臨床眼科 60巻9号 (2006年9月)

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要約 目的:硝子体内トリアムシノロン投与を併用した光線力学療法の加齢黄斑変性に対する短期効果の報告。対象と方法:中心窩下脈絡膜新生血管を伴う滲出性加齢黄斑変性46例46眼を対象とした。男性30例,女性16例で,年齢は53~86歳,平均74歳である。ベルテポルフィンによる光線力学療法を行い,その10日後にトリアムシノロン4mgを硝子体に注入した。視力はlogMARとして評価した。結果:平均視力は治療前が0.79,治療3か月後が0.64であり,改善9眼(20%),不変35眼(76%),悪化2眼(4%)であった。5mmHg以上の眼圧上昇が14眼(30%)にあった。15眼(33%)に光線力学療法を再施行した。結論:トリアムシノロンを併用した光線力学療法は,眼圧上昇に注意する必要があるが,併用しない場合と同等以上の効果が期待できる。

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要約 目的:黄斑浮腫に対してトリアムシノロンの硝子体注入が奏効した症例の解析。対象と方法:過去20か月間にトリアムシノロンの硝子体注入を行った24例26眼のうち,視力が1.0となった6例7眼を著効例と定義して解析した。結果:著効例は,糖尿病網膜症12眼中3眼(25%),網膜静脈分枝閉塞症5眼中1眼(20%),網膜中心静脈閉塞症9眼中3眼(33%)であった。これら著効例は,そうでないものと比較して年齢が有意に低く,網膜静脈分枝閉塞症または網膜中心静脈閉塞症ではトリアムシノロンの硝子体注入までの期間が有意に短かった。結論:トリアムシノロンの硝子体注入は年齢が低いほど奏効し,網膜静脈分枝閉塞症と網膜中心静脈閉塞症では硝子体注入までの期間が短いほど効果がある。

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要約 目的:Pit-macular症候群により漿液性黄斑浮腫が生じた症例の光干渉断層計(OCT)と術中所見の報告。症例:18歳男性が半年前からの右眼霧視で受診した。矯正視力は右0.9,左1.2であり,右眼黄斑から乳頭に及ぶ網膜剝離があった。乳頭pitが右眼にあった。フルオレセイン蛍光眼底造影でpitは低蛍光で,乳頭耳側に色素貯留があった。黄斑に剝離はなく,網膜内層が分離していた。3か月後に右視力が0.1に低下し,網膜下液が拡大した。OCTで内層の網膜分離と黄斑までに及ぶ網膜剝離があり,pitと網膜分離とが交通していた。硝子体手術とガスタンポナーデを施行した。術中に乳頭内に極小裂孔が発見された。以後,網膜下液は減少し,5か月後に右眼矯正視力が0.3に改善した。結論:本症候群による黄斑剝離では,乳頭小窩内の小裂孔を通って,網膜下液が網膜層間または網膜下に流入する可能性がある。本症例では硝子体手術が網膜の復位に奏効した。

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要約 目的:アトピー性皮膚炎に併発する網膜剝離の特徴の報告。対象:過去2年間に受診したアトピー性皮膚炎を伴う網膜剝離14例22眼を対象とした。年齢は16~33歳(平均20.3歳)で,男性7例,女性7例であった。結果:裂孔は6眼では赤道部,16眼では毛様体にあった。両眼発症の8例中7例では裂孔が両眼の毛様体,1例では両眼の赤道部にあった。赤道部に裂孔がある6眼には強膜内陥術を行い,初回手術で復位が得られた。強膜内陥術を行った毛様体裂孔の6眼では,初回手術で3眼(50%)が復位した。硝子体手術を行った8眼では,初回手術で6眼(75%)が復位した。8眼では白内障手術後に網膜剝離が発症した。全例が毛様体裂孔であり,白内障手術から網膜剝離発症までの期間は平均31.5か月であった。初診時の白内障と顔面の皮疹の合併率は毛様体裂孔で有意に高かった。結論:アトピー性皮膚炎に併発する網膜剝離は若年者に好発し,裂孔が毛様体にあることが多い。裂孔が赤道部にあるときには強膜内陥術,毛様体にあるときには硝子体手術が第一選択である。

