩行を獲得することが困難だからである.このような場合に用いられるロボットは自立支援ロボットと分類される1).ロボットを用いても麻痺の回復は難しいが,ロボット使用中のみ歩行が可能となる.

 一方,不全対麻痺患者が歩行練習を行う場合には,効果の高い歩行練習環境を提供する目的でロボットが用いられる.このようなロボットは練習支援ロボットに分類される.患者は練習中のみロボットを使用し,最終的な目標はロボットなしでの歩行能力向上である.

 自立支援,練習支援の両分野において,すでに多くのロボットが開発され,臨床で使用されている.本稿では,完全対麻痺者の歩行再建に用いられる歩行自立支援ロボットを中心に解説する.

巻頭言

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 科学技術の進歩に伴い,昨今ではロボットリハビリテーションなるものが誕生し,さらには保険適用の対象(国に認可された)となっている.義肢装具の世界においても,日進月歩でさまざまな新商品が発売され,AIや各種センサーが搭載された膝継手や足継手が開発・販売されている.障害者スポーツの世界においては,パラ陸上競技において片下腿義足アスリートのドイツのマルクス・レーム選手の走幅跳びの自己記録(8m48cm)がリオオリンピック優勝者の記録(8m38cm)を超え,世間を賑わしている(ちなみに,健常者の日本記録は8m40cmなので,日本人で彼よりも跳んだ選手は存在しないことになる).

 東京2020パラリンピックが近づくにつれ,エンジニアや研究者は躍起になって障害を補うための技術開発を行い,障害者が健常者に勝つことを夢描いている.しかし,パラアスリートたちは実際にはどのように感じ,考えているのだろうか.

入門講座 リハビリテーション医療のエビデンス—作業療法・2

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はじめに

 日本作業療法士協会(以下,当会)は,作業療法の基本的な枠組みをわかりやすく示すとともに,「作業している人は元気で健康である」という理念を具体的に国民に提案したい.

 そのためには,医師や医療関係職種,国民に向けて,作業療法士の専門性,機能と役割について,また作業療法の考え方を届けることが必要である.本稿での紹介を通じて,国民の健康と幸福に寄与できたらと考えている.

実践講座 嚥下調整食の選び方・2

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はじめに

 日本摂食嚥下リハビリテーション学会から「発達期摂食嚥下障害児のための嚥下調整食分類2018」(以下,発達期分類2018)1)が上梓されて1年あまりが経過した.学会分類2013は患者に提供する食形態を想定して策定されているが,発達期分類2018は施設などの厨房から提供する嚥下調整食の分類であって,各患者の特性に合わせた手元調整を加えることを前提として作成されている.このため,在宅患者に提案する場合,選択に困ることが想定される.

 本稿では,発達期分類2018の基本的な考え方を概説したうえで,患者に直接提案することを想定して,嚥下調整食の選び方を摂食嚥下機能の発達段階に添って説明し,手元調整についても言及する.

実践講座 実践!ホームプログラム指導・1【新連載】

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はじめに

 変形性膝関節症(knee osteoarthritis;膝OA)の罹患者は非常に多く,本邦では症状のない軽症例も含めると2350万人,80歳台女性の80%が該当すると推計されている1).最終的に手術を要する患者は年間8万人程度であり,多くは保存療法の適応となる.そのなかでも,筋力エクササイズ,有酸素運動などのリハビリテーションは中心的な役割を担い,Osteoarthritis Research Society International(OARSI)2),日本整形外科学会(OARSIの日本適合版)3),American Academy of Orthopaedic Surgeons(AAOS)4),日本理学療法士協会5)など各種診療ガイドラインにおいて強く推奨されている.そして,満足のいく効果を得るためには,通院によるリハビリテーションとともに,ホームプログラムとしての実践・継続が重要となる6,7)

 この実践講座では,膝OA患者の典型的な症状とそれに対するホームプログラムを解説し,軽症例,重症例および人工膝関節置換術(total knee arthroplasty;TKA)術後例のアレンジについて紹介する.

