神経研究の進歩 25巻1号 (1981年2月)

特集 錐体外路系疾患研究最近の進歩

Ⅱ.線条体症候群の再検討

Huntington病の運動障害 柳沢 信夫
  • 文献概要を表示

I.はじめに

 Huntington病の運動障害は,安静時の不随意運動,随意運動障害,筋トーヌス異常として現われる。しかし何といっても古くから診る者に強い印象を与えたのは,患者の意志によらず,手足や顔が奇妙に動く不随意運動であろう。

 いっぽう大脳基底核の機能は,前世紀末以来脳の病理所見と生前の臨床症状の対比から推測されてきた。これに対して動物実験による基底核の研究では,近年形態学,生理学,薬理生化学的知見から基底核と他の部位との線維結合は詳細に明らかになった。しかし個々の基底核の機能については,運動障害の具体的内容と結びつけて論ぜられるだけのデータはなお蓄積されていない。

  • 文献概要を表示

I.はじめに

 パーキンソニズムに対するL-Dopa療法の普及に伴ない,副作用としてのL-Dopa induced dyskinesia(以下dyskinesia)は頻度が高く,しかもdose limiting factorとなることから,近年大きくクローズアップされてきている。

 このdyskinesiaは,L-Dopaの大量投与がパーキンソン病に有効であるというCotziasらの初期の報告12)のなかで,すでにL-Dopaの副作用として高率に発現することが報告されている。近年,MK-486(L-α-hydrazinomethyl dopa),Ro4-4602(benserazide)などの末梢性脱炭酸酵素阻害剤の併用療法が一般的となるにつれ,50〜90%の例にdyskinesiaの発生が見られるに至っている2,9,57,59,72)。また,線状体のdopamine(DA)受容体に直接作用することにより抗パーキンソニズム作川を現わすとされているapomorphine13),piribedil40,42,56),bromocriptine16,39)などのいわゆるDA agonistも,その投与によってdyskinesiaの発現することが報告されている。

  • 文献概要を表示

I.緒言

 老年者では,振戦,ヒヨレア様不随意運動,oral dyskinesiaなどの不随意運動がしばしば見られる。種々の不随意運動と中枢神経系における病変との関係については,たとえば,小脳歯状核,赤核,視床病変における振戦のように,症候学的に確立されたものもある。しかし,実際には,このような例は比較的少ない。むしろ,不随意運動と中枢神経系の,ある特定部位の病変の関係を見出しえない例が多い。

 多くの場合,不随意運動を呈した例では,大脳基底核,とくに線条体,淡蒼球に病変がある。しかし,どのような部位に病変があれば,どのような不随意運動が生ずるかという対応関係は,充分分析されていない。その理由は,変性疾患では多かれ少なかれ,びまん性の病変を呈し,脳血管性障害においても,病変が多発性であるため,特定の型の不随意運動と病変部位を関係づけることが困難であることによる。

  • 文献概要を表示

I.はじめに

 orofacial dyskinesia(以下ODと略す)は,舌,口唇,顔面を中心に出現する反復性,常同性の不随意運動である。ODは,成因の上から,1)主に老年者で見られる特発性のOD,2)向精神薬,抗パーキンソン薬などの薬物投与により出現するOD,3)錐体外路系疾患など,他の疾患の部分症状として出現するOD,の三つに分けることができる。このうち前二者は,症候学的にはほぼ同一であり,病態上も脳内dopamine(以下DAと略す)neuron系の,とくにDA受容体の障害が想定されるため,一つの症候群として把握することができる。本稿では,ODの、臨床像,ODと脳内DA neuron系,側坐核との関係について概説し,最後に,特発性ODについて著者らの成績を中心に治療,病態上の問題点を示すことにする。

