Japanese
English
小児整形外科up-to-date Ⅰ.総論
3.被虐待児症候群
児童虐待の鑑別における整形外科的要点と最近のトピックス
Orthopedic essentials in the differentiation of child abuse
中川 敬介
1
K. Nakagawa
1
1大阪市立総合医療センター小児整形外科
1Dept. of Pediatric Orthopedics, Osaka City General Hospital, Osaka
キーワード:
child abuse
,
classical metaphyseal lesion
,
fracture dating
,
artificial intelligence
,
autopsy imaging
Keyword:
child abuse
,
classical metaphyseal lesion
,
fracture dating
,
artificial intelligence
,
autopsy imaging
pp.41-44
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei85_41
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は じ め に
児童虐待については,まず疑うことからすべてが始まる.乳幼児の外傷患児の診察では,常に児童虐待が隠れていないか想起する必要がある.目の前の患児に対し,単なる外傷患者という視点でのみ対応していれば,その裏に潜む虐待を見過ごす可能性がある.特に身体的虐待を受けた患児に対し,児童虐待は絶対に見逃さないという確固とした姿勢で診療に当たらなければ,場合によっては生命にかかわる可能性がある.
本稿では,児童虐待の整形外科的要点について概説する.「虐待」か「偶発的外傷」か,また骨脆弱性疾患の可能性はないかという判断は,非常にむずかしいものである.また,近年のトピックスとしては人工知能(artificial intelligence:AI)と死亡時画像診断(autopsy imaging:Ai)があげられる.これらについても簡単に述べたい.
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