Japanese
English
人工関節における進歩 Ⅳ.各種人工関節置換術の各種アプローチ
2.人工股関節置換術
人工股関節全置換術における後外側アプローチと前外側アプローチの比較
Comparison between posterolateral and anterolateral supine approaches
鵜養 拓
1
,
渡辺 雅彦
1
T. Ukai
1
,
M. Watanabe
1
1東海大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Surgical Science, Tokai University, School of Medicine, Isehara
キーワード:
THA
,
posterolateral approach
,
anterolateral supine approach
Keyword:
THA
,
posterolateral approach
,
anterolateral supine approach
pp.60-63
発行日 2023年4月25日
Published Date 2023/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei83_60
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は じ め に
人工股関節全置換術(THA)にはさまざまなアプローチが用いられている1~4).わが国では以前から後外側アプローチの割合が多いが,近年では脱臼抵抗性の観点から前方系アプローチの割合が急速に増加してきている.後方系アプローチの利点として,展開が容易であり大腿骨操作が行いやすいことがあげられる.一方,欠点としてほかのアプローチに比べ脱臼率が高いと報告されている5~7).前方系アプローチは筋肉を切離しないため筋力回復が早い8),入院期間が短い,脱臼率が低い9)といった利点があげられる.一方,前方系アプローチの欠点としてラーニングカーブがある,大腿骨を操作しにくくステムのマルアライメント挿入,術中大腿骨骨折が生じやすいと報告されている10).このようにアプローチにより処置する筋肉が異なるため,術後入院期間や術後筋力推移に差が生じる可能性が考えられる.本研究では後外側アプローチ(PL)と前外側アプローチ(ALS)の入院期間,術後筋力,術後成績の比較・検討を行った.
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