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要約 目的:自己免疫性疾患に併発した視神経炎3症例の報告。症例と経過:症例はいずれも女性で,年齢は18歳,50歳,50歳であった。1例は全身性エリテマトーデスの経過中に右視神経炎,6か月後に左視神経炎が発症し,ステロイドとシクロホスファミドのパルス療法で軽快した。他の2例は視神経炎を繰り返し,経過中に中枢神経症状を伴う原発性Sjögren症候群と診断された。ともにステロイドのパルス療法が奏効したが視野異常が残った。ステロイドの投与期間が短かったことが再発ないし視野異常が残った原因と推定された。結論:視神経炎では自己免疫性疾患が関与していることがある。ステロイドパルス療法が奏効することがあるが,減量に留意する必要がある。

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要約 目的:アレルギー性肉芽腫性血管炎(Churg-Strauss症候群)により結膜下腫瘤が生じた症例の報告。症例:54歳女性が左眼瞼腫脹で受診した。球結膜下に腫瘤があり,良性リンパ腫が疑われた。ベタメタゾン点眼で腫瘤は3週後にほぼ消失した。ステロイド緑内障が発症し,フルオロメトロン点眼に変更し,発症から7か月後に腫瘤は消失した。発症から17か月後に腫瘤が再発した。ステロイド薬点眼が奏効せず,腫瘤を切除した。病理学的検索でアレルギー性肉芽腫性血管炎(Churg-Strauss症候群)の診断が確定した。結論:結膜下腫瘤には本症による症例がある。

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要約 目的:喉頭と結膜に悪性リンパ腫が生じた神経線維腫症症例の報告。症例:53歳女性が両眼の異物感で受診した。10年前に神経線維腫症(レックリングハウゼン病),1年前に喉頭腫瘍を契機として悪性リンパ腫と診断された。両眼上方の球結膜下に腫瘤があり,病理学的に悪性リンパ腫と診断された。分子生物学的に結膜と喉頭のリンパ腫は同一であった。化学療法で喉頭の悪性リンパ腫は大幅に縮小し,切除した右眼結膜下腫瘍は消失し,左眼の腫瘍は縮小した。以後14か月後の現在まで悪化ないし再発はない。結論:神経線維腫症には悪性腫瘍が併発することがあり,本症例での喉頭と球結膜下の悪性リンパ腫もその例である。

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要約 目的:眼圧測定時間を限定し正常眼圧緑内障に対するラタノプロストの眼圧下降効果を検討。症例と方法:正常眼圧緑内障と診断した25例25眼を対象とした。男性12例,女性13例。年齢は37~87歳(平均62歳)。ラタノプロストを1日1回点眼させ,午前9~11時の間に圧平眼圧計で眼圧を測定した。眼圧下降が10%未満,または他剤に変更を必要とした症例をnon-responderと定義した。結果:基準眼圧は15.5±2.4mmHgであった。平均眼圧下降率は6か月後に18.0%,12か月後に20.7%であった。12か月の時点でnon-responderが4例(27%)あった。結論:眼圧測定時間を限定した検討で,正常眼圧緑内障に対するラタノプロスト単剤点眼は有意な眼圧下降効果を示した。長期的には他剤の追加を必要とする可能性が高い。

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要約 目的:閉塞隅角緑内障に対する短時間うつむき試験の成績の報告。対象と方法:閉塞隅角緑内障93例186眼を対象とした。このうち148眼には虹彩切開がすでに行われていた。腹臥位をとらせ5分,10分,15分後の眼圧を測定した。眼圧測定にはTono-Pen(R)を用いた。結果:眼圧は0~14mmHg,平均6.0±2.8mmHg上昇した。55眼(29.6%)では眼圧が8mmHg以上上昇した。結論:従来のうつむき試験では1時間の腹臥位が必要とされていたが,15分以内の短時間で眼圧上昇が得られる。5分ごとの頻回眼圧測定で,うつむき試験1時間後の結果が予測できる。

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要約 目的:Behçet病では,Ⅳ型のほかにⅠ型アレルギーの関与がある可能性がある。Behçet病の発作時と非発作時の血清IgE値を測定し,比較検討した。対象と方法:Behçet病34例で血清IgE値を測定し,うち21例では眼発作時のIgE値を調べた。IgE値はIU/mlで表現した。結果:非発作時のIgE値は0~474,平均86.9±119.7であった。眼発作時に測定した21例のIgE値は,非発作時が平均76.8±110.6,発作時が45.3±62.0であり,有意差があった(p=0.048)。強い眼発作時に測定した6例でのIgE値は,非発作時と有意差がなかった。結論:Behçet病の血清IgE値は,眼発作時には非発作時よりも低下する。

