別冊整形外科 1巻39号 (2001年4月)

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超音波セメントカッターを作製し,セメント使用人工股関節再置換術14例に使用した.全例でセメントの除去が短時間に安全かつ容易に行えた.とくに大腿骨髄腔を閉鎖したセメントを皮質を開窓することなく,容易に除去しえた.超音波セメントカッターは,人工股関節再置換に有用であった

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大腿骨側のセメントレス再置換を計画するさいには,大腿骨の状態に応じ,ステムから大腿骨へのストレス伝達の配分と,ステムの中枢と末梢における固定性の配分を検討することが重要であり,その分配はステムの弾性の選択と末梢固定の調節によってコントロール可能である.このことは,初回人工股関節全置換術のステム固定においてもあてはまり,症例に応じて適切な手技を選択することにより,より安定した成績が得られるものと思われる

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セメントレスステムによる再置換を施行し,術後2年以上追跡調査可能であった39関節を対象に治療成績を検討した.長期間安定した再置換術の成績を得るためには,患者側の術前のbone stockの程度が重要な要素であった.再置換術のHAコーティングステム治療後の臨床成績は,JOAスコア平均80点と良好で,X線学的にも90%の症例で沈下は認められなかった.80歳以上の高齢者には遠位固定が可能なフルポーラスステムを使用することで,早期離床,早期荷重がはかれた.骨折を伴った非感染症の弛みや遠位骨髄腔が広い症例にはimpaction graftingやHuckstep型ステムの選択も有効な手段と考えられた

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人工股関節大腿骨側再置換術を施行し,術後5年以上経過した31関節(セメント群13関節,セメントレス群18関節)を対象に,ステム再置換術の大腿骨側のリモデリングと弛みについて,セメント使用の有無及びセメントレスステムについてはデザイン別に比較検討した.セメント群では,菲薄化した骨皮質の改善なく,6関節で弛みを認めた.セメントレス群では9関節に菲薄化した骨皮質の改善を認めた.再置換時に骨欠損が高度であったセメントレス群の2例で弛みを認めた.全範囲ポーラスコーティングステムを用いた4関節では.全例で骨欠損の修復が見られ,ステムは安定していたが,stress shieldingによると思われる大腿骨皮質の菲薄化が広範囲に見られた

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THAとBHAにおけるステムの弛みに対するセメントレスステムを用いた再置換術は,臨床的,X線学的に良好で,骨質の回復が得られた.18cmより長いHuckstepステムを挿入・固定するときや末梢部の骨セメントを除去するときは,斜め骨切り術が有用であった.セメントレスステムによる再置換術は,遠位部でのスクリュー固定に初期の固着を期待するが,近位部に混合骨移植を十分に行い,再構築して,長期的には近位部で固着をはかる

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特徴的なデザインと豊富なサイズバリエーションを持つS-ROMセメントレス人工股関節を用いて再置換を行い,1年6ヵ月以上経過している18関節の短期成績を検討した.変形性股関節症(OA)17例,慢性関節リウマチ(RA)1例で,股臼側の再置換は15関節,大腿骨側の再置換は12関節であった.股臼側では,移植骨間にclear lineを認めたのは3関節で,その幅はいずれも1mm以内であった.カップの傾斜や移動は全例で認めなかった.大腿骨側では,スリープ周囲のclear lineは全例で認められなかった.ステムの遠位では,Gruenのzone3,4,5に幅1mm以内のclear lineが4関節に見られたが,ステムの沈着はなかった

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大きな骨欠損を伴う大腿骨ステムの弛みに対して,Huckstepステムを用いて再置換術を施行した.その結果,良好な初期固定が得られ,早期の荷重歩行が可能であった

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人工股関節再置換術においてWagnerステムを使用した41例42関節について,臨床評価,X線評価を行った.JOAスコアでは,再置換術前平均42.3点が,調査時平均75.3点と改善していた.X線評価では,42関節中7関節にステムの沈下が認められた.ステムの沈下は,全例で術後6ヵ月以内に安定し,その後進行していなかった

