高齢者において食料品アクセス問題は栄養状態と関連する重要な問題である.しかし,高齢血液透析患者における食料品アクセス問題についての先行研究はない.われわれは高齢血液透析患者における食料品アクセス問題と栄養状態との関連について調査した.アンケート調査より,食料品アクセス問題を有する者は33%(7/21名)存在した.食料品アクセス問題あり群はなし群と比較して年齢が有意に高く,血清P値が有意に低値であった(あり群83±3歳,なし群74±6歳,p<0.01;あり群4.1±1.5 mg/dL,なし群5.6±1.3±1.3 mg/dL,p=0.03).また,あり群はなし群と比較して血清Alb値が低い傾向がみられた〔あり群 中央値3.3 g/dL(IQR 3.0〜3.8 g/dL),なし群中央値3.6 g/dL(IQR 3.4〜3.9 g/dL),p=0.09〕.高齢血液透析患者においても食料品アクセス問題は,非高齢血液透析患者と同程度存在した.さらに,食料品アクセス問題を有する者はAlb値が低い傾向を示すことから,食料品アクセス問題のさらなる調査が必要と考えられる.