Gilles de la Tourette症候群 野村 芳子
  • 文献概要を表示

I.はじめに

 Gilles de la Tourette症候群は,汚言coprolaliaを伴なう特異な不随意運動疾患として1885年Gilles de laTourette1)により発表されて以来,注目されているが,その臨床像,予後,病態生理に関し混乱があった。また今世紀初期には,精神疾患,またはヒステリーとして考えられ,治療された諸家の報告が散見されるが,非常に稀な疾患とされ,また,その病態,病因についての神経学的追求は空白にも近いといえる。しかし近年,Seignot2)によりbutyrophenone(haloperidol)の有効性が示され,Shapiro3)らによる精力的な臨床的研究,Abuzzahab4)らにより世界の国々からの報告,集計をもととした研究などより,Tourette症候群は,中枢神経刺激伝達物質の代謝,または伝達障害による不随意運動の一つ,チック症候群(tic syndrome)として解釈されるようになった。

 しかし種々の心理的,精神的状況により変動する多発性の運動性および言語性チック(motor and vocal tics)に加え,特徴的な汚言,また,しばしば心理症状,精神症状を合併することは,本症候群は,神経学と精神医学の中間にありその研究は一部の不随意運動,精神症状の病態生理の究明に一助となるものである。

  • 文献概要を表示

I.はじめに

 著者らは,幼児期ないし学童期に,静止時あるいは動作時の姿位異常,筋トーヌス異常で発症,これが,日中継時的に増強するが,睡眠をとった後の起床時には,全く認められないか,あるいは,顕著な改善を示すという著明な日内変動を呈することを特徴とし,L-Dopaが著効を示す疾患を,著明な目内変動を呈する遺伝性進行性ジストニア(hereditary progressive dystonia withmarked diurnal fluctuation,以下HPD)として報告した1〜3)(註1)。その後,ドイツ4)およびオーストラリア5)から同様の疾患が報告されている。まだ,剖検例がなく病理は不明であるが,このHPDは一疾患単位である可能性が強い。本文では,本症の臨床像,検査所見の概略を述べるとともに,その病態について,考察した。

  • 文献概要を表示

はじめに

 著者は先に若年発症のパーキンソン病が,普通の初老期発病のパーキンソン病と対比して症候学的にも,薬理学的にも特徴を備えていることを報告するとともに両者の差異はパーキンソン病の病態生理あるいは病因にかかわる意味を包含している可能性について考察を加えた。本論文では若年性パーキンソン病の(以下文中J-PA)の特徴の要点を紹介するとともに薬理学的検討の結果,J-PAは正常対照群と近似し普通発症年齢のパーキンソン病(以下文中I-PA)が異常機能を呈した点について若干の病態生理学的考察を行なう。

Ⅲ.最近注目される症状とその解析

  • 文献概要を表示

I.はじめに―Multiple System Atrophyとはその問題点

 multiple system atrophy(多系統萎縮症)の病像解析というテーマを与えられたが,multiple system atrophyとはいかなるものかについて神経内科医や神経病理学者の間で人による意見の違いがみられる。そもそもmultiple system atrophyという言葉はGraham and Oppenheimer4)(1969),Bannister and Oppenheimer2)(1972)の報告に出てくるものであるが,それらの論文はいずれもShy-Drager症候群(SDS)の剖検例を扱ったもので,その病変がmultiple sitesにあるところから問題が発している。彼らの指摘をまつまでもなくオリーブ橋小脳萎縮症(olivo-ponto-cerebellar atrophy,OPCA),線条体黒質変性症(striatonigral degencration,SND)もmultiple sitesに萎縮を来たす疾患である。このような疾患では小脳系および錐体外路系,ならびに自律神経系が侵され,まさしくmultiple systemに萎縮を生ずるが,その侵され方は一様でなく,症例により病変の程度が異なる。

