Japanese
English
特集 義肢装具へのテクノロジーの導入
下肢機能障害に対する機能的電気刺激
Functional electrical stimulation for lower extremity disorders
斉藤 公男
1
,
島田 洋一
1,2
Kimio Saito
1
,
Yoichi Shimada
1,2
1秋田大学医学部附属病院リハビリテーション科
2秋田大学大学院医学系研究科医学専攻機能展開医学系整形外科学講座
1Department of Rehabilitation Medicine, Akita University Hospital
2Department of Orthopedic Surgery, Akita University Graduate School of Medicine
キーワード:
脳卒中
,
下垂足
,
機能的電気刺激
,
装具
Keyword:
脳卒中
,
下垂足
,
機能的電気刺激
,
装具
pp.965-968
発行日 2019年10月10日
Published Date 2019/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201767
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はじめに
機能的電気刺激(functional electrical stimulation;FES)は,主に中枢性神経障害による上下肢麻痺などに対し電気刺激を用いて各々の麻痺筋を収縮させ,消失した機能を代償し,実用動作を再建する治療法である.一般的に中枢神経障害による麻痺では,末梢神経やその支配筋は正常な電気的興奮性が残存している.FESは,中枢からの運動指令の代わりにコンピュータなどの制御システムを用いて刺激を行い,麻痺肢の動作再建を行う1).
FESの嚆矢は1961年のLibersonらが,片麻痺歩行における遊脚期の機能的足背屈を再建したことにある2).それ以来,FES研究分野は成長を続け,近年では多種多様なFES機器が開発,販売されている.なかでも脳卒中後片麻痺や脳性麻痺などの内反尖足や脊髄損傷後不全対麻痺の下垂足に対するFESは実用レベルに達している.
FESは使用する電極により表面電極型,埋め込み電極型に分けることができる3).埋め込み電極型では手術が必要であるが,埋め込み後は安定した刺激が可能である.表面電極型は手術侵襲不要で比較的簡便に利用可能であり,現在市販されている下垂足に対するFES機器のほとんどが表面電極型である.
本稿では国内外で発売されている,麻痺性内反尖足や下垂足に対するFES機器についてのメカニズムや特徴にについて述べる.
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