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I.はじめに
編集者より筆者に与えられた課題は"grumose degeneration"であるが,これはとくに変性型ミオクローヌスてんかんや進行性核上性麻痺(PSP)などの小脳歯状核に見られる特有の変性所見を指していることは明らかである。
すなわち,この変性は,光顕的には(図1)歯状核神経細胞は原発刺激様に腫大する。核も偏在することが多いが,しかし必らずしも原発刺激のさいのように著しくはなく,また凹型にもならない。核が消失している場合も多い。胞体の中心部よりはニスル小体は消失し,細かな消耗性色素様の顆粒を充満していることも多い。樹状突起はやや濃縮し嗜銀性が増強する。そしてこのような神経細胞胞体と樹状突起の周囲の神経網(neuropil)は,HE染色ではエオジン好性が,鍍銀染色では嗜銀性が増強し,その中に強嗜銀性の顆粒状あるいはリング状構造を散在性に混じえるが全体としては"モヤモヤ"として見える。このような神経網の変化は萎縮性の神経細胞の周囲にも認められ,また脱落した神経細胞のあとを補充するかのようにして認められることも多い。
According to Greenfield and Bosanquet6), "grumose degeneration" or "degenerescence grumeleuse" was firstly introduced into medical terms by Tretiakoff34) in 1919. Ile originally intended to describe saccular structures containing lipochrome granules and claimed that this was one of characteristic degeneration patterns of melanin containing neurons. Later, in 1969, Anzil1)applied this term to inflated neurons appeared in the degenerated dentate nucleus of progressive supranuclear palsy.
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