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要約 目的:網膜剝離手術後に斑状変化が網膜に生じた3症例の報告。症例:裂孔原性網膜剝離が片眼に発症した49歳男性,57歳女性,72歳男性に手術を行った。2例には強膜陥凹術,1例には硝子体手術を行った。3例とも初回手術で復位が得られたが,手術の2週~3か月後に網膜に斑状変化が多発した。2例では術前の剝離部に,1例では非剝離部に生じた。いずれの症例でも斑状変化は自然寛解または消失した。結論:観察された斑状変化は,手術の侵襲で生じた網脈絡膜循環障害が関与している可能性がある。

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要約 水晶体温存硝子体手術を10例10眼に行い,術後調節力を測定した。内訳は裂孔原性網膜剝離8眼と糖尿病網膜症2眼で,年齢は28~41歳(平均36歳),観察期間は平均7.1か月であった。術前の白内障の程度は,5例がG0,5例がG1であった。調節力測定にはアコモドポリレコーダを用い,年齢相当の平均調節力の値と僚眼の調節力を参考にして評価した。細隙灯顕微鏡で行った観察で,観察期間内の白内障の進行はなかった。術後の最終調節力の平均値は,手術眼では7.6±3.7D,僚眼では10.9±5.4Dであった。以上の結果は,今回の観察期間内では,硝子体手術後の調節力が温存されることを示している。

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要約 目的:血管新生緑内障に対するマイトマイシンC(MMC)併用の線維柱帯切除術の長期成績の報告。対象と方法:MMC併用の線維柱帯切除術を受けた血管新生緑内障50眼と原発開放隅角緑内障37眼を対象とした。血管新生緑内障50眼中38眼が過去に硝子体手術を受け,無硝子体眼であった。術後成績の評価では,Kaplan-Meier生命表を用い,目標眼圧を20mmHgに設定した。結果:3年後の生存率は,点眼不使用例では血管新生緑内障32.3%,原発開放隅角緑内障51.3%であり,統計学上有意差はなかった。眼圧降下薬併用例では,それぞれ59.7%と77.7%であり,血管新生緑内障での生存率が有意に低かった。血管新生緑内障で有硝子体眼と無硝子体眼とで生存率に有意の差がなかった。結論:MMC併用の線維柱帯切除術を受けた血管新生緑内障では3年後に約60%の症例で眼圧コントロールが可能であったが,原発開放隅角緑内障に比べ,治療成績が低かった。

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要約 目的:両眼球完全欠損の2例の報告。症例:在胎38週で生まれた男児に小脳欠損,鎖肛,手指奇形,二分脊椎と両眼の無眼球症があり,磁気共鳴画像検査(MRI)で脳形成不全と水頭症が判明し,Dandy-Walker症候群と診断された。生後2週間で死亡した。他の1例は41週で出生した男児で,CTとMRIで両眼の無眼球症が確認された。他の全身合併症はなかった。2例とも正常染色体で,母親には格別な既往歴ないし薬歴はなかった。発生学的な病因として,第1例は神経管の前端に関与する広範な変化,第2例は第一次眼胞の発育不全が推定された。結論:無眼球症の診断と病因の判定には,MRIとCTによる画像診断が不可欠である。

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要約 生後5か月の女児が母親の腕から机の上に落ち頭部を打撲した。3日後に痙攣発作が生じた。頭部CT検査で硬膜下血腫と診断され保存的に処置された。その7日後の眼底検査で,両眼の後極部に多量の網膜前出血があった。出血は徐々に消退し黄斑部の色調が1か月後に正常化した。網膜前出血は頭部の打撲によるshaken baby syndromeである可能性がある。

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要約 目的:鈍的外傷で生じた前房出血に対し血液凝固第Ⅷ因子製剤が奏効した血友病A患者の報告。症例:ソフトボールが左眼に当たり,その直後から眼痛と視力障害が生じ,その翌日受診した。左眼視力は手動弁で,眼圧は37mmHgであった。左眼角膜は浮腫状で,前房は出血で充満していた。血液凝固第Ⅷ因子が3%であり,正常値が80~140%であるのに対し著しく低かった。出血時間は2分30秒と正常であった。治療として血液凝固第Ⅷ因子製剤を点滴投与し,前房洗浄を行った。受傷の3週後から硝子体出血の減少がはじまり,視力は受傷5週後に0.02,9週後に1.5に改善した。結論:血友病A患者に生じた外傷性前房出血に対し,血液凝固第Ⅷ因子製剤を全身投与することで前房洗浄が可能になり,硝子体出血が自然寛解した。