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要旨 【背景】本研究は,回復期リハビリテーションにおける脳卒中者・家族・回復期リハビリテーション多職種チーム(以下,回復期チーム)間の交互作用の実態を明らかにすることを目的とした研究である.【対象と方法】患者10名,家族6名,回復期チーム3グループ,回復期ソーシャルワーカー3グループに対しインタビュー調査を行った.修正版グラウンデッドセオリーアプローチを援用しデータを分析した.【結果】回復期リハビリテーションにおける脳卒中者・家族・回復期チームの交互作用のプロセスは6つのカテゴリー【急性期病院での危機的体験】,【回復期リハビリテーションになじむ循環】,【「最短期間での退院」支援】,【これからどう生きていくか思い悩む過程】,【回復期リハビリテーションの目標一致に向けた解決模索の循環】,【とりあえずの退院】に整理された.【結語】本研究は,脳卒中者・家族と医療者の両視点から調査・分析した点で有意義であるが,調査協力者の属性などから一側面の分析にとどまるため,脳卒中者と家族の全人的復権の過程,回復期リハビリテーション期の支援の意義についてさらなる研究が必要である.

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要旨 【目的】長座位での前方移動動作(以下,ヒップウォーク)は,体幹筋力やバランス制御を高めるための運動課題として臨床場面で用いられることがある.しかしその根拠は明らかではない.本研究ではヒップウォークの運動特性について,体幹筋活動量に着目し,歩行との比較により検討した.【方法】対象は健常成人男性20名とした.課題はヒップウォーク,および歩行を主観的快適速度にて実施した.各課題中の筋活動を腹直筋,内・外腹斜筋重層部(以下,腹斜筋),脊柱起立筋,腰方形筋から表面筋電計により計測した.筋活動量として二乗平均平方根(root mean square;RMS)を算出し課題間で対応のあるt検定を実施した.有意水準は5%とした.【結果】ヒップウォークでは腹直筋,腹斜筋で立脚期・遊脚期ともRMSが有意に上昇した.腰方形筋では遊脚期のRMSが有意に上昇した.脊柱起立筋では課題間でRMSに差が認められなかった.【結論】主観的快適速度におけるヒップウォークは,歩行と比較して体幹筋活動を高めることが示唆された.

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要旨 近年,急性期の入院期間の短縮に伴い,病状が安定しない状態で回復期リハビリテーション病棟に転院する患者が増加傾向にある.現在,回復期リハビリテーション病棟において国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health;ICF)で患者の問題点を整理することが主流となっているが,静清リハビリテーション病院(以下,当院)のカンファレンスでは医学的問題を整理することを主眼に置き,国際障害分類(International Classification of Impairments, Disabilities and Handicaps;ICIDH)にて階層別に問題点の整理を行う取り組みを行った.当院常勤の療法士を対象としたアンケート調査では,1,2年目群,3,4年目群,5年目以上群に分けたところ,経験年数が高いほど患者の回復段階に合わせたICIDHとICFの選択が可能となる傾向がみられた.これは,回復期リハビリテーション病棟で臨床経験を重ねることで,ICIDHを臨床に結びつけることが容易になったからではないかと考える.回復期リハビリテーション病棟における患者の病態と問題点を整理する手段として,ICIDHを活用することを推奨したい.

連載 ICF活用の実際と展望・第6回

小児分野での活用 橋本 圭司
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 世界保健機関(World Health Organization;WHO)は,2018年6月に,国際疾病分類の第11回改訂版(International Classification of Diseases 11th Revision;ICD-11)を公表した.ICD-10への改訂(1990年)以来,約30年ぶりの改訂となった.今回公表されたICD-11には,生活機能評価に関する補助セクション(第Ⅴ章)が新設され,これは,2001年5月にWHO総会で採択された国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health;ICF)を基にしており,さらなる活用が期待されている.

 ICFは,身体,個人または社会レベルで,個人の機能を取り上げ,機能評価するために,障害を「各機能領域の低下」と定義する.しかし,ICFは,日常的に障害を評価,測定するには実用的ではないため,WHOは,さまざまな文化圏を通じて,健康と障害を測定する標準化された方法を提供するために,WHO障害評価面接基準(WHO Disability Assessment Schedule;WHODAS 2.0)を開発した.一方で,WHODAS 2.0は,質問項目が小児を対象に用いるには適しておらず,現在,児童用WHODASの開発が進められている.

Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション

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 芥川龍之介が大正10年に発表した『藪の中』は,関山から山科へ向かう山中で,多襄丸という盗賊が,通りすがりの夫婦の妻を夫の面前で凌辱するという話である.

 ところが,そこで起きた事実に対する3人の当事者の陳述が異なるために真相は藪の中ということになるのだが,この事件を性的暴行事件という視点から捉えた場合,注目されるのは,「清水寺に来れる女の懺悔」として記されている妻の陳述である.

Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション

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 以下は,筆者の研究室を訪れた大学2年生Nとの対話の一部.Nには母親を殺したいと思っていた時期があり,事件報道などから,自身に発達障害があるのではないかと疑っていた.