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32例35関節に対して,ポーラスコーティングのセメントレスカップであるHGPIIカップを用いた人工股関節再置換術を施行し,術後3年1ヵ月の成績を検討してみた.その結果,カップ側に弛み例はなく,良好な成績が得られた.またセメントレスカップにチップ状骨移植を併用する,その適応はAAOS分類でtypeIIIまでの症例で,母床骨との接触が50%以上の時と考えられた

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以前に人工股関節を施行され,今回,臼蓋再建術により再置換術を行った72関節の手術方法と成績を検討した.手術時間は平均205分,術中出血量は平均680gであった.術後,牽引や固定は行わず,翌日より起座を許可,術後3~4日で車椅子移動などを許可した.術後の経過観察期間は平均2年4ヵ月であった.再置換に至った症例はなかったが,弛みや疲労折損を6例に認め,全例AO皮質骨スクリューであり,チタン製プレートやスクリューでは見られなかった

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サポートリングを用いて人工臼再置換術を行った42例45関節を対象に,臼蓋骨欠損の分類と術後成績をX線学的に評価した.臼蓋骨欠損をItoman分類を用いてtype A~Dに分類したところ,荷重部全体を移植骨で修復する必要があるtypeCとDで40例と全体の88.9%を占めた.各々のtypeで用いたサポートリングは,typeBではGanzリングが全体の80%を占め,typeCではMullerリングが全体で用いられ,typeDではGanzリングが全体の57.9%を占めた.カップの傾斜角に変化を認めたのは4関節で,いずれも骨欠損がtypeDの臼蓋再建にMullerリングを併用し,更にstrutスクリューを立てずにカップを設置した症例であった.又,移植骨の圧潰は4例とも術後3~4年で認められた

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冷凍保存同種骨を移植し,骨セメントで固定する寛骨臼再置換術における長期成績について検討した.その結果,再置換ソケットの長期耐容性には原疾患が影響していることがわかった.再置換後12年での臨床成績やX線成績はほぼ満足いく結果であり,本術式は有用であると考えられた

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人工股関節再置換術の臼蓋側に同種骨移植を行った34関節の成績を検討した.経過観察期間は平均5年8ヵ月であった.移植に用いた同種骨の状態は,塊状3関節(typeI),細片状11関節(typeII),両者併用20関節(typeIII)であった.typeI,IIの14関節は全て良好であった,typeIIIでは14関節は良好,6関節は不良であった.臼蓋欠損のtype別の値を比較したところ,typeIII群はtypeI,II群に比べ有意に大きい値であった.又,typeIIIの良好と不良の比較では有意差は見られなかったが,不良が良好に比し低位であった骨頭中心の外方化についてはtypeI,II,III間で有意差はなかった

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同種骨を用いて3方法により寛骨臼側再置換術を行った49関節の長期成績を検討した.同種ブロック骨は荷重部に移植する場合,単独ではソケットを長期的に支持することは困難であり,カップサポーターの併用が必要である.Impaction allograftsとセメント固定ソケットは強固な壁を形成できればソケットの長期的な支持が可能である

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寛骨臼蓋の高度な骨欠損に対し,臼蓋補強器具と同種骨による再建術を施行し,術後3年以上経過した47例50関節の成績を検討した.最終調査時の日整会股関節機能判定基準(JOAスコア)は78点であった.原臼位設置群と高位設置群では,水平方向の外方化で差は認められなかった.高位設置群のうち,反対側が正常又は原臼位設置の人工臼蓋出ある12関節では,5関節に術後2cm以上の脚長差を有した

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骨欠損部に骨移植を行い,セメントレスソケットにて再建した人工股関節再置換術の臼蓋側の中期成績について,RAの1例を除き良好な成績が得られていた.移植骨の癒合は全例6ヵ月以内に得られていた.骨欠損の程度が強く,移植骨に大きなブロック状骨が用いられた症例では,radiolucent lineやmigrationが多くみられる傾向にあった