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要約 48歳女性が乳癌の摘出手術を受け,以来1日量20mgのタモキシフェンによるアジュバント療法を受けていた。23か月後に右眼の網膜出血が発見され,その1か月後に当科を受診した。矯正視力は右0.2,左1.2であり,右眼に硝子体出血,左眼に白色沈着物を伴う網膜出血があった。蛍光眼底造影で右眼に網膜の血管閉塞部があり,光凝固を行った。タモキシフェン内服は中止させた。1か月後に右眼の硝子体出血は消退し,矯正視力は1.0に回復した。経過中,左眼にも無血管野が発見され,光凝固を行った。乳癌のアジュバント療法としてのタモキシフェン投与に網膜血管障害が続発した例である。

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要約 目的:カメラを内蔵した携帯電話を基本にして開発した新型低視力補助装置(low vision aid:LVA)を,従来型の拡大読書機と比較評価すること。対象と方法:正常者,低視力者,色覚異常者のそれぞれ10名に新型と在来型のLVAの評価を依頼した。いずれも成人であり,低視力者は良好な眼の矯正視力が0.3以下であった。名刺の文字に赤を重ね視標として使用した。視標の見え方などを数値化して評価した。結果:3群ともに新型LVAは従来型LVAよりも満足度が高かった。色変換モードがある新型LVAは色覚異常群で好評であった。結論:携帯電話を利用する新型LVAは従来型LVAの問題点を補う機能を内蔵し,新規のソフトをダウンロードすることが可能である。

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要約 目的:上顎洞炎の手術の際,麻酔用注射針で眼球の二重穿孔が生じた症例の報告。症例:36歳女性が右急性上顎洞炎に対し,上顎洞根治手術と歯根先端切除術を受けた。術中に上顎洞上部のとう痛があり,エピネフリン含有1%リドカインの局所浸潤麻酔を23Gカテラン針で上顎洞上壁粘膜下に追加投与し,その際に眼窩底を貫き,眼球の二重穿孔が生じた。5時間後の検査で右眼窩周囲の腫脹と散瞳があり,対光反射が消失し,視力は0.03であった。同日,穿孔部の眼底にレーザー光凝固を施行した。翌日には右眼の対光反射の遅延があったが,視力は1.2に回復し,以後順調な経過をとった。結論:副鼻腔の手術の際に眼窩内に注射針が穿孔する可能性がある。

連載 今月の話題

新しい眼圧計 中村 誠
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 圧平式眼圧計は,理論的裏付けならびに確実な操作性と定量性から,現在の眼圧測定のgold standardであるが,角膜厚の影響を受け,自己測定には向かないなどの欠点がある。現在,新しい原理や測定方法で,これまでの圧平眼圧計にみられた欠点を克服しようとする試みがなされつつある。

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緒言

 視神経乳頭周囲にみられる色素沈着を伴った病変には,脈絡膜悪性黒色腫,脈絡膜母斑,黒色細胞腫,過誤腫,先天性網膜色素上皮肥大(congenital hypertrophy of the retinal pigment epithelium:以下,CHRPE),特発性反応性網膜色素上皮過形成などがある。CHRPEの好発部位は眼底周辺部であり,後極部,特に視神経乳頭周囲や黄斑部にみられる頻度はきわめて低い1,2)。今回筆者らは,視神経乳頭周囲にみられたCHRPEの1例を経験したので報告する。

 症例

 患者:37歳,男性

 主訴:眼科的精査

 既往歴・家族歴:特記すべきことなし。

 現病歴:2005年2月6日,職場健診で眼底異常を指摘され,8月8日,当科を受診した。

連載 日常みる角膜疾患42

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 症例

 患者:41歳,女性

 現病歴:出生時より左眼に角膜混濁があった。その後,視力は不良で,矯正0.01前後で弱視と診断された。今回,左眼の角膜混濁が以前より強くなったと自覚し近医を受診,精査および治療のため当院を紹介され2005年4月21日に受診した。

 既往歴:鉗子分娩

 家族歴:特記すべきものなし。

 経過:初診時視力は右0.3(1.2),左0.02(矯正不能)であり,眼圧は右12mmHg,左15mmHgであった。細隙灯顕微鏡では,左眼角膜中央部を縦方向に三日月状にデスメ膜の破裂がみられ,その周囲に角膜実質浮腫がみられた(図1,2)。スペキュラマイクロスコープでは,左眼角膜内皮数は635/mm2と著明に減少していた。角膜トポグラフィでは,左眼に不正乱視がみられた(図3)。角膜の透明性回復には全層角膜移植しか方法はないが,弱視眼のため視力回復は困難であることから,特に加療せずに経過を観察することとなった。

