巻頭言
義肢装具を使用するのは人間
沖野 敦郎
1
1オキノスポーツ義肢装具
pp.937
発行日 2019年10月10日
Published Date 2019/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201762
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科学技術の進歩に伴い,昨今ではロボットリハビリテーションなるものが誕生し,さらには保険適用の対象(国に認可された)となっている.義肢装具の世界においても,日進月歩でさまざまな新商品が発売され,AIや各種センサーが搭載された膝継手や足継手が開発・販売されている.障害者スポーツの世界においては,パラ陸上競技において片下腿義足アスリートのドイツのマルクス・レーム選手の走幅跳びの自己記録(8m48cm)がリオオリンピック優勝者の記録(8m38cm)を超え,世間を賑わしている(ちなみに,健常者の日本記録は8m40cmなので,日本人で彼よりも跳んだ選手は存在しないことになる).
東京2020パラリンピックが近づくにつれ,エンジニアや研究者は躍起になって障害を補うための技術開発を行い,障害者が健常者に勝つことを夢描いている.しかし,パラアスリートたちは実際にはどのように感じ,考えているのだろうか.
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