N:「僕は,親から捨てられました.親に捨てられるほどの子供って,何か問題があるのでしょうか.たとえば発達障害とか…….」

私の3冊

私の3冊 磯部 香奈子

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1.AYA世代患者に対するリハビリテーションサービス

 神奈川県立がんセンターリハビリテーションセンター

  上原 立資

 [はじめに]治療早期より継続して介入したAdolescent and Young Adult(AYA)世代患者を経験したので報告する.[症例]15歳男性,高校生.X年9月左脛骨近位部骨肉腫,肺結節の診断,12月左脛骨近位部広範切除+腫瘍用人工膝関節全置換術施行.X年+8月肺結節に対し胸腔鏡下左下葉部分切除術,11月脊椎転移に対して重粒子線治療を施行.X+2年3月第5胸椎転移巣の脊柱管内進展があり,感覚障害優位の対麻痺が出現.後方除圧固定術を施行し,3月末自宅近くのホスピスへ転院.[理学療法内容]各時期にあわせた運動療法や動作指導,日常生活動作指導,自主練習を提案し,治療と並行して学生生活を継続した.[考察]本症例に対しては本人が大切としていた学生生活の継続,家族・友人との時間を第一に考え各時期の治療を選択した.本人の思いや症状の変化によって刻々と変化する問題点を早期に把握し,対応を患者家族とともに考えることもAYA世代患者の支援として重要であった.

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 脊髄損傷(以下,脊損)は本人・家族,さらに周囲の人々にもその後の人生に多大な影響を与える重要なリハビリテーションの対象障害である.その障害は多面的で,初期のリハビリテーションから生涯にわたる包括的ケアが必要となる.リハビリテーションにかかわる医療者はチームで対応するが,障害は重く,対応の範囲は広く,要する知識は膨大で,医療現場での身体的・精神的負担は大きい.わが国で専門的リハビリテーション医療を展開できるリハビリテーション施設は限られている.

 神奈川リハビリテーション病院は脊損リハビリテーションの長い歴史と多くの経験があり,高度な技術と知識を持つわが国有数の施設である.本書にはその技術・知識・経験が全ての領域にわたって記述されている.本書は優れた現場の技術書であり,同時に脊損リハビリテーションの全貌を知ろうとする者にとっては絶好の教科書である.

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 日本の少子高齢化が止まりません.厚労省の統計によれば2018年の出生数は91万8397人,合計特殊出生率は1.42で出生数,出生率とも3年連続の減少となっています.こどもが少なくなれば,当然こどもの整形外科疾患患者も少なくなり,全国で小児整形外科疾患を診る機会がますます少なくなってきています.

 そのような状況の中,日本小児整形外科学会が行った発育性股関節形成不全(DDH)全国多施設調査では,2年間の乳幼児未整復脱臼例1,295人中,199人(15%)が1歳以上の診断遅延例で,また3歳以上まで診断されなかったこどもたちが36人いて,調査するとそのほとんどが乳児健診を受けており,さらにその中には医療機関を受診していたにもかかわらず診断されていなかったこどもたちも多くいました.DDHのみならず,こどもの整形外科疾患の見逃しや誤診断は,こどもや家族に与える影響は大きく,時にはその後のこどもの人生に大きな負担をかけることにもなります.

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目次

文献抄録

次号予告

編集後記
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 意のままに動き,感覚も感じられる義手が開発されたとのニュース.ルーク・スカイウォーカーの義手にちなんで,「LUKE」と名付けられたそうです.実はこれまで「スターウォーズシリーズ」を全く観たことがないもので,いまひとつピンときません.そこで代わりに思い出したのが,昔読んだ手塚治虫の漫画「鉄の旋律」.マフィアによって両腕をもぎ取られた主人公が,鋼鉄の義手を手に入れ復讐を果たす物語.ここに登場する鋼鉄の義手の動力はサイコキネシス.まるで本当の腕のように自在に操ることができます.ルーク・スカイウォーカーが腕を失った「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」が公開されたのは1980年.一方の手塚治虫は1974〜1975年の連載です.ということは,意のままに動く義手のアイデアは我らが手塚治虫のほうが先!ということですね.

 さて,連載開始から45年.義肢装具の世界は著しく進歩しています.パラアスリートたちを支える義肢装具.これも来年の東京2020パラリンピックの大きな見どころの一つではないでしょうか.

基本情報

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総合リハビリテーション
47巻10号 (2019年10月)
電子版ISSN:1882-1340 印刷版ISSN:0386-9822 医学書院

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