連載 眼形成手術手技19

結膜下眼窩脂肪脱 野田 実香
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 眼窩脂肪脱orbital fat prolapse(眼窩脂肪ヘルニアherniated orbital fatともいう)は,眼瞼皮下と結膜下に生じ得る。筋円錐外の脂肪織が眼窩隔膜の脆弱部から皮下にヘルニアを起こすと眼窩脂肪脱として認められ,筋円錐内の脂肪織がテノン囊の脆弱部から結膜下にヘルニアを起こすと結膜下脂肪脱として認められると考えられている1~3)。強膜の前に脱出した結膜下の脂肪は,CTなどの画像検査で筋円錐内の脂肪織と連続していることが確認されている1,3)

 結膜下脂肪脱の原因は主に加齢であるが,ほかに外傷,テノン囊下への注射4)が原因になることがある。鑑別診断として,脂肪腫,涙腺脱,リンパ腫が挙げられる。

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要約 目的:慢性緑内障に投与されている治療薬の実態報告。対象:2003年5月に岐阜大学医学部附属病院眼科緑内障専門外来を受診した慢性緑内障265例265眼を対象にした。男性131例,女性134例で,年齢は26~90歳(平均62歳)である。病型は,正常眼圧緑内障148例,原発開放隅角緑内障98例,落屑緑内障19例である。結果:使用薬剤は,プロスタグランジン製剤230例,β遮断薬155例,炭酸脱水酵素阻害薬74例,α遮断薬27例,交感神経刺激薬22例,副交感神経刺激薬20例であった。使用薬物数は,1剤103例(39%),2剤87例(33%),3剤53例(20%),4剤18例(7%),5剤4例(1.5%)であった。結論:ラタノプロストとβ遮断薬の使用頻度が高く,薬物数は3剤までが多かった。

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要約 目的:正常眼圧緑内障46例に対するニプラジロール点眼単独投与の効果報告。症例と方法:10か月間に3施設で正常眼圧緑内障と診断した46例46眼を対象とした。男性18例,女性28例で,年齢は35~83歳(平均65歳)である。ニプラジロール点眼のみで治療し,6~48か月(平均31か月)の経過を観察した。眼圧は6か月ごとに測定し,視野障害はハンフリー視野計の30-2プログラムを用い,3dB以上の悪化を進行とし,Kaplan-Meier生命表で判定した。治療開始前の眼圧は平均15.7±3.2mmHgであった。結果:点眼開始6~36か月の間,眼圧は有意に低下した。視野障害の4年生存率は83.2%であった。結論:正常眼圧緑内障に対するニプラジロール単独点眼には,眼圧下降と視野障害の進行抑制効果がある。

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要約 背景:脳回状脈絡網膜萎縮症には,OAT遺伝子の変異部位によって,大量ビタミンB6投与に反応して血中オルニチン濃度が低下する症例と,しない症例の2型がある。目的:本症患者のOAT遺伝子を解析し,大量ビタミンB6投与の効果を予測すること。症例:幼少時から夜盲があり,特徴的な眼底所見と高オルニチン血症がある21歳女性。両親は血族結婚である。血清オルニチン濃度が著しく増加していた。方法:末梢血の白血球をPCR(polymerase chain reaction)で処理し,遺伝子を解析した。結果:エクソン11にOAT遺伝子のホモ接合体C1276T(Arg426ter)があった。これはビタミンB6投与に反応しないとされる型である。結論:脳回状脈絡網膜萎縮症での遺伝子解析は,治療効果の予測と治療法の選択に有用であることが期待できる。

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要約 目的:硝子体手術を行った転移性細菌性眼内炎5例の報告。症例と経過:過去7年8か月間に転移性細菌性眼内炎に対し硝子体手術を行った5例5眼が対象である。年齢は51~69歳(平均61歳)であった。眼科初診時に原病巣が同定されていたのは肝膿瘍1例だけであったが,最終的に肝膿瘍2例,肺膿瘍1例,心内膜炎1例,結核1例であることが判明した。起因菌は,Klebsiella pneumoniae2例,Streptococcus anginosus1例,Mycobacterium tuberculosis1例,不明1例である。眼症状の出現から筆者らの施設における手術までの期間は2~77日(平均21日)であった。手術時の視力は0~0.01であった。術前に網膜剝離があった3眼は光覚を失い,剝離がない2眼では術後視力が改善した。術中に採取した硝子体の培養は診断に有用であった。結論:硝子体手術は内因性細菌性眼内炎の診断と治療に重要な意義を持つ。

基本情報

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臨床眼科
60巻9号 (2006年9月)
電子版ISSN:1882-1308 印刷版ISSN:0370-5579 医学書院

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