振戦の神経機序 大江 千廣
  • 文献概要を表示

I.Introduction

 振戦のような異常運動の神経機序を考える場合に次の二つの立場がある。一つは中枢神経のどこに障害が起こると振戦が出現するかを追求するもので,これまでに数多く行なわれた臨床病理学的観察や,実験的に中枢神経の破壊手術で振戦を作製しその責任病巣を組織解剖学的に検討するやり方がこれに相当する。もう一つはこれとはちょうど表裏の関係になると思われるが,中枢神経のどこに障害が起こるとそれまで出現していた振戦が消失するかを追求するもので,これは主として治療の目的で中枢紳経に侵襲を加えることや,偶然の機会に振戦が消失した時にその原因を探るというやり方が相当する。これらをまとめて考えてみると,要するに中枢神経には一方で,障害により振戦を発現させる系があり,他方,障害により振戦を消失させる系があると仮定することは可能であろう。簡単に言い換えれば,前者は振戦を抑制している系であり後者は出現した振戦を維持している系ともいうことができる。こういってしまえば,生体には振戦のような異常運動がある条件下ではいつでも発現して来るようで奇異に思われるが,実際よく見ると誰でも異常に興奮あるいは緊張した時に手がふるえるということは経験することであり決して稀ではない。このような一過性の振戦と異常運動としての振戦には共通の機序があり,一貫したものであると考えることは可能でわれわれはこのような仮説の下で研究をすすめている。

Ⅳ.Dopamine代謝異常以後の基礎的研究

  • 文献概要を表示

はじめに

 黒質に始まり線条体に終るいわゆる黒質-線条体ニューロンが,dopamine作動性でありパーキンソン病で特異的に変性脱落することは今日では常識的なこととなっている。大脳基底核の複雑に絡みあう線維連絡の中で,このdopamine作動性線維と逆方向の線維系すなわち線条体-黒質系ニューロンの神経伝達物質に関する最近の研究の進歩をたどるのが本小文の目的である。この線維系の神経伝達物質としては,現在γ-アミノ酪酸(GABA)とp物質(substance P)の二つが知られており,ここでは便宜上おのおのの物質ごとにまとめることにするが,線条体-黒質系以外の大脳基底核の線維についても多少触れることになろう。

  • 文献概要を表示

はじめに

 Parkinson病患者の大脳基底核,黒質・線条体でdop-amine(DA)が低下していることが佐野により明らかにされた1)。その知見によりL-DOPAがParkinson病治療に用いられて大きな効果を挙げた2)。この成功に刺激され,他の化学伝達物質を錐体外路系疾患の治療に用いるための,基礎的研究が数多く行なわれている。化学伝達物質の中でも,serotonin(SE)とnorepinephrine(NE)は古くから知られ,優れた研究報告が少なくない。SEとNEは種々の精神病,myoclonusや錐体外路系疾患で異常を来たしていることが明らかとなり,前駆物質,antagonist,agonistなどが治療に用いられている。本文ではNEおよびSEの基礎的研究,すなわち中枢神経系における分布,合成と分解,生理的意義について述べ,疾患との関連について考察する。なお,中枢神経系におけるNEの最近の研究の進歩についてはMoore and Bloom3)の綜説を,SE研究の進歩についてはFuller4)の綜説を参考にされたい。

Acetylcholine 出水 干二
  • 文献概要を表示

I.緒言

 パーキンソン病に対するL-DOPA療法が開始されて以来,大脳基底核におけるdopamine(DA)の生理的役割に関する研究が飛躍的に進展したことは周知である。それに対して,錐体外路系の機能を考えるうえでDAとともに重要な位置をしめるacetylcholine(Ach)の研究の進展は一見地味であったといえるかもしれない。しかしながら,DAの研究発展の側面にはAchの基礎的研究の着実な進歩が大きく頁献したことは事実である。大脳基底核の中でも,とくに黒質線条体DAニューロンの研究解析にあたっては,常にAchニューロン活動との相対的関係を考慮してDAニューロン機能の妥当性は論じられてきた。この線条体機能における両ニューロン活動の相対関係の重要性は,初めMcGeer(1961)35),ついでBarbeau(1962)2)によって提唱されたきわめて概念的な仮説であった。過去10数年間における大脳基底核のAchに関する研究の多くは,いわばこの仮説を実証するような方向性をもって展開されてきたといえる。このことが,前言に返るが,DA研究の発展を支えた要因と考えてよい。本稿では,線条体におけるAchの役割について,DAニューロン活動との相互作用を中心に過去の重要な研究知見を総括的に述べ,合わせていくつかの問題点も提起したい。