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臼蓋コンポーネントのみの再置換術を施行した29関節を対象に,手術方法と問題点を検討した.男2例3関節,女26例26関節,平均年齢69歳であった.再置換術が適応となった原因は,弛み25関節,設置不良による反復性脱臼2関節,バイポーラー型人工骨頭の侵食による中枢移動2関節であった.術後の大腿骨コンポーネントに問題はなかった.術中・術後早期の合併症の頻度は,臼蓋,大腿骨どちらのコンポーネントとも再置換する術式より統計学的にも有意差をもって少なく,臼蓋コンポーネントのみでは,両コンポーネントを再置換する術式より侵襲が少なかった

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脛骨スペーサーは,骨欠損の大きな症例のソケットを原臼蓋の位置にもどすのに有効である.脛骨スペーサーはセラミック製であるため,皮質骨スクリューで固定することによって早期荷重が可能となる.脛骨スペーサー及び多孔質顆粒の併用は,骨量の少ないソケットの再置換術に有用である

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サポートリングを使用した寛骨臼に大きな骨欠損を伴う4例5関節を検討した.GAPカップ等のサポートカップを用いることで,腸骨への直接のスクリュー固定を介し,強固な固定が得られ,早期から可動域訓練,歩行も可能であった.術後の人工関節の可動性も良好で,経過観察時点ではいずれの症例も自力歩行,杖歩行が可能であった.以上より,人工臼蓋の荷重部にあたる部位に大きな骨欠損があり固定できない場合は,サポートリングの使用が有用であった

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ダブルフック付きサポートリングで再置換を行った23例23関節の術後成績を検討した.手術時間は,カップのみの再置換例で平均3時間15分,ステムの再置換も行った症例では平均5時間であった.使用したサポートリングの大きさは,内径44,46,48mmが多く使用されていた.経過観察期間は平均2年9ヵ月と短気であるが,術後成績は全例で良好な成績を示した.JOAスコアでは術前平均44.9点が術後平均80.6点に改善した

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人工股関節再置換術においては,術前に骨欠損の部位と程度を正しく把握し,骨欠損部の修復材料,インプラントを選択する.十分な視野のもとに注意深く骨欠損部を修復し,ステムは母床に強固に固定する必要がある.大量の移植骨を必要とする再置換術による修復が有用な手段である.移植骨が圧潰することなく着床すると,長期の安定した固定性が期待できる

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再置換後3年以上経過し,大腿骨が菲薄化した81例90関節に行ったセメント非使用型人工股関節再置換術を検討した.JOAスコアは再置換前平均59.5点が最終調査時には77.2点と改善が見られた.再置換術後最終調査時は,88関節中,stable例59関節,unstable例17関節,再度再置換例12関節であった.合併症は,術中大腿骨骨折41関節,術中ステム穿孔4関節,術後脱臼6関節,大腿神経不全麻痺2関節,坐骨神経不全麻痺I関節,ステムの弛み11関節,遅発性感染1関節であった.残された骨皮質での固定性が得られるステムの選択,同種骨移植による骨欠損の補填を行えば,セメント非使用型で十分再建できた

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セメントレスステムを用いた再置換術を施行し,術後7年以上経過観察した17例17関節の中・長期成績を検討した.セメントレスステムの使用は,吸収された大腿骨の修復に関して良好な成績を示した.又,適切な手術手技で行えば長期的に成績は良好であった.術前の骨破壊の強い症例では,術後かなり長期に免荷することでステムの固定性が得られた

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Extensively porous coated stemで再置換した50例51股の術後成績を調査した.その結果,中期成績であるがsevere stress shieldingはなく,ほほ良好な結果が得られていた.またBone stock damageの高度例に対しても,大腿骨遠位部のliving boneのある部位でbone ingrowthが得られていた.以上のことから,本術式は長期の安定した成績と骨皮質の改善が期待できる有用な方法であると考えられた

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Impaction bone grafting法を用いた人工股関節大腿側再置換術38関節を,レギュラーステム群とロングステム群とに分け検討した.その結果,レギュラーステム群は88%の症例でリモデリングがみられていた.一方,ロングステム群はストレスがかからないためか成績不良であった.また菲薄化した大腿骨に行なう際は,予防的にワイヤリングやプレートを準備する必要があると思われた

