Japanese
English
しびれ・痛みに対する整形外科診療の進歩 Ⅱ.疾患・病態別の診断・治療
1.頚椎・上肢
交通事故による頚椎捻挫(外傷性頚部症候群)の治療が遷延する構造
-――共分散構造モデルによる可視化の試み
Structural equation modeling analysis among neck pain and related factors for prolonged treatment of whiplash-associated disorders
香川 栄一郎
1
,
加藤 龍一
1
E. Kagawa
1
,
R. Kato
1
1JA共済総合研究所
1JA Kyosai Research Institute, Tokyo
キーワード:
neck pain
,
whiplash injury
,
structural equation modeling
Keyword:
neck pain
,
whiplash injury
,
structural equation modeling
pp.100-105
発行日 2018年10月30日
Published Date 2018/10/30
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei74_100
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は じ め に
交通事故負傷者数は徐々に減少しているが,いまだに年間58万人に及んでいる1).なかでも,交通事故によりもっとも多く発症する頚椎捻挫(外傷性頚部症候群)は,その約60%を占めている.
頚椎捻挫は頚部の軟部組織損傷であり患者の大多数は早期に症状が回復する.しかし一部に頚部にとどまらず多彩な症状を呈し,治療が奏功せず慢性化し,治療期間が長期に及ぶ症例が存在していることが知られている.
これまでも諸外国では治療期間が遷延化する予後遷延因子について数多く報告されているが,頚椎捻挫の病態の構造は明らかではない.
そこで交通事故により惹起された頚椎捻挫の主症状である頚部痛と関連要因の相互関係を量的に示し,治療期間が遷延する全体構造を可視化することを目的に共分散構造分析によるモデル構築を行った.
© Nankodo Co., Ltd., 2018