  • 文献概要を表示

はじめに

 代表的な錐体外路疾患であるParkinson病では,脳の黒質-線条体系のドーパミンニューロンに特異的に細胞変性による神経細胞の数の減少が起こり,その結果,神経終末部位である線条体でのドーパミン(DA)の減少が生じて発症に至ると推定されている1,2)。DAニューロンの数の減少に伴なって神経内酵素でDA生合成の律速段階であるチロシン水酸化酵素(tyrosine hydroxylase)が減少し,その結果,チロシン→ドーパ→DAの生合成が低下してDAの減少を起こす3〜9)。このDAニューロンの変性消失の過程は何年にも及ぶゆるやかな変化であるのでこの間に生体はDAの減少を補償する反応を起こすことが仮定される。初期では残存するDAニューロン内のtyrosine hydroxylaseの増量などの生合成の促進によって代償する機構が働らくであろう。しかしDAの減少が次第に高度になると,ドーパミン受容体(dopamine receptors,DA-R)のおそらく数が増加して代償しようとする機構が考えられる。この仮説は動物実験よりの推定であるが,"denervation supersensitivity"と呼ばれる。最近ヒト脳剖検材料でDA-Rのbinding assayが可能となり,このsupersensitivityの仮説の実証も可能となってきた。

  • 文献概要を表示

はじめに

 錐体外路症状という語はParkinsonism,舞踏病様疾患などに見られる種々の不随意運動を指す名称として広く用いられているが,錐体外路系という脳のある部分を表わしたり,錐体外路という神経路を表わす述語となるとこの意味する概念はあいまいなものとなる。最近では視床下核,黒質をも含めた「大脳基底核」,あるいはそれらに関与する個々の神経路名が代って用いられるようになった53)。そこで今回の特集においても錐体外路なる語を用いず大脳基底核とし,とくに線条体を中心とした線維連絡研究の現況を1970年代に長足の発達を遂げたHRP法とオートラジオグラフィー法を用いた研究結果を中心に概観してみたい。最近の総説としてCarpenter5),Dray9),NautaとDomesick53),Pasickら60)などがある。

  • 文献概要を表示

I.はじめに

 中枢神経系の再生は哺乳類では一般に起こらないとされている。それにもかかわらず脳損傷後の機能障害は時間の経過とともに一般的には回復に向かう。その程度は個体の年齢や損傷部位によって非常に差がある。一般に損傷時の年齢が若いと代償機能は顕著に認められ,また脊髄損傷の場合に較べると小脳や前庭系の損傷の場合には,はるかに著しい機能回復が見られるという。代償過程が学習や訓練によっても大きく左右されることは機能回復を促進させるうえにリハビリテーションが重要な役割を果たすことで経験的によく知られている。

 イタリアの生理学者Lucianiは1世紀近くも前に動物に小脳損傷を加え長期間にわたる非常に詳細な観察を行ない,障害された機能は学習とか訓練(機能的代償)によって,あるいは損傷前には関与していなかった脳組織が小脳損傷後新しい機能を獲得すること(器質的代償)により代償されるとの考えを述べている4)。機能的代償と器質的代償が中枢機構として区別されうるかどうかは別としても代償機能が脳の可塑性によるものであることは疑いのないところである。

グルモース変性 小柳 新策
  • 文献概要を表示

I.はじめに

 編集者より筆者に与えられた課題は"grumose degeneration"であるが,これはとくに変性型ミオクローヌスてんかんや進行性核上性麻痺(PSP)などの小脳歯状核に見られる特有の変性所見を指していることは明らかである。

 すなわち,この変性は,光顕的には(図1)歯状核神経細胞は原発刺激様に腫大する。核も偏在することが多いが,しかし必らずしも原発刺激のさいのように著しくはなく,また凹型にもならない。核が消失している場合も多い。胞体の中心部よりはニスル小体は消失し,細かな消耗性色素様の顆粒を充満していることも多い。樹状突起はやや濃縮し嗜銀性が増強する。そしてこのような神経細胞胞体と樹状突起の周囲の神経網(neuropil)は,HE染色ではエオジン好性が,鍍銀染色では嗜銀性が増強し,その中に強嗜銀性の顆粒状あるいはリング状構造を散在性に混じえるが全体としては"モヤモヤ"として見える。このような神経網の変化は萎縮性の神経細胞の周囲にも認められ,また脱落した神経細胞のあとを補充するかのようにして認められることも多い。