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同種骨を用いたimpaction bone grafting法に関して,その手技,臨床成績,問題点について検討した.本法を施行した13例全例において,概ね良好な臨床成績が得られた.殆どの症例でX線像上,移植骨の同化が得られ良好なリモデリングを認めたが,1例に5mmの沈下を認めた

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大腿骨側においてimpacted cancellous allograftを使用した人工股関節再置換術14例14関節の短期成績について,術後1年で大腿骨再骨折を生じた1例を除いて,臨床的ならびにX線学的に良好な結果が得られた.GradeIII迄の骨欠損例に対して,本法は自家骨の温存と再生が得られる点で従来法に比し有利であると考えられた

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Impaction hydroxyapatite grafting法で人工股関節再置換術を行なった4例について,その短期成績を報告した.その結果,HA顆粒を用いることにより,同種骨のimpaction graftingで認められる問題点を解決できるかもしれないと考えられた

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140関節のインパクション手技による再置換症例を検討し,骨欠損の様々な様態に対応した手術手技について述べた.15年の臨床経験から寛骨臼側でのインパクション手技は適応さえ誤らなければ有用な方法であると考える

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バイポーラー型セメントレスプレスフィットステムからソケット固定型の人工股関節全置換術(THA)に再置換した24例24関節の骨欠損部の骨構造の変化を術後1年以上調査した.変形性股関節症(OA)20例,大腿骨頭壊死症例2例,大腿骨頸部骨折例2例であった.再置換までの期間は平均8年10ヵ月,再置換時年齢は平均58.5歳,経過観察期間は平均3年であった.手術時間は平均209分,術中出血は平均1,385ml,術後出血は691ml,総出血は2,076mlであった.臼蓋側に弛みを認めた例はなく,大腿骨側では,セメント使用ステム例4関節に弛みを認めた.臼蓋側の移植骨は全て均一化し,骨吸収は見られなかった.大腿骨側では,同種骨ブロック状移植を行い,セメント使用ステムに弛みが発生した2例が骨吸収を受けた以外は移植骨の均一化が見られた

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対象症例は38例38関節.使用した同種骨はいずれも愛知骨銀行より提供されたもので,大腿骨頭が23個と最も多く,次いで遠位大腿骨が18個,大転子が2個,脛骨顆部が6個であった.経過観察期間は短いが,深部感染が発生した1例とインプラントのmigrationが術後2年で発生した1例を除いた36例は良好な成績を示した

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人工股関節置換術後に深部感染をおこした18例について評価した.その結果,18例中11例に再置換を行なったが,平均48ヵ月の経過期間において感染が再燃した症例はなかった.セメントビーズによる二期的再置換は,安全で効果的と思われた

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人工股関節全置換術(THA)後感染12例12関節の治療方法,成績を調査し,治療方針を検討した.3例3関節でクリーンルーム下に手術を行い感染した,感染発症年齢は平均63歳,感染治療開始後の経過観察期間は平均5年であった.再置換未施行例5例の経過観察期間は平均5年5ヵ月,再置換施行例7例では平均2年2ヵ月であった.傷掻爬のみで感染の鎮静化を試みたが,感染は消退せず,最終的には全例人工関節を抜去した起因菌を同定できた場合は,二期的再置換術を施行し,再置換までの期間は抗生物質入りセメントビーズを使用した感染治療が有効であった

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著者らは,人工靱帯を用いた新しい内旋制動術を開発した.生活指導を徹底できない5症例に行なった結果,4例に有用であった

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人工股関節置換術を行なった275症例中,7例に大腿骨骨折が発生した.全例とも内固定術にて治療をおこなったが,うち1例は計4回の内固定術を要した.最終的には,全例で骨癒合が得られた

基本情報

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別冊整形外科
1巻39号 (2001年4月)
電子版ISSN:2433-4316 印刷版ISSN:0287-1645 南江堂

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