Japanese
English
連載 日常みる角膜疾患42
鉗子分娩によるデスメ膜破裂
Rupture of Descemet's membrane due to forceps delivery
近間 泰一郎
1
,
西田 輝夫
1
Tai-ichiro Chikama
1
,
Teruo Nishida
1
1山口大学大学院医学系研究科情報解析医学系学域眼科学分野
pp.1566-1568
発行日 2006年9月15日
Published Date 2006/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410100916
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
症例
患者:41歳,女性
現病歴:出生時より左眼に角膜混濁があった。その後,視力は不良で,矯正0.01前後で弱視と診断された。今回,左眼の角膜混濁が以前より強くなったと自覚し近医を受診,精査および治療のため当院を紹介され2005年4月21日に受診した。
既往歴:鉗子分娩
家族歴:特記すべきものなし。
経過:初診時視力は右0.3(1.2),左0.02(矯正不能)であり,眼圧は右12mmHg,左15mmHgであった。細隙灯顕微鏡では,左眼角膜中央部を縦方向に三日月状にデスメ膜の破裂がみられ,その周囲に角膜実質浮腫がみられた(図1,2)。スペキュラマイクロスコープでは,左眼角膜内皮数は635/mm2と著明に減少していた。角膜トポグラフィでは,左眼に不正乱視がみられた(図3)。角膜の透明性回復には全層角膜移植しか方法はないが,弱視眼のため視力回復は困難であることから,特に加療せずに経過を観察することとなった。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.