  • 文献概要を表示

1)はじめに述べたように,パーキンソン病の症状発現機構の研究においてdopamine(DA)代謝異常の存在の発見,それに対してのL-Dopa治療の成功は,慢性変性神経疾患の治療に輝かしい1頁を開いたものであった。またそのようなDA,ひいてはカテコールアミン代謝系の障害において,その引金となるものはチロシン水酸化酵素(TH)の活性の低下であり1),さらにそのcofactorであるbiopterinの低下を見出し,確定したことは,永津を中心とする目本の研究者の業績として誇るにたるものといってよい2)

 多様な錐体外路症状,不随意運動の中で,パーキンソン症状はその中核に位置する疾患であるとはいえ,その一部であることはいうまでもない。筆者がパーキンソン病に興味を持ち続けた理由の一つは,本疾患が筋トーヌスの異常としての強剛と,明らかな運動異常としての振戦という二つの異なった性質の症状の両者をあわせ持つことであった。換言すると,「筋緊張系の異常」と「phasic phenomenonと考えられる運動系の異常」の二つである。

  • 文献概要を表示

緒言

 形の知覚を考えるうえで最も基礎となる視力(visualacuity)について,その生理学的機構に関する先人の知見を展望しあわせて考察を加えたい。視力とは概念的には物の細部構造を見分ける能力で(Riggs,1965),視覚系の空間的分解能(spatial resolvitig capacity)である(Westheimer,1965)。視力を測定する方法は種々あるが,その中で最も基本的でかつ重要なものは最小分離視力(minimum separable acuity)であろう。空間的に分離できる最小距離を最小分離閾と呼び,MAR(Minimal Angle of Rcsolution)と略す(Weymouth,1958)。最小分離閾S(単位:minutes)の逆数を最小分離視力とする。

  • 文献概要を表示

I.序

 微小管(microtubule)は真核細胞内に存在する細胞内線維構造物の一つであり,電子顕微鏡による観察で,直径約24nm,長さ数μm〜mmに及ぶ細長い管状構造物であることが知られている。

 鞭毛・繊毛に束となって存在する微小管は特殊な構造をとっている。中心に二つのシングレットの中心小管があり,周辺に鞭毛・繊毛に特有の九つのグブレットの周辺小管が存在する。各ダブレット微小管からは一対の腕(外腕と内腕)が出ている。外腕がATPase(ダイニン)を有し,ATPの分解と共役して,隣接するダブレット微小管との間に滑りが生じ,鞭毛・繊毛の運動が起こると考えられている36,40)

  • 文献概要を表示

 実験動物中央研究所でCF#1マウスを近親交配している過程で,江崎,安田が麻痺性内反足を呈する歩容異常マウス(図1A:正常マウス,1B:異常マウス)を発見し,常染色体上の1個の主要な劣性遺伝子に支配されていることを報告している2)

 このマウスは,正常マウスに比べからだが小さく骨格系には特別の異常は認められないが,生下時よりすでに足関節の自動的背屈と足指の伸展が見られず,その前・外側下腿筋群(マウス前下腿筋群は,前脛骨筋,長趾伸筋,長母趾伸筋,外側下腿筋群は,長腓骨筋,短腓骨筋,第4趾腓骨筋,第5趾腓骨筋の七つの筋肉より構成される)3)は萎縮し(図2A:正常マウス,2B:異常マウス),これら筋群の運動を支配する浅および深腓骨神経さらには総腓骨神経が肉眼的には認められない(図3A:正常マウス,3B:異常マウス)。

基本情報

00018724.25.1.jpg
神経研究の進歩
25巻1号 (1981年2月)
電子版ISSN:1882-1243 印刷版ISSN:0001-8724 医学書院

継続誌

文献閲覧数ランキング(
10月11